《【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄のラポルト16」と呼ばれるまで~》第7話 A2/AD②
「フローター起!」
麻妃(マッキ)の聲と共にふんわりと著地する。と、同時に、地面をりながら艦左舷のBotとの距離を詰めていく。
「すごい跳躍だったねえ。うん、フローター全開でもエネルギーに余剰ある。マジカルカレント炸裂なう!」
浮遊裝置(フローター)で機をホバリングさせながら、Botに接敵したところでもうひと跳躍!
「うおおおお!!」
森の大樹を下に見ながら、空中戦艦に取り付こうとするBotに回転槍を一閃する。
旭煌を纏った刃部の激しい回転が、れただけでBotを弾き落とした。
「おお!」
麻妃が思わず嘆の聲をあげる。僕はすかさず追撃した。
地面に接地して、DMTの両腳が大地を噛みしめた覚をじると同時に、腰のった一撃を繰り出す。
バキキィン!!
を帯びた刺突が、Botの中心を貫いた。1機撃破だ。
「よっし!」
僕も思わずガッツポーズをする。
「よっし。敵に何もさせなかったね。さすが暖斗くん。じゃあ次、右舷の2機」
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「どっち?」
「艦尾の方にして。そっちの方が弾幕うすいから。でも暖斗くん。確実にMKの効果出てるよ。DMTの機が全然違う」
「だよね。サリッサの威力も」
「もっとMK意識したら、重力子エンジンの出力上げれるのかな」
「やってるよ。すでに。僕にとって、これは『當たり前のこと』だから」
「‥‥そうだったね」
僕は、脳裏に重力子エンジンを思い浮かべて、息を吸って、吐く。
と、エンジンがそれに応えて、ズゴゴゴ‥‥! って振音と共に、回転數を一段上げる。これがMK発のルーティンだ。
艦尾のBotを視認したので、急速旋回しながら目がけて跳躍した。
「!!!」
驚いた。一面に広がる空と地平線。今度は森の大樹じゃなくて、戦艦の艦橋が足もとに見えた。ジャンプしすぎて、Botの遙か上、艦橋を飛び越えていた。
「フローター全開! 暖斗くん、敵目がけてスロットル踏んで」
咄嗟に戦い方を変える。麻妃の言う通り推進(ブースター)で向きを変え、敵Botに上空からの一閃を喰らわせた。――ビーチボールみたいに弾かれたBotは地表付近で制をかけて、何とか地面との激突を回避したようだ。
そこにすかさず、2撃目をれる。回転槍の切削によって大きく裝甲を削られたBotは、地面にめり込みながら活停止した。
「‥‥‥‥なんか、サリッサの回転ヤバくない?」
僕はそう口にした。
「だよね。芯を食わない刺突でも、これだけ削れちゃってるし」
麻妃も驚いているのが聲音でわかった。
3機目はし厄介だった。艦の主砲を避けるのが上手いヤツで、引き離せないでいた。しかもBot自からの砲撃も織りぜてくる。艦は、DMTと同じく裝甲表面にシールドバリアを展開しているから被害はないけれど、2~3発の直撃をけていた。
僕は砂塵を巻き上げながら艦に追いつくと、空中のBotに対してビーム砲を打ち込んだ。ちゃんと艦に當たらない角度から。
戦艦への攻撃に注力していたBotは、僕から橫撃をける形になった。こちらの初撃で大きくシールドを減らしながらも、応してきた。打ち合いになったが、出力で圧倒する僕のDMTは砲撃の雨でBotを押し込んでいく。シールドを割られ実裝甲に被害が出始めたBotを、最後はるサリッサで仕留めることができた。
「お疲れ様。暖斗くん。圧勝だったわね」
帰投中、戦艦側オペレーターの、渚(なぎさ)咲(ひなた)さんがそう言ってくれた。
僕と麻妃は顔を見合わせる。そう、今回は1機目のBotを深追いしてしまって、3機のBotと母艦を戦させる羽目になってしまったから。
本當は失敗‥‥とまではいかないが、良くない展開だったハズだ。
渚さんは國防大學校付屬中で、専門は戦だそうだ。
麻妃が戦闘中に僕に出す指示は、麻妃と渚さんが事前に立てた作戦だったり、戦闘中に渚さんから麻妃への提案・指示だったりする。
だから、彼から見たら僕らコンビはシロウトで、それでも頑張ってるって解ってくれている上での、さっきの言葉だと思う。
「うん。ありがとう渚さん。ゴメン。戦列崩しちゃって」
「いいのよ。暖斗くんのマジカルカレントが見れたから。無茶しないで頑張ってね。あと、MK能力使った分後癥も強めでしょうから、お大事に」
彼の聲は僕と同級生とは思えないくらい落ち著いていて、なんだか大人っぽい。本當に大人の人と話しているような覚になる。
「まあ、戦列っても、暖斗くん1機しか出てないからなあ」
先に帰艦した麻妃の聲が、インカムから聞こえた。
発進デッキの口部で、水とエアーで機を洗いながら格納庫にる。所定の位置にDMTを移して、架臺に固定されるのを確認、エンジンをアイドル狀態にした。
さっき渚さんが言ったように、今回の戦闘は意識的にMK能力を使った戦闘だった。おかげで危なげなく有利を取ることができた。でも、その分後癥候群も大きいそうだ。
菜摘組の子4人が、擔架とキャスター付きのベッドを運んできてくれた。MDT格納庫の、僕のMDT―― 一応通し番號があって、僕のは2號機なんだけど――の整備橋前まで。
準備がいいな。っていうか。
戦闘結果の解析から、僕のMK後癥が出るのが確定なんだろうな。
あのつるんとした黒髪と、白ののうしろ姿が頭をよぎる。
僕はまた、あの娘のいる醫務室に行く羽目になりそうだ。
※「この小説、醫務室に行ってばっかだな!」と思ったそこのアナタ!!
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