《【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄のラポルト16」と呼ばれるまで~》第8話 突撃する赤ちゃんⅠ①
DMT(デアメーテル)格納庫の通路からタラップを渡って來たのは、菜摘組の5人の、初島(はつしま)さん、來宮(きのみや)さん、浜(はま)さん、折(おり)越(こし)さん、の4人の子だった。桃山(ももやま)さんはタラップの向こうで、何故かこぶしを作って突き上げ、浜さんにしきりに
「がんばれ、行け」
と言っている。
僕が縦席(ヒステリコス)を出てしまうと、前回みたいに一気にMK(マジックカレント)の後癥狀が出てしまう。
もしかしてけなくなって転んで怪我をするかもしてない――から今回は、けるに擔架に乗ってもらう、という段取りだそうだ。
「せ~の!」
4人が呼吸を合わせて、僕を擔架に乗せる。
子4人の聲が重なると、まるで放課後の部活みたいだ。
僕の重が60㎏だから、1人15㎏計算か。子にはちょっときついんじゃないかな、と、思って。
「重かったらゴメン」
と苦笑しながら言ったら
「大丈夫っス。ウチら鍛えてるんで」
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と、來宮さんから返ってきた。
折越さん、初島さんもそんなに重そうにはしてないけれど。
あ、‥‥‥‥浜さん1人だけ顔を赤くしている。4人の子の、この子だけ明らかに長低くて大変そうなんだけど。
桃山さんじゃだめなんだろうか?
擔架からキャスター付きのベッドに移される時に、自分のが「かない」ことをハッキリ自覚した。やっぱりこうなった。しかも、前回のMK後癥よりが重い覚だ。
「‥‥‥‥暖斗(はると)くん、暖斗くん。聞いてる?」
気が付いたら、折越さんに話しかけられていた。
「あたしら、DMT戦って、生で初めて見たんですー。ね~!?」
折越さんは、周りに同意を求めた。なんでそうしたかはよく分からないけど。
でも、ああ、見られてたんだ、あの戦闘を、と、し恥ずかしくなる。
「艦に寄って來たBotをバシバシやっつけて、暖斗くんスゴイです~!!」
「あ、いや、艦に近づかれちゃったのがホントはダメだったんで‥‥‥‥」
「あと、DMTがすっごいジャンプしてたじゃないですか~。あんなに跳べるんですか? DMTって~?」
「あ、いや、あの時はジャンプしすぎちゃって。敵にもっと迫らないとダメで‥‥」
折越さんは大げさにをよじった。
「も~。暖斗くん謙遜してばっかり~」
だけど、他の子の反応がイマイチ薄い。なんか、あんまり折越さんとだけ話すのも? その辺、どうなんだろうか?
「あ、そうだ。全員の『通 話 アプリ(アノ・テリア)』にメールしといたけど、僕が男子だからって気をつかわないで。タメ口でいいからね。みなさん」
やっぱり折越さんみたいにグイグイ來る人は、実は苦手なので、何となく話題をそらしてしまった。彼に悪い事したかな? とは思った。
*****
「楽しそうですね」
醫務室に著くと、逢初(あいぞめ)さんが待っていてくれた。
ここで、ここまで運んでくれた5人の子とは別れた。
今から前かけ著けて「はい、あ~ん」なのだから、見られない方がありがたい。
「ちなみさんって、すごくスタイルいいもんね。中學2年生とは思えないくらい」
「ちなみさんって?」
「折越ちなみさんよ? わざと知らないフリしていませんか? 咲(さき)見(み)くん」
と、逢初(あいぞめ)さんに言われたが、フリではない。15人の下の名前までは実はまだ頭にっていないんだよね。だんだん憶えるとは思うけど。
「いえ。そんなことは。って言うか、逢初さん、言葉づかいが‥‥‥‥」
「だって、みんなはまだ咲見くんに固い話し方なのに、わたしだけフランクに話していたら、みんな『ん?』ってなるでしょう?」
「え、だって。じゃあ、麻妃(マッキ)は?」
「麻妃(まき)ちゃんは、咲見くんの馴染み枠じゃない?」
「そんなもんかなあ。あ、でもさっきあの子達には言ったよ。タメ口OKだって」
僕がそう言うと、彼は。
「艦の外に出て敵をやっつけてくれる男子なんだから、やっぱり敬語でないとまずいって、みんな考えてるかもよ」
と、言った。
「逢初さんが固い口調に戻したいんなら、無理強いできないけど。僕としては、フランクな言葉づかいでみんなと話したいなあ。その方が気が楽だし。男子だからって、子が男子に敬語を使わなきゃならないっていう空気ができてるのが、本當はおかしいと思うんだよ。これ、親のけ売りなんだけどさ」
彼の顔を見ながら続ける。
「この戦艦に男子は僕しかいないし、『暖斗』でいいよ。それに」
「それに?」
「それにDMT乗るのは危険を伴うからこそ、こういう事は男子がやるべきだと思うんだ。だから、僕がやるよ」
「‥‥‥‥!」
作業をしていた逢初さんの手が止まった。
「でも、見ての通りDMT乗ったらけなくなっちゃうんで、君に助けてほしいんだ。ほら、この通り」
すると。
「‥‥‥‥うふふ。あはははは」
彼は、僕の言葉に、両手で口をおさえて笑ってくれた。
「 ‥‥‥‥この前もそうだったけど、首から下がかないのに、『ほら、この通り』っておかしいでしょう? ふふ、あはは」
よかった。やっと空気が和んだ気がする。でも、あれ? なんで空気がおかしかったんだろ?
「でもさ、なんで子15人に僕1人なんだろうね。確率おかしくない? あと1人は男子が良かったなあ」
「そうね。絋國國民の男比で計算すると、16人中2.66人は男子のはず。確かにあともう1~2人ね?」
「逢初さん、今、一瞬で暗算したの?」
「うん。わたし、そういうのだけは得意みたいで」
言いながら彼はしはにかんだ。さすが、「わチャ験」で準準醫師資格を取っただけあるなあ。
「じゃあ、前回みたいに始めてくね。失禮します。『暖斗くん』」
彼が、例の前かけを僕の首につけ始めた。彼のが、ベッドに橫たわる僕の正面、つまり真上にきて、そして、彼の両うでが僕の首の後ろに回される。
「ん‥‥んん、やっぱりやりにくい。ヒモが短くて‥‥‥‥」
僕のの目の前で、逢初さんはやりにくそうだ。
「僕の首も持ち上がらないしね。何か、マジックテープみたいの無かったのかな」
「それで作りたかったんだけど‥‥、素材がなくて。でもヒモも良くない‥‥よね‥‥。わたし、実は不用なんだよね。外科醫とかはならない方が良さそう」
「じゃ、何科の先生になるの?」
「今、バイトしてるのは小児科」
「あ、子供好きなの?」
「うん、大好きだけどね。でもそんな高い志じゃないよ。『小児科は大変だからり手がない』って聞いたから。じゃあこれやったら患者様たくさん來て、食べていけるだろうなあって。ただのブルーオーシャン戦略だよ」
「そのブルーなんとか戦略? は後で自分で調べとくよ。で、まだ前かけ著かないんだ」
「合(スーチャリング)とかやっぱ無理‥‥ちょうちょ結びでこれだもん」
なかなか首の後ろで結べないので、逢初さんがを乗り出してきた。そのセミロングの髪の先が僕のあごをでるが、彼は気付かずに、さらにを乗り出してベッドの脇――僕の右のわき腹あたりに腰を乗せた。
ギリギリれてはいないけど、彼の腰と接近した僕のわき腹が、なんだかぽかぽか熱を帯びてきた。
「やっぱりこの前かけは、改善の余地あり‥‥‥!」
彼のが、目の前でグラリと傾く。
「‥‥わっ!!」
そう言いながら彼は、バランスを崩して僕の上半に、覆いかぶさるように倒れてしまった。
甘い髪の香りがふわっと押し寄せてきて。だけど、僕の上に乗ったはずの彼のは、不思議と重さはじなかった。
度の高い、やわらかいが、僕のくちびるとあごにずっとれていた。それが彼の右ほほだとわかるのは、彼が起きあがる時に、だった。
※「き取れないのにラッキーだな!?」と思ったそこのアナタ!!
ここまで、この作品を読んでいただき、本當にありがとうございます!!
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