《【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄のラポルト16」と呼ばれるまで~》第23話 の暴力①
「麻妃(マッキ)。敵いる?」
「いや‥‥。消えたまんまだわ」
やっと退院できた次の日の午後、僕はDMT(デアメーテル)で出撃していた。
今朝から移を始めた戦艦(ラポルト)の、一瞬だけレーダーに反応があったのが1時間前。
艦のAIが算定した「敵がいた確率」が70%、今は、その確率を0%にするために森を哨戒している。
「やっぱいないのかな?」
「いやいやいや。最悪のケースを想定してかないと。渚さんが言うには、レーダーに反応した1機はワザとで、そいつを囮にしてい込んでるかもだって」
「最近流行ってんの? 前回戦った8機編と似た手口か‥‥」
「しかも、この敵をスルーしちゃうと、さらに前方のBotと挾み撃ちになるかもなんだって」
「あー。でもこれ。見つかるまでやるの? あんまり長くDMTに乗ってたら、また醫務室送りだよ。せっかく退院したのに」
僕はブツブツ文句を言いながら、麻妃が指し示す地點を順に調べてつぶしていった。
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正直あまりやる気が起きなかった。
「8時!」
麻妃がぶ。
僕はすばやく左に振り向くと、後進して距離を取った。近くでレーダーに反応があったが、敵からの攻撃とかは無い。
「1機だよ。暖斗くん。けど、一応複數いる想定で」
「ホバリングだね。頼む」
DMTの肩や腰、手足の各所がり出した。フローターだ。反重力を生み出して、機を軽くしたり浮かせたりする。
今回は「囲まれる想定」をしながらきまわって、隙があればBotを仕留めていく作戦だ。
僕は、深呼吸をして集中力を高めた。
MK(マジカルカレント)発。
エンジン音が高まって、フローターのが増していく。腳部の接地が消えて、水に浮いた様な覚。あとは推進だけで高速機をする。
「いっそこのフローターだけで空とか飛べるんじゃない?」
僕は麻妃に聞いた。
「飛べるけど、フローターはそんなに便利なじゃないよ。DMTが転んだりしても浮かしてくれないからね。あくまで2本足で立ってる、縦の姿勢の範囲でしか機能しないからね」
そうなんだよね。重力子回路って一度ある方向に重力加速度を発生させると、その向きを変えるには回路を一回オフにしてイチからやり直さなきゃならない。しかも立ち上がりが遅い。
じゃあ、起させた回路をクルクルかして、しい方向に重力を生めば? ってなるんだけど、技的に難しいみたいなんだって。麻妃のKRM(ケラモス)も重力子回路で浮いてるけど、細かい姿勢制は推進を使ってる。
DMTの浮遊裝置は、重力発生の方向が、「頭の方」限定で設定されてる。その分早く立ち上がって反重力が得られるんだけど、「立った姿勢」方向にしか働かないから、要注意なんだよ。
「敵、距離1スタディオンのまま。いてないと思う。あの茂みの向こうだね」
麻妃が、僕のDMTのモニターにその茂みをマーキングした。予備回転をしていた回転槍(サリッサ)が、高速域にった。
僕は左手に長方形(ロング-マチュア)の大型盾(アスピダ)を、右手に長柄の回転槍(サリッサ)を構える。
「行くか!? 暖斗くん」
麻妃の呼びかけに、無言で頷いた。
「突撃(アサルト)」
モニターに置かれたマーキングに、突っ込んでいく。
1スタディオンは約180メートル。
これは大型DMTのひと跳躍で、サリッサの切っ先が屆く基準の間合いだけど、このDMTは中型だから敵Botまでは2歩跳躍する。
森の木々を吹っ飛ばしながらマーキングに薄すると――いた! Botだ!
小型のBotがビーム砲をしてきた。盾でけながら左に旋回する。
一回巖の後ろに回り込みながら、再度近接した。
ギギッ!!
槍の一撃をれたが、手応えが軽い。
「暖斗くん。今の打ち込み、右足がってる。フローターのせいで地面を噛んでないよ」
やっぱり。
MKでフローターの出力が上がってるから、イメージよりも機が浮いちゃってるんだ。
「フローターをし抑えて、推進にエネルギーを回すよ」
「わかった。もう一回近接する」
僕はそう言いながら、彼に謝した。麻妃はいつも冷靜で、的確に機の管制をしてくれる。
Botのビームは盾でけた。さっきより機が重くて、ビームを避けにくくなってたから。
ガキン!!
った!
MKでを帯びたサリッサが、Botの芯を食い破る。の回転がBotの裝甲を削り、フレームの金屬にれて火花を散らす。
「ようし!」
麻妃も歓聲を上げた。僕は地面に落ちたBotから槍を引き抜く。
「麻妃。やっぱりサリッサ當てた時のが違ったよ。フローターで自重軽くしすぎるとやっぱり踏み込みも軽くな――」
ゴガッ!!!
視界が突然砂嵐になった。
「!?」
視力が戻った僕の目には、モニター全部を覆う程の巨大な「手」が映し出されていた。そのモニターもビームの閃で埋まっていく。
ビ――――!!
隔壁縦席(ヒステリコス)に警報が鳴り響いた。
「ザ‥‥‥くん。3方向から‥ザ‥‥撃、シールド殘わ‥‥」
「え? 敵?」
一瞬何が起こったのか判らなかった。
取りあえず全力で後進した。
が、その時僕が見たものは、巨大な「手」だった。
僕のDMT程の大きさがある。表面はDMTやBotと同じ複合樹脂。手のひらと指があり、ビーム砲の口徑も見える。本當に「手」の形の兵。
「手」はそれだけの存在で獨りでフワフワと浮いていて、その後ろに腕やは無い。指先の鋭い爪を突き立てて、吶喊(とっかん)して來た。
それを辛うじて盾で防ぐと、右橫からビームの直撃をモロに食らってしまった。
「手」は、右手と左手、左右に2機いた。左手の攻撃をけた隙に、右手のビームを喰らった形だ。
「シールド積層(レイズ)ゼロ!」
麻妃がんでいた。
「あ」
僕は唖然としてしまった。
さっきから、戦況の変化に脳が追いつかない――――!
僕の頭上に現れたのは、中型Botの3倍はあろうかという大きさの「手」の親機。
大型Bot本だった。丸い球、中央のスリットに、カメラの様なが見える。
僕と僕のDMTは、その巨大な影の下で、棒立ちしていた。
もう一度、麻妃(マッキ)が渾の力でんでいた。
「ぬっくん逃げてえ――!!」
※「そう言えば、ピンチらしいピンチって今まであった?」という そこのアナタ!!
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