《【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄のラポルト16」と呼ばれるまで~》第31話 「キャは損」説①
その日の午後、僕の運検査をして退院。今回は今までで一番時間かかったんじゃないかな? 全快するまで。MK(マジカルカレント)能力を多く使ったかららしい。
それから遅めの晝食を自力で摂った。
食べたら麻妃に聞いた依の話を聞きに行こうと思ってたけど、あいにく醫務室には初島さんと來宮さんが來てた。桃山さんと同じく翌日検診なんだろう。
と、いう事は、さっきと同じパターンだから醫務室れないよね。ったら怒られるヤツだ。
でも依は、晝に僕の運(C)負荷心(P)電図検(X)査やってたから、朝からぶっ通しのハズ。お晝食べれたんだろうか? ちょっと心配になる。
けど僕がどうこうも出來ないので、筋トレと模擬戦メニューを消化して自室に帰った。
その晩、夕食を食べて部屋でゴロゴロしていたら、自室のインターホンが鳴った。
「どうぞ」
「ごめんね。暖斗(はると)くん」
部屋を訪れたのは、部屋著姿の依だった。フードパーカーにショートパンツ、ふわモコ素材のセットアップのようだ。
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「3Fって誰もいないから、夜の校舎みたいだね~」
依はそういいながら、申し訳無さそうに部屋にをれてくる。
「おじゃましま~す」
僕はベッドからを起こした。実は夕食前に依からメールがあり、そろそろ來るかと思って、軽く部屋を片付けておいた所だ。
「誰も居なかった? たまに子が風呂りに來るよ?」
「ええ? 本當? 一誰が――」
「えっと、渚さんとか麻妃(マッキ)とか。あと七道さんと折越さんも」
「勝手にってくの?」
「いや、麻妃とかは『2F混んでっから借りんぞ』って言いに來るけど、他は気が付いたらってるよ。ホントは風呂時間予約アプリがあるのにね。風呂場の照明點いてたら一応警戒する。あ、七道さんとかは深夜だな」
「それはつまり、暖斗くんが『あれ? 誰かいる?』って所ったら」
「うん、人の気配とカゴに著替え的なが。――すぐ逃げるよ」
「‥‥‥それは‥‥‥!。子會(議)案件ね‥‥。事故が起こる前に対処すべきだわ」
「ま、2Fの風呂は15人で1個。3Fは僕ひとりで1個。MK後癥の時はまるまる空いてるからりたいのは分かるけどさ。で、用事は? 実は僕もちょっとお話が」
「うん、じゃ、ごめん。‥‥どこ座ればいいかな?」
と依に訊かれたけれど、僕の部屋には椅子とかが無い。結局ベッドを公園のベンチみたいにして、ふたり並んで座った。
依は足をし揺らしながら。
「暖斗くんもうお風呂った?」
「ったよ」
「そう。わたしも今ってきたとこ。あ~、今日は忙しかったあ」
そう言いながら屈をする。
たぶん、醫務室での関係が無かったら、僕の自室でこんな風にふたりきりなのは、お互い張するはずなんだけど。
さて、麻妃から聞いた依のあの話、どうしようか。
「あ、これ紙の本。暖斗くんの艦外持込品ね?」
依が、僕が読んでいた年季のった文庫本を手に取る。
「ああ、父さんの本棚にあったヤツ。適當に持ってきたんだよ。実はPCで読むよりコッチの方が好きなんだ」
「わかる! 昔の本を手に取って読むと、紙の質とか、雰囲気あるよね」
僕らは、この「験乗艦」にあたって、紙の書籍を各自最低1冊持ってくるように運営から言われていた。理由はよく判らなくて、みんな「今どきそんな」と苦笑いしてた。でも、こうしてネットがつながらず、何日も艦の中にいる狀況を踏まえれば、案外紙の本は、いい時間つぶしにも、他の人との會話のキッカケにもなるような。
「‥‥‥『アンチエイジング』? 変わったタイトルね。醫學書、じゃあないか。論? 暖斗くんが?」
依は、固まった僕を見て「ごめん」と言いながらケラケラ笑い出した。しまった。これならもっと當たり障りない本にすれば良かった。
「そ、それね。なんか容と健康の本みたいだよ」
「へえ。そうなんだ。でもわたしが持ち込んだ本もなかなかだよ。『ほら理論』って本なんだけど、どう? 負けずに変なタイトルでしょ?」
「ほら!」
「他にもバイト先から持ってきた『醫界展6月號』とか『絋國醫科評論』とかあるんだけど、暖斗くんは読まないよね?」
「醫學の雑誌じゃんか! うん、読まない。読む訳ない。『ほら』だけでいい。で、その本はどんな本? 想像つかないんだけど」
「うん。『全てはほらに帰結する。人の人たる源、それはほら』、という書き出しから始まるよ」
「‥‥‥ますますわかんなくなった。でも興味は湧いたかな。ちょっとだけど」
「醫務室に持ってきておこうかな。誰かさんがねんねんの時の読み聞かせ、とか」
僕が「こら!」と言うとまた彼はケラケラ笑った。さっきから僕らはこんなやりとりをしている。
僕は依がここを訪れた理由が何となく判ってきていた。
笑う合間に僕を見る目が不安のだから。僕が聞きたい事を、彼は話に來てるんだ。
でも。だからこそ、なのか、僕らふたりは本題にるのを躊躇っている。
「あ、もうこんな時間。あまり遅いと言い訳できなくなるよ」
僕はこう投げかけた。依が話せないのなら、今は無理に聞く気はない。それに、大人の監視なく僕と15人の子が住むこの戦艦。就學旅行の夜みたいな間違いが無いように、3Fは男子、2Fは子のみ、とわざわざ非効率に分けている。なのに、依がここに居てしまったら々と問題になっちゃうはずだ。
うん、そだね、と依は言って、一回はベッドから立ち上がった。が、足を止め、クルリと振り返った。
「‥‥‥‥麻妃ちゃんからメール來たよ。暖斗くんにお話したいことがあります」
あのこと、だ。
「‥‥わかった。聞くよ」
「じゃ、あらためて。――どこ座ればいいかな?」
生唾を飲んで頷く僕に、彼はこう言った。さっきまで本人が座ってたベッドに促がす。
依のこのセリフは今夜2回目だけど、先ほどとは全然重みが違った。
「あのね」
依は華奢な板でいっぱい大きく息をし、ごっくん、とを上下させてから話し出した。
※「なんか、超ヤな予」という そこのアナタ!!
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