《【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄のラポルト16」と呼ばれるまで~》第33話 拾う②

僕のDMTの近くに人がいるらしい。武を使うなと言われてしまった。

「ウチもわかんない。取りあえず敵のビームは盾でけて。敵を遠ざけて」

一瞬アタマが真っ白になった。インカムから、んな人の聲がる。

「私のドローン、ピンした場所に固定(フィックス)します。」

「006番機です。巖場から人がを出してます。の子? 地元民みたいです」

出してたら風とかでもヤバイ。ウチのドローンで警告を‥‥‥‥」

僕も慌ててしまう。

「ちょ? 僕は何すればいいの? 指示を出してよ。お~い?」

ワチャワチャしてるにもう一機のBotも來てしまった。僕は後進して距離を取る。

「あ、ダメ。暖斗くん。その巖場に人がいる。離れないで」

「イヤ、近づきすぎると流れ弾と風がヤバイッス」

「待った! どっちかにしてくれないとけない。どっち?」

‥‥ヤバイ。なんか戦闘どころじゃあ無くなって來た。

プツン。

いきなり聲が消えた。

あれ、全回線(チャット)から聲がしなくなった。みんなが喋り過ぎたから容量超えたとか?

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んな訳無いか?

――と、インカムから、子さんの落ち著いた聲が聞こえてきた。

「暖斗くんはそのまま回避しながら聞いて。まずみんな落ち著いて。ここから私と渚學生がコマンドします。まず、戦闘行為の目的。暖斗くんのBot撃破を第一、巖場の人名救助を第二とします」

「岸尾さん。あなたのドローンで巖場のクレパスに近接して。クレパスをKRMで塞ぐの。あなたの技なら出來るでしょう。それが出來るまでは暖斗くんは力を溜めて回避重視。Botにはミドルレンジで」

なんか一気に頭がスッキリした。

えっと、回避重視で力を溜めるということは、「設定A」だ。僕はあの青いパネルに手を置く。

そこへ渚さんの聲がした。

「あとの人はクレパスの監視。報があったら岸尾さんに言って。岸尾さんはその中から必要な事だけを暖斗くんに伝えて」

「KRM(ケラモス)了解」

そして、インカムから、子さんの凜々しい聲が響く。

「ラポルト始。エンジン臨界。主砲セーフティ解除。泉さん。お願い」

インカムの向こうで、微かに「了解」という聲が聞こえた。

「ラポルトメンバーの総力戦よ。巖場の子は助けます。國民を助けずに何が軍よ!」

「あ~。そんな事言っちゃって~。記録に殘るわよ。莉(ひかり)」

ボソッと話す渚さんの小さな聲を、僕のインカムが拾っていた。

麻妃から聞いた。巖場のクレパスに、なんか地元民のの子が逃げ込んでるらしい。

さんじゃないけど、ピンチなら助けたい!

それに、ラポルトが來ても、この狀況じゃ主砲は撃てないよね。巖場ごと蒸発するよ‥‥‥。

と、いう事は、僕が働くのが最善だ。

「ウチが近づいたら、怪しんで奧に引っ込んでくれたみたい。暖斗くん。お待たせ~」

麻妃だ。

僕はDMTの設定をC、攻撃重視に切り替えてサリッサの予備回転を開始した。

砲撃戦は確かに流れ弾の可能があるけど、KRMが盾になってる今なら、サリッサでもたぶん大丈夫。

「突撃(アサルト)」

敵の懐に飛び込んで、數合打ち合う。2機目が撃ってきたが、盾で防いだ。

「右から回りこんで」

艦のAIから來る最適な行を、麻妃が教えてくれる。みるみる、巖場からBotを引き離していった。これなら!

突如頭上が暗くなった。ラポルトだ。でも、Botを威嚇するだけで主砲は撃ってこなかった。

目前の敵に致命の一撃がった。腹を大きく抉られたBotは、のように部機やオイルを四散させた。もう一機は!?

そのもう一機は、ラポルトに気を取られそちらを向いている。後ろから狙いすまして刺し貫く。

「戦闘終了。みんなお疲れ様。人命救助に移ります」

さんの聲だった。

麻妃の支援ドローン、KRMの所まで戻ると、ドローンがウロウロしていた。

「暖斗くん。クレパスがあったはずなんだけど」

艦から送られてきた映像を見返す。確かにここのハズだけど、印象が変わってる。巖とかが崩れて景が変わっちゃったんだ。

初島さんのドローンが見つけた場所からいてないハズだ。

「さっきは失敗したけど」

僕は左右外側の青いプロテシスパネルに、両手を置いて瞑目した。僕の脳波がDMTとリンクして、両腕が作出來るようになった。

これで、自分の手をかす様な覚で、DMTの手をかせる。

「そっか。その手が。任せた暖斗くん」

事故が起こらないよう、ゆっくり枯れ木とか石を取り除いていく──と、あった。巖の割れ目だ。

そこもし掘り起こす。

折越さんと依が、クルーザーで降りてくると言っていた。折越さんは対人向けのガード役、依は、中の人が怪我してた用だね。

「助けて!」

ぴょこっと、掘り起こした巖の裂け目から人影が飛び出した。

僕のDMTの指に抱きついている。

一瞬構えたけど、見ると、11歳くらいのの子だった。

日に焼けた、エンジと白の文様のった獨特の裝、辺境民の子だ。

あ、頭と腕の辺りにが見える。大丈夫かな?

その子は、僕のDMTに、手を振りながら呼びかける。

「このDMT ちっこいね。あたしの名前はアピ。中のお兄さん、あたしと結婚してよ」

※「なんだなんだ。暖斗のヨメ候補か?」と思った そこのアナタ!!

ここまで、この作品を読んでいただき、本當にありがとうございます!!

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