《【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄のラポルト16」と呼ばれるまで~》第34話 子會(議)Ⅱ 水不足②
食堂において、子による子の為の子會(議)が、今、始まった。
子「出席者は、子、渚、岸尾、浜、初島、來宮、桃山、仲谷、逢初、泉。インカム參加が、七道、多賀、網代、折越、紅葉ヶ丘、ね」
早速、逢初(あいぞめ)依(えい)が挙手した。
逢初「子の、3Fの男子浴室の使用について意見があります」
子「ああ、実は渚もちゃっかり使ってたんだよね。さっき聞いたよ」
子が一瞥すると、渚は舌を出しておどけた。
子「とはいえ、メンテ3人組とか、浴が遅い子達が可哀想だよね? お風呂が渋滯してると。私達それぞれはぶっちゃけ、自分のタイミングでりたいしね」
逢初「出合い頭の事故が予見されます」
子「うん。事故がおこって得をするのは男子ばかりだからね。そんな男子向けラブコメ展開はこの艦では起こさせないよ! この私が」
岸尾「でもさ、暖斗くんのキャラから言って、事故がホントに起こったら向こうも相當困ると思う。ハッキリ借りるって言っちゃえば~?」
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渚 「どうかしら。今の3Fみたいに、予約制度を活用するのと、かけ札とか作製して、子がってる事を彼に、視覚的に認知してもらう方法は?」
折越「ちなみは別に見られてもいいけど~。混浴上等よ?」
折越など、食堂に來てないメンバーは、インカムから聲だけで參加だ。
桃山「まず、あくまで『借りる』って前提を忘れないようにして、個人の責任で借りればいいんじゃないでしょうか」
來宮「賛っス。イヤなら2Fでいいんだし。方法は任せるっス」
子「じゃあ、それでいいかしら。たぶん暖斗くんに話を通して、3Fのお風呂に『浴中』の札を掛けるとか、とかにしましょう。あ、お風呂の予約アプリ使うのは必須よ? 暖斗くんには、岸尾さんお願い。‥‥ん?」
岸尾「‥‥‥‥くふふ。これゼッタイ事故が起こるフラグじゃね? その時のぬっくんのビビった‥‥‥‥ぬふふふふ」
子「何か言った?」
岸尾「イエ。暖斗くんには近日中に」
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浜 「‥‥ちょうどお風呂の話が出たので、し、資材から。艦長には報告済ですが、生活水が足りません。み、みなさんに節水をお願いしたいです」
紅葉ヶ丘「節水って、的にどうするの? 數値で言って」
浜 「えっとそれは‥‥‥‥お風呂のシャワーを短めに、とか、回數を減らす、とか」
初島「え~! 練習の後に汗流せないとか? やだ」
泉 「わたくしも困るわ。お風呂が癒しの時間なのに」
網代「そもそも5泊6日で終わる予定の旅だーね。足りなくなって當たり前」
多賀「‥‥‥‥。ポイント=カタフニアまではもたないんですか?」
渚 「そうねえ。ラポルトはそこに向かってるんだから」
浜 「このペースで減ってくと、ちょっと‥‥」
折越「や~だ~~」
この話題は、ざわついた。慣れない戦艦暮らしなのに、シャワーの水などが制限されたら、気が滅る。まあ戦艦のクセに、今までは自由に使い放題、だったのだが。
紅葉ヶ丘「この艦『ウルツサハリ=オッチギン』はヤサ級の巨大戦艦だよ」
七道「ひさびさ聞いたな。ラボルトの本名」
紅葉ヶ丘「重力子エンジンと回路で、アホみたいに水を積み込んでも自重はゼロ、生み出される無限の電力で水浄化をし、なんなら飲料水にまでガンマ線滅菌してるこの戦艦が、水不足?」
浜 「実はこの前の大型Bot戦で、殘量が30%切って‥‥‥‥」
紅葉ヶ丘「こっちでも今調べた。ああ、この時にか」
子「そうなのよ。暖斗くんを助けて大型Botを退かせた時、艦の主砲を撃ちすぎてね。あの辺一帯の森が延焼しちゃったのよう。それで。あはは。ごめんなさい」
渚 「莉。艦長設定忘れてる」
子「‥‥こほん。失禮」
初島「私達ドローン部隊で消火したんだよね」
岸尾「負けてへこんだ暖斗くんの、おかげで見れなかったゼ☆」
紅葉ヶ丘「それでアホほど水を消費したと。しっかりしなよ。子學生」
子「だって主砲撃つ時テンション上がっちゃったんだもん。『打ち方止め』って私が言わないと、そりゃ打ち終わらないよね。あはは」
渚 「‥‥莉!」
七道「森いっこ消滅させるトコだったぞ。業が深けえ」
子「‥‥こほん。‥‥‥とまあ冗談はここまでにして、私から提案があります。あの救助したの子、どうも『ハシリュー村』から來たみたいなのよ」
渚 「附屬中トリオでちゃんと尋問してからなんだけどね。敵の可能も萬が一あるから。でも村までここからかなりあるのに、エアバイクで逃げて來たって。すごいわね」
逢初「辺境の人ならでは、なんでしょうか」
子「その村にはスパがあるらしい。溫泉で有名なんだよ」
浜 「そ、そこで補給をしてくれる訳ですね」
桃山「なんか聞いた事あるかも。ガンジス島の『ハシリュー村』。山の溫泉って、テレビでやってたような。実際來ちゃうとは」
泉 「ホントなら是非行きたいわ」
子「決まりでいいかしら。上手くいけば食料や資材も補給できるかも。尋問の結果はまたメールします」
會が終わり皆一斉にザワザワしだした。席を立つ者もいる。依は、暖斗の伝言を思い出しハッとした。
逢初「いけない。忘れる所でした。暖斗くんからみんなに伝言。今度『宴』を開く時には、準備があるんで、前もって教えてください、とのこと!」
慌てて言ったが、みんなに聞こえたかは怪しかった。
*****
「で、その子の怪我は、大丈夫だったの?」
その日の夕食後、僕はまだ醫務室にいた。はもうくけど、まだ退院検査をやってないから。同室しているのは、當然依だ。
「うん、頭部と右腕に裂挫創。巖の破片が當たったみたいだったけど、もう元気だよ」
「良かったけど、やっぱり僕の戦闘のせいなのかな」
「わからないみたい。でも気にしちゃダメよ。暖斗くん。助けなければあの子はBotに捕まってたんだから」
「そだね。助けられたんだから、良しとするか」
「でね。その子の家が、『ハシリュー村』みたいなんだって。今、附屬中3人娘が」
醫務室の奧にいたそのの子は、別室で今頃、子さん達に々訊かれているハズだ。その結果によって狀況は変わるけど、たぶん、その子を村に屆ける流れだと思う。
「『ハシリュー村』、艦の中央CPにデータがあったよ。農業と間歇泉、自治區なんだって。あ、耳村(じょじそん)だ」
「じょじそん?」
「あ、暖斗くん知らないの? の人、耳(のみ)、の村。耳村。さいはて中學の村バージョンよ。たぶん、んな理由で、の人の村になっちゃったんだよ」
「え、じゃあもう、限界集落じゃん」
「いえ。たぶん男子とかは生まれるけど、どこかに留學させるはず。で、旦那さんは外からもらって、通い婚じゃないのかな。もう、男子って自分の事じゃないから、こういう事には無頓著よね」
「う~ん。知らなかったよ」
依はパッドPCをかしながら。
「え~と。ほら、絋國に組み込まれて自治區になったのが20年前。この頃すでに男がなかったんだよ。ハシリューの統を何とか殘すために、絋國を頼ったじね」
あの子の言葉をおもいだす。
「あたしの名前はアピ。お兄さん、あたしと結婚してよ」
男がいない村、と聞くと狀況が全然違う。
あの小學生くらいの子にも、々事があるんだろうかと考えてしまった。
「逢初さん。助けて」
醫務室に突然、渚さんが飛び込んできた。珍しく揺してる。
怪我か病気か、依も、僕まで張した。
「ちょっと、あの子の事で、手を借りたいの。いい? 私達じゃ、手に負えなくて」
そう言うと、渚さんは依を連れ出してしまった。
何だろう。
あの軍人の卵3人娘が、手に負えない、って。
急に靜かになった。
そりゃそうだ。醫務室に僕ひとりなんだから。
あれ、僕の退院は? お~い。
※ そこのアナタ!!
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