《【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄のラポルト16」と呼ばれるまで~》第37話 英雄②
村長の家から、し歩いた所に、その家屋はあった。
一家4人が住めそうな、普通の大きさの木造の家。
聞けば、晝間暖斗達が接待をけた大広間は、村の公民館みたいな建だったらしい。
そしてここは、空き家を客人の宿泊用に使っている家だそうだ。
「失禮致します」
渚を先頭に、村長にいざなわれて家屋にっていく。12畳くらいの部屋があり、その最奧部には何人かの村のと、ふたりの男が座っていた。
奧の大柄の男が、大きなガラガラの聲で、手招きをする。
「おう。お前らか。こっちだ。まあ座れ」
近づくにつれて見えてきたのは、ボサボサの髪を総髪にで付け、白髪じりの髭をたくわえた、熊のような筋骨隆々の男と、その隣で大人しく座っている細の男だった。
熊男が野太い聲で言う。
「先に所屬を聞いとくか」
「「所屬?」」
暖斗、依、折越は戸う中、渚が即答した。
「申し訳ございません。所屬はございません」
その言葉に、熊男は顔をしかめた。本當に、山奧の窟から出てきた熊の様な野的な容貌だ。
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「は? ネエちゃん何言ってんだ。DMTで乗り付けて、無所屬とはどういうこった。あのDMTは民間機ってか」
「すみません。ここには村の方々が‥‥‥‥」
渚は大袈裟なそぶりでそう、小聲で言う。
「ああ、そうかそうか。オイ! どもは散れぇや」
熊男がそういうと、數人いた達は、そそくさと出ていった。
「実は、私共は、第054區域みなと軍港の中學生なんです」
「んあ? その作戦區域だと‥‥」
「はたやま県ですね。みなと市の軍港ですよ。確か海軍工科の系列校があります」
傍らの細の男が答えた。まなじりの下がった人の好さそうな笑顔だ。
「そっか。おめえは工兵あがりだったな?」
「そうです。自分は工科中等出なんだ。他県だけどね」
熊男に返事をしながら、細の男は渚達に目配せした。
「で、何で中坊がDMT駆ってんだ。この國の人材難も、とうとうそこまで來たか」
「はい。左様です。小職らはみなと軍港にてヤサ級戦艦に乗艦。験航行中でした。2日後に本部運営からの通信が途絶え、隨伴艦も別任務で離しました。現在は下命に従い、艦態維持を目的として付近を掃空任務中です。この村の子供を発見保護したので、小職以下4名が護送致した次第です」
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熊男は、髭をなでながら。
「‥‥村のガキって、お前らもガキじゃねえかよ。子供が子供を保護して、護送したってか。なんだそりゃ。うわっは! うわっはっはっは!!」
熊男が笑った。依は思わず耳をかばった。そのくらいの大音聲(だいおんじょう)だった。
そして、ジョッキに注がれた明のをに流し込んだ。酒だろう。
「あ、もしかして、みなと軍港で竣工した最新鋭艦の、素人の子供を乗せてあげるヤツ。君たちがそのメンバーなのかな?」
「なんだおめえ。知ってんなら早く言えよ」
「あ~すんません。たしか海軍の広報で。極小員數で戦える戦艦だっていう外アピールと、地元への好度アップ、就職者をあてこんだ企畫ですよ。この子達みたいな本の中學生を乗せて、本當に航行をさせるっていう」
「はっ! そりゃ酔狂だな。國の人材難は海軍広報か。いかれた企畫しやがって。何ならそのまま前線に放り込んでみろってんだ」
熊男はまた、がっはっは! と大口で笑った。
*****
「じゃあ君達は、隨伴艦も無く、本當に子供だけで運航を? だって、本部運営とは連絡も取れないし、ネットも回復しないだろうに」
細の男は、後ろの3人にも笑顔を向けながら、気さくに渚に話しかける。
「はい。それで、この村の子供を拾ったので、取りあえず送ろうかと」
「そうか。君達も大変な時に艦に乗ったね。実は我々も本部と連絡が取れず、ここで國境監視を取りあえず続けている次第だ。一向に回復する気配が無いから、そろそろ次の手を打たなきゃならないね」
そう告げると、まだ笑っている熊男を揺さぶった。
「上長。上長。笑ってないで、我々も名乗りましょうよ」
「‥‥お、そうだな! コイツは俺の部下の日金(ひがね)。俺は滝知山(たきちやま)英雄(ひでお)。陸曹長だ」
「あ、どうも」と暖斗が頭を下げようとした所で。
渚の踵(かかと)が、パアン! と鳴った。
「國軍大學校附屬中學みなと校、戦科二回生! 渚(なぎさ)咲(ひなた)であります!」
見れば、直立不で見事な敬禮をしている。
「咲ちゃん‥‥カッコイイ」
折越がポロッと言った。
「後ろの3名は、みなと市の中學生であるため、軍禮はご容赦願います!」
熊男、もとい滝知山が面倒くさそうに答えた。
「んなこたあ気にしねえよ。辺境まで來て堅苦しいのはよそうや。で、俺らの方はここを引き払って、アマリアの方まで行ってみようかって所だ。本當に通信が回復しないんだったら、一ぺん本部まで戻るしか無いかもな」
「そうですね。Botも出ないですし」
傍らの日金も相づちを打つ。
そこへ渚が言った。
「先日村の子を襲ったBotは、明らかに目的を持ったき、プログラミングされている様でした」
「なに!」
滝知山がを乗り出す。
「そのBot‥‥撃破してんのか?」
「はい」
渚の返答に、ふたりは顔を見合わせた。
「優秀だな。オイ。そんならよ。そっちの艦に乗せてもらってよ、現場連れてってくれや。そのBotの殘骸調べねえとな。他國が放ったんなら、把握しとかにゃあいかん」
「じゃあ上長こうしましょう。今から我々のエアクルーザーで準備して、し遅れて出立しましょう。その間に、この子が艦に戻って、艦の責任者の許可とって待ちあわせのポイントで落ち合う、と。それでいいかな? 君達」
*****
「あの、滝知山さんってぇ、そんなに有名なの?」
ふたりの軍人さんとの挨拶を終え、4人は暗くなった村の夜道を歩く。折越がこう切り出し、渚が答えた。
「有名よ。10年前の「グラビトン・ウォーズ」の時に活躍したパイロットよ。特に魚見崎會戦の時は、無雙だったのよ」
「なんかそんなじしないわぁ。だってあのオジサン、ちなみをずっとジロジロ見てたし」
「‥‥英雄を好む、って言葉もあるわ」
「やめてぇ逢初さん。やっと喋ったと思ったら」
そこで、暖斗が言う。
「でも、戦場に出た事がある本の軍人に會えたってのは、いい経験になったよ」
依が、ぽつりと呟いた。
「本の軍人、ということは、敵を殺したりとかもしたのかな?」
「‥‥‥‥DMT戦でパイロットが死亡する事は、今はほとんど無いわ。隔壁縦席(ヒステリコス)のおかげでね。でも、その後救出されなかったりしたら、難しい。滝知山さんは、そういうシビアな前線にずっといた人だから」
シビアな前線――暖斗は、滝知山にこっそり言われた言葉を思い出していた。
「人を殺す時は躊躇すんなよ。テメェが殺られんぞ? 今のに、後ろの共とでも子作りしとけ」
※「そうだぞ? 子作りは重要だぞ!」と思った そこのアナタ!!
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