《【最終章開始!】 ベイビーアサルト ~撃墜王の僕と、醫見習いの君と、空飛ぶ戦艦の醫務室。僕ら中學生16人が「救國の英雄 栄のラポルト16」と呼ばれるまで~》第41話 屆け! ②
剎那。
ちょっとそよ風が後ろから前に吹いて、わたしの髪を浮かせた。わたしは無意識に、片手で髪を、もう一方でスカートを押えた。足が「く」の字に曲がる。
ゴウンゴウン、ゴウンゴウン!!
それは、聞き覚えのある音だった。重力子エンジンの、駆音。
「えっ!?」
振り返ると、肩に「UO-002」と書かれた中型のDerMETER(デアメーテル)が、わたしのすぐ背後で屹立していた。
そっか、フローターで浮遊してるから、音もなく接地したんだね。
「屆いたあああ!!!」
年の絶がこだまして。
その白銀の巨像は、後ろのBotに摑みかかっていく。
「手前(テメエ)! 何してやがんだ! 依に、何してんだ!!」
「きゃ!」
強いをじて、わたしは怯んだ。何? 稲妻? 日中で、晴れてるのに?
ズゴゴゴォォォォン!!
暖斗くんのDMTから、凄い音が聞こえた。彼のDMTは、そのままBotの金屬製のアームを引きちぎると、まるでビーチボールのように、Botを彼方へふっ飛ばす。
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「あっ!」
もう1機が、わたしに向かって來ていたけど、彼の槍の方が早かった。
ゴウ!!
わたしの頭越しに槍を突き當てて、Botを退かせる。
槍が頭上を通る時って、空気を切り裂くすごい音がするんだね。直後、わたしの視界は、巨大な盾の裏側で塞がれた。
「依、ここで待ってて」
久しぶりに聞く気がする。暖斗くんの聲だ。の芯が安堵する一方で、あの敵兵の顔が浮かぶ。
わたしのは、チクリと痛んだ。
「覚悟しろ! ‥‥‥‥このクソBotども! くなよ? そこをくなあ!!」
盾を地面に突き立てて、そう絶しながら彼のDMTはわたしの視界から消えた。
盾の裏側の、巨大でゴツゴツした材の向こうから、あの音、槍が回転を始めるガリガリガリ‥‥という音が聞こえてきて、何度かのものすごい音が響いて、強い風が吹いてきて。
――――やがて靜かになった。
彼は盾を持っていない。
大丈夫だろうかと、そっと覗いてみた。
‥‥ドゴゴォォォォン‥‥!
戦闘はまだ続いていた。100mくらい先だろうか。ビームを発するBotと、それを避けもせずに ずかずかと歩み寄る暖斗くん。
ゆっくりと近づいた、と思ったら、槍を突き刺して地面に叩きつけてる。
ものすごい野で暴だ。
あの、醫務室でミルクを飲む和な彼からは想像できない。「はい、あ~ん」に頬を染める彼からは。
わたしの心の奧底で、何かが鳴った。彼の男的な一面を見たからだろうか? 助けられた語のヒロインを験できたから、だろうか?
とにかく、何かが鳴っていた。
ガガガ! バキバキバキ!
凄い音と地響きと、火花。暖斗くんが1機目の息のを止めて。
あ、もう1機、さっきのビーチボールが戻ってきた。ビーム避けなくて大丈夫? あ、また槍で弾いて‥‥今度は々だ。
「――――あ」
戦闘が終わるのを見屆けて、わたしはその場に倒れてしまった。助かった安堵か、脳貧か?
そういえば、村でわたしが吸った白い煙、ゼノス君は「神経毒が――」と言ってた‥‥よう‥‥な。
*****
2機のBotは倒した。
まだあの盾(アスピダ)の裏に依がいるのに、またき出したら危ない。発ね飛ばした2機目に念りにとどめ――確定のキルをれて――と。
僕は、盾の裏側まで急いだ。もうちょっとでBotに連れてかれる所だったじゃないか!
依がいた高臺は、僕のDMTの隔壁縦席(ヒステリコス)のハッチと同じくらいの高さだから、そのまま橫づけしてみよう。
とか考えながら戻ったら、盾の裏で、依が倒れている。
「依! 依!」
呼びかけに反応がない。たまらずハッチを開けた。
「依! 大丈夫? 風でもくらったのか?」
手をばそうとして、はっと我に返った。
僕は、隔壁縦席(ヒステリコス)から出てしまえば、MK(マジカルカレント)後癥候群が出て、けなくなってしまう。
それはマズイ。麻妃や桃山さんはまだか、と考えを巡らせていたら、
ゴン! と音がした。
「‥‥‥‥!?」
僕の目の前に、高臺の地面があり、両手が、その土に手を乗せている。
「あれ? え?」
僕は、隔壁縦席(ヒステリコス)から、落ちていた。
何で? と思う前に答えは解かった。敵Botの砲撃だった。
「まずい!!」
慌てて隔壁縦席へ戻ろうとしたが、もう足は思うようにかなかった。
しかも。
「‥‥‥‥きゃああ!」
もう1機のBotが、さっきと同じ様に、依の肢を摑もうとしている。
砲撃したBotと目の前のBot。もう2機隠れていたという事か?
そいつらが依を拉致しようとしている。
「やめて! 助けて! 暖斗くん! 暖斗くん!!」
僕の頭の上で依の聲がするけど、僕はを上げることすら難しかった。
マズい。完全にMK後癥だ。
手足がかない。
地面にカエルみたいに突っ伏しているしか、できなかった。
「やめて! やめてぇ! ‥‥‥‥あぁぁ」
依の聲が、だんだん か細くなってきた。もう猶予がない。
守ると決めたのに。
みんなを、この娘を守ると決めたのに。
※「暖斗間に合ったのに、まだ大ピンチじゃね~か」という そこのアナタ!!
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