《『創造神始めました』ご注文をどうぞ。魔王軍で異世界侵略と若干狂気持ち彼ですね?5番にオーダーりまーす!”舊題俺だけの世界を作って異世界を侵略しよう!”》そこには、あるんか?

首をコテンと傾け、きょろきょろと不思議そうな顔をして辺りを見回すサリリ。ふと、彷徨わせていた彼の視線が一點に集中する。何かに気付いたようにこちらを凝視しているのだ。

ディスプレイ越しに彼とガッツリ視線が合ってしまっている。

すると彼は、可憐な笑顔で「褒めてくれてありがとう。」と俺に話しかけるように小聲で囁く。

ヒュッとなった。

の笑顔は本來恐怖を抱くような類のものではない。それは自然と人を惹きつけ笑顔にするような、まさにお日様の様な溫かい雰囲気のものだ。

だが、この狀況とはミスマッチ。

その自然な笑みが今はあまりにも不自然だ。

そして、今この瞬間も「恥ずかしい所、見られちゃったな。」なんてセリフと共にテヘぺろ、とその笑顔をこちらに向けてくる。

味わった事のない恐怖に曬され、咄嗟に「サリリちゃん可いなぁ。」とご機嫌取りに走った俺は全然悪くないはずだ。

はまたも「ありがとね。」とそれはもう見惚れるような笑顔で返してきた。

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の立つ位置、そして視線は俺の方に向きつつも、ダイに話しかけているかのような位置でもある。場所まで計算した上での言だとすれば、なおに怖気が走る。

それを証明するかのように、ダイは自分が禮を言われたと思ったのか、どういたしまして等と照れながら俺からすれば寢惚けた事を言っていた。

違う。その“ありがとう”は俺に言ったんだ…。

だって…。

目と目が逢う瞬間恐ろしいと気づいた。

は今どんな気持ちでいるのだろう…。

もっと褒めるのでどうか、勘弁して下さい。

「もうそんなにランクを上げたんですか?隨分ハイペースですね。」

背後から急に話しかけられ、ビクッとなる。

俺の背後に立つな!

「ジョーダンさん。驚かせないで下さいよ。」

つい今しがた験したホラーと相まって、卒倒するかと思った。

「いやぁ。ユーザーさんには適度な休憩をオススメしていますので、そろそろ頃合いかと思いお聲掛け致しました。もし良ければしお話しませんか?」

そう言えば、沒頭していて気付かなかったが、いつの間にか七時間程経過していた。

「良いタイミングで來てくれました。聞いて下さいよ!」

ゲームを一時停止して、今迄起こった事をジョーダンさんにかいつまんで話す。

「あー、魔法ですかぁ。彼らはどの生よりも扱い難いようでいて、実際には非常に扱いやすく上級者ユーザーさんには好まれますね。」

「その心は?」

「存在強度が1,000,000を超える魔法は、その天才的な頭脳と魔法によって、ユーザーさんが干渉するとこちら側に気付いてしまいます。今回は稱號を與えた事がきっかけでしょうね。えーと、私は科學文明出なので魔法文明には明るくないのですが、魔法は個人の才覚で何でも実現できますので、存在強度の高さによっては下手な科學文明を軽く凌駕する程の事が出來てしまいます。ただ、システムの存在はどうあがいても世界を創造した相手を害する事が出來ないようになっていまして、彼らはその事にさえ魔法によって気付きます。ですから、ユーザーさんに気付いた魔法は、全力でびてきます。それはもう、びっびです。」

「え?び…?」

「ええ…。信じられない程に何でも言う事を聞きますよ。死ぬ以外の事なら本當に何でも。創造神がどういった存在なのかを彼らは良く理解していますから、絶対に機嫌を損ねるような事はしません。しかもびる為だけに創造神の持つ知識もある程度備わって生まれてきます。例えば大五郎さんがシステムに降臨し、會話をすれば大抵の話題についていく事ができますし、俺たち付き合っちゃおうぜ!とチャラ男風に言えば、こちらが恥ずかしくなるくらいのラブい彼になってくれて大喜びでを差し出しますよ。チョロインも足で逃げ出す程のチョロインですね。」

なん、だと…。

「先程、彼があなたに話しかけたのも恐怖を與える為ではなく、全力でびていただけでしょうね。」

ああ、しだけ安心した。

現金なもので、そんな話を聞くと俄然興味が湧いてくる。

魔法ってもしかして最高か…?

ただね…。と前置きをして、ジョーダンさんが話を続ける。

「気を付けてもらいたいのですが、あまりにも彼らが可すぎて骨抜きになるユーザーさんが多數いらっしゃいます。ユーザーさんの中には彼無しではいられないと、魔法と結婚してしまう方がいるのですが、それがユーザーさんにとっては本當に幸せなのか、難しい問題です。」

「何故です?そんな子と結婚出來るなら嬉しいじゃないですか。」

「彼らと結婚した人間は彼らをするが故に、果たして魔法びているだけなのか、それとも本當に自分をしてくれているのか。いつか必ず疑問に思う事でしょう。そして、それは誰にも分かりません。もしかしすると、そんな彼ら自でさえも…。彼らにがあるのか無いのか、魔法好家にとっては永遠の命題です。」

ああ…。また不安になってきた。

最後までお読み頂き有難うございます。

もし面白いと思って頂けたなら、評価やブックマークを頂けると作者のやる気が出ます。

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