「派手に行く！　隠ぺい解除！」

びつつ、一番反応の大きい箇所へと機を加速させる。

護衛というか、武を持った歩兵になれる人はカインたちの中にもいる。

私がすべきことは、相手の目を引き付けること。

夜間行用のライトを全て點燈させ、まるでく広告のように目立たせる。

相手は、警告からの威嚇撃にも拘（かかわ）らず、こちらに撃ち込んできた……敵だ。

であれば、後は如何に被害をなくし、片付けるか。

「來た來た！」

「ミサイル弾複數！　ロックされています！」

それが狙い、とは口に出さなくてもカタリナもわかっている。

ジグザグに機を揺らしつつ、丘になっている部分から飛び上がり……即座に橫に軌道修正。

私を狙ったであろう、実弾が空を切った。

素早くセンサーとレーダーを確認、ちょうどよくこちらに大きな反応が固まっている。

「正直すぎるのよっ！」

手早く、こちらも実弾のライフルを3點バースト。

それはまだ暗い荒れ地に、染みのように存在する巨へと吸い込まれた。

影が、火を噴く。

「推定JAM1機、中破以上確認！」

「隊商と相手を分斷する！」

高速で移しつつ、後ろを振り向かせる。

ブリリヤントハートの右手には実弾のライフル、左手には線銃。

まさにゲームやアニメのようだけど、現実に作できるのだから問題ない。

今日の力は、汎用のあるダイヤ。

キーワードを呟くまでもない出力で、隊商側にいるトラックであろう影に線を放つ。

確かな熱量を持ったが、相手に著弾するかどうかを確認する前に、機を反転させた。

「ごめーん、待った？」

「たぶん、こっちをとらえきれてないんだと思いますよ」

聞こえるはずもないボケへと、真面目につっこんでくるカタリナ。

律儀な彼に苦笑しつつ、機を再び揺らし始める。

思い出したかのように、撃ち込んでくる推定JAMは2機。

（3機編だったのか……たまたまか）

狙いの度からすると、大したことはない相手、そうじる。

油斷が命取りの世界ではあるけれど、自分が格上であるという自負も必要だ。

何故だか、気迫といったが伝わる……ジュエルアーマード同士の戦いは、そんな世界なのだ。

機を地面すれすれまで降ろし、砂煙をお共に相手へと突撃。

お世辭にも相手は高機とは言えないようで、旋回速度も並。

ぐるぐると周囲を引っ掻き回してやれば、無防備な橫腹が見えた。

「狩らせてもらうわ！」

こうなる前は、どうしてパイロットがぶのか、疑問に思う時もあった。

でも、それには理由があるのだと、私は學んだ。

自分が命を奪う、その自覚のためにあえて口にするときもあるのだと。

「敵JAMへの著弾確認、沈黙しました」

恐らくはパイロットが死亡、その事実がじわりと、お腹に溜まる。

念のために、それぞれの足に実弾を撃ち込めば、そのまま倒れ込んだ。

「このあたりが縄張りなのか……たまたまか」

警戒はしつつ、カインたちの援護へ。

幸いにも、JAM以外の戦力は薄いようで、狀況はほぼ終わっていた。

殘りもまた、こちらが銃口を向ければ投降して來た。

こちらに被害はなく、々コンテナに傷がついたぐらいだ。

最初に強く當たっていったのが幸いしたらしい。

「で？　どうするの？」

『運転手は他にもいる。目的地まで縛って押し込んどくさ』

スピーカーから聞こえる聲は、この土地に生きるということをじさせた。

なかなかにしたたかで、貰うは貰うという判斷をしたようだ。

文句があるはずもなく、殘骸を運ぶ手伝いをすることにした。

武裝などは使えそうなJAMを、複數運んできた時にはどよめきもあった。

「また名前が売れますね」

「その辺、よくわからないよねえ。結局、勝つか負けるかだし……」

仕事を得るのに、役に立つと言えば役に立つ。

けれど、ゲームのようにステータスがあるわけでもなく、順位があるわけでもない。

もしかしたら、お偉いさん同士ではそういう順位みたいなのがあるのかもしれないけど。

誰にも負けない、というつもりもないけれど、そうそう負けるつもりもない。

生き殘り、自分の目的を達するためにも。

「往復して戻ったら、ちょっと機の改良にろうかなと思うのだけど」

「それはいいですね。トラックも火力をあげたいです。連攜して戦えたらいいですよね」

いや、そうなったら機側の制が……と思うものの、何とも言えない。

カタリナ自は、どうもそれだけの能力はあるようだし。

本人の証言や、発見の狀況からすると……かなりのポテンシャルを持っているはずなのである。

「目指せ、贅沢三昧ですよ！」

「育て方、間違えたかしら？」

（人間らしくて、個人的には好きだけどね……）

夜明けの日差しを浴びながら、カインたちとともに街へと進むのだった。