《崩壊世界で目覚めたら馴染みのあるロボを見つけたので、強気に生き抜こうと思います》JAD-032「空想との邂逅・前」

「お姉ちゃん、お話終わった?」

「ええ、終わったわ。うーん、えいっ」

きゃーっと黃い聲を上げ、抱きしめられるがままの

そのままくるくる回れば、何が面白いのか、笑ったままだ。

こちらとしても、しばかり重苦しい話だった気分が、吹き飛んでいく。

「もうすぐお別れなの?」

「よく、わかったわね」

すとんと降ろし、しゃがみながら向かい合う。

宿の子供だ。私が思ってる以上に、出會いと別れがあったに違いない。

「お別れするお客さんたちと、一緒の顔してたよ」

「そっかー……そっか。うん、探しがあるんだ」

そう告げると、もわかったと一言つぶやいて、にへらっと笑顔。

でも、私にだってわかる。

それが寂しいけど、我慢してる笑顔だと。

「また來るわ。これ、その約束」

「わ……いいの?」

たくさん持ってるからと告げて、の手に握らせるもの、それは寶石だ。

大きさは小さく、取り扱いのために簡単に金に覆われているアクセサリーのようなもの。

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JAMに使う時には、石だけを取り出す必要がある。

寄りの緑といった輝きの、スフェーンだ。

小豆豆ぐらいだけど、輝きが気にっていた。

お守りとしては、十分だと思う。

「それが似合うになる前には、また來るわ」

「ええー、じゃあすぐじゃないとだめだよ? 私、頑張って綺麗になるもん」

「ありゃ、じゃあ私も頑張るわ」

予想外の反撃に、私も笑うしかない。

お別れまではよろしくねと、小さな約束をして部屋へ。

報、まとめておきましたよ」

「ありがとう。まさか、あれをなかったことにして正面からお禮を言われるとは思ってなかったわ」

そう、來客は騎士団の一員である黒騎士の中の人で、街を守ったことへのお禮だけだったのだ。

両腕を使えない機が複數あったはずで、大変だったろうに。

なんとか修復が間に合ったのかも、しれないけれど。

「私もそうですよ。行くんですか、火山」

「……見るだけは、見ないと」

黒騎士に、何かお禮をしたいと言われ、私がんだのはうわさ話。

のダイヤにつながりそうな、寶石の話。

そして聞けたのは、火山の話だ。

曰く、噴火した火山には、別の火口もある。

そこに、かつて輝く石があったと。

「その石を取り除いたら、噴火が増えそうですけど」

「うーん、どうなのかしらね。むき出しで転がってるってことはないと思うのよ」

行ってみないとわからない。

そのことはカタリナもわかってくれたようで、それ以上は言ってこなかった。

その後もあれこれと話してるうちに、いつの間にか寢ていたようだった。

「……山が、赤い……」

もうすぐ夜明け。微妙な時間に起きてしまった。

宿の窓からは、まだ噴煙を上げる火山が見える。

夜の闇がもうすぐ無くなる頃だけど、山の赤さがよくわかる。

気のせいか、周囲に雲がある。

噴火は雨を呼ぶんだったかな?

「本降りは、ちょっと遠慮してほしいわね」

眠いような眠くないような、微妙な時間を過ごすうち、時間は朝になった。

晴れない空、それどころか……。

「今日立たれるのですか?」

「んー、急ぎではないですけど、のんびりしっぱなしというわけでもないので」

宿の主人は、霧の噂に半信半疑といったところ。

単純に、視界が良くないからと心配してくれてるんだろう。

そう、外は小雨と霧だった。

今のところ、霧は濃くはない。

「お見送り、したかったなあ」

「ふふ、気持ちだけ貰っておくわ」

殘念そうなで、カタリナと一緒に外へ。

し気溫が下がってるようで、思ったよりは寒かった。

「車両のライトはあちこちにありますから、出歩いてる人はいますね」

「そりゃそうよ。被害はめったにないらしいもの」

言いながら、トラックへと乗り込み出発だ。

いつもより遅い速度で走り始め、街を出たところで、それをじた。

「……? 何か、來る。周囲に不明ミュータント確認!って無線飛ばして!」

「レーテ!? ああ、もうっ」

すばやく席の間から荷臺に移し、すぐにブリリヤントハートの中へ。

石は……ペリドットとアクアマリンだ。

相手が上にいそうなのと、霧をどうにかしたいからだ。

「停車及び呼びかけ、終わりましたよ!」

「ありがと。じゃ、し飛ぶわ!」

飛び込んできたカタリナを見、モニターに視線を戻す。

不思議な気配は、まだ遠い。

けど、確実に近づいてきてる……空から!

「ブースター角度調整、飛翔します!」

「さあて……!」

勢いよく空に舞い上がったブリリヤントハート。

高さは300メートルといったところだろうか。

空は雲、霧がちょこちょこ視界を塞ぐ中、それは斜めに突っ込んできた。

「うっそでしょ!?」

思わずんだ理由、それは出て來た相手が、巨大な翼を持つトカゲだったからだ。

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