《崩壊世界で目覚めたら馴染みのあるロボを見つけたので、強気に生き抜こうと思います》JAD-034「竜には竜を」

霧の日に、人間を拐するという子供を脅かす話がこの土地にはあった。

大人の噓だろうと思っていたけれど、実在したのだ。

その正は、かつての人間の罪。

伝子作による異形の生、それが環境汚染等でさらなる変化を遂げたものだった。

─ 空飛ぶ異形……通稱ドラゴン

それが、私の遭遇した相手だったわけだ。

なんとか撃退したお禮を、と町長に呼ばれているのが現狀。

「まずは、街を守っていただきありがとうございます」

り行きよ。それに、追い返しただけで狩れたわけではないわ」

ドラゴンからの攻撃による衝撃、その重さを思い出せば、運がよかった。

當たり所が悪ければ、かなりの苦戦をしていただろう。

この場にいないカタリナには、トラックの管理と、機の整備をお願いしている。

とはいえ、ブリリヤントハートを直すなら、ある意味なんでもいいのだが。

「私どもでもよくある話です。この土地は自然にあふれ……そう、あいつらもたくさんいます」

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跡レベルの施設を中心に、防衛の集落を作って何とか、というわけね」

城壁のような壁があるのはただのカッコツケではないわけか……。

やっぱり、復興して來てるように見えて、実際の生活はタンセとどっこいどっこい、と。

人間が生き抜くには、どちらも厳しい環境なのだ。

「修理が終われば、旅立たれるのですかな?」

「そのつもりだけど……可能なら、あの1匹ぐらいは仕留めておきたいわね」

そう言いながら、嫌でもそうなるだろうとじる。

あのドラゴンには、頭の良さをじた……そう、私をちゃんと認識していたと思う。

手負いの獣、というわけだ。

(ここから去って、街が代わりに襲われるのもし、ね)

「そうですか……経験上、後數日するとまた霧の日がやってきます」

「そういうことね。ええ、間に合わせるわ。別に討伐依頼としてけるつもりはないから」

儲けはしい。けれど、しがらみはいらない。

いざとなれば、発掘品なんかを売り払えばいいだけのことだ。

「では報ぐらいはけ取っていただきたい。北西に真っすぐ進むのだけはおやめなさい。かつての戦場跡に、今もく影があると言います」

「ありがとう、よく考えるわ」

その後はこまごまとした話をし、カタリナの元に戻ることにした。

ライフルの回収は……確か出來たと思うけど、落下してるから曲がってるかな?

整備工場に送ってくれるというので、お言葉に甘えて軽トラックのような車両で工場へ。

見覚えのあるトラックが泊っているのを見つつ、中へとる。

「ああ、レーテ。ちょうど相談したいことが」

「何? 問題が起きた……それ、ドラゴンの足よね」

修理を待つ狀態のブリリヤントハート、そして機材たち。

そんな中の1つに、私が切り取ったドラゴンの足らしきものがある。

「おう、こいつを嬢ちゃんが? やるねえ、若そうなのに」

「なんとかね。ええっと、これが使えそうってこと?」

近づくとその異常さがよくわかる。

形は生だけど、見た目はJAMと同じような沢だ。

それも、戦闘用の裝甲材と同等のもの。

「そのままだと微妙ですね。でも……材料としてはいけます」

「後は乗り手が、そういうのを嫌かどうかだけだ」

「ふむ……これがねえ……」

悩むふりをしながら、鱗のように見える1枚の板切れを手にする。

実のところ、ゲームとしての記憶でいうと……アリ、だ。

をそういう素材でめ、生もどきな格好の機もあった覚えがある。

この世界でも、その通りにデメリットがほぼないか、が問題だろうか?

とはいえ、やらないとわからない。

「いいわ。やりましょう」

「任せときな。すぐ終わらせるからよ」

言うが早いか、周囲に指示が飛び、作業が始まる。

変な料金を請求されなければいいのだけど……。

「今の、親方さんなんですけどね。昔、親戚がさらわれたそうで」

「復讐代わり……か。まあ、勝手にやるだけだわ」

は任せるとして、ライフルの合はどうか。

トラックの荷臺に回収されているというので、見に行く。

人間から見ると、製材前の丸太のような大きさだ。

幸い、目視でわかるようなゆがみはないようだ。

「腕が直ったら、一回持たせてみないとね……」

「武裝も、予備を考えておかないといけませんね」

「問題は、出があるか……なければ、取りに行くしかないか」

頭に浮かぶのは、町長が言っていた戦場跡。

整備をしないといけないばかりだろうけど、そうじゃないもあり得る。

戦線への補給資、あるいは移式の整備工場。

まるで発掘をする気分だけど、それも悪くない。

まあ、まずはドラゴンの相手が先決、か。

「霧の日まで、大人しくしてようかしら……」

つぶやきは、工場の喧騒に消えていった。

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