《崩壊世界で目覚めたら馴染みのあるロボを見つけたので、強気に生き抜こうと思います》JAD-053「星砕き」

人は、あまりにも大きいものを前にすると、覚がおかしくなるという。

今の私も、モニター越しでもわかる大きさに、どこか混している。

「リミッター解除! 相手を完全に撃破するつもりで行くわ!」

「メテオブレイカーとの通信リンク確立。投影します」

いくつものが走り、要塞からの攻撃、その予定が表示される。

流星を砕くという建前の、兵が今……力を示す。

「合わせて発砲! ダイヤの閃……ジェーマレイ!」

飛翔したままライフルを構え、線を放つ。

以前は、もっと小さなゴーレム相手に放った一撃が……まるで子供の遊びのようだ。

巨大ゴーレムの表にがささり、巖がはじけていく。

要塞からのは、その何倍ものダメージを相手に與えたはずだ。

「一どんな出力なんですか、これ!」

「地表から、空の星を砕こうっていうのよ? このぐらいはいるわよ。もちろん、手加減されてると思うけど」

(あるいは、劣化しているか……実の本気を見たことはないのよね)

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私の思い出した記憶と先ほど見れた報通りなら、事実上無限の力。

メテオブレイカーの力は、JAMと一緒。

ただ、その規模は違う。

5つのメインジェネレータに、たくさんのサブ。

そして、メインには5の石。

人が作り上げた人工ダイヤモンドとでもいうべき存在、ジルコニア。

「1つ1つの出力はまあまあ、それを組み合わせて力を引き出すのよ」

「それでこんな……レーテ……あれを」

「なるほど、だから追い返すのが限界だったのね」

視線の先では、ゴーレムが壊れるそばからがれきや地面の土を吸い込むようする姿が見える。

片足を砕いても、呼吸の間に……だ。

これを繰り返して、何かをきっかけに相手は撤退していったに違いない。

『同胞、支援を依頼する。私では、外殻を飛ばすことはできても核がつぶせない』

「了解! データ送って頂戴」

メテオブレイカー、つまりは一撃に賭ける兵が彼?彼だ。

は當然、想定していない。

ゆえに、ゴーレムのガワはどうにかできても、その次が間に合わないのだ。

「データきます! 右肩? あんな場所に……」

「ASブレード用意! 撃に合わせて一気に行く!」

ブリリヤントハートの半分ほどはある文明崩壊前後の兵、ASブレード。

石の力をまとわせて……力の刃を使えると思えばいいだろうか。

使い手によって威力が左右されるそれを構え、高度を上げる。

眼下では、起要塞VS巨大ゴーレムなんて構図が広がっている。

そして……。

撃確認!」

「いっけぇええーーー!」

夜の闇を切り裂く線。

それがゴーレムの右肩に突き刺さる。

崩れていく鎧ともいえるゴーレムの外殻。

その中から顔を見せる核へと……急降下した。

「スキャン完了、ダイヤですよ!」

「速攻でたたき出すわよ……行く!」

じるダイヤ。

かなりの大粒で、もしかしてこれはと思うもの。

その力に耐える核は、それにふさわしい強度のはずだ。

ダイヤ本を切り裂かないよう、ぎりぎりに刃を調整。

手ごたえなく、刃を振りぬいた。

「ブースター集中! 上昇!」

そのまま、一気に下降から上昇に転じ、切り裂いた核へ。

丸見えになったその中、ダイヤをつかませて上昇していく。

あとに殘るのは、力の抜けた人形。

それも、すぐに崩れていった。

「なんとか終わったわね……」

『はい、同胞。支援に謝します』

「先輩、これからどうするのですか?」

おそらく、メテオブレイカーはこの土地でなんらかの作戦行の最中に、文明崩壊という終戦を迎えた。

その後、いつかの時間にあのゴーレムが出現したのだ。

目當ては、要塞部の資材や、ジェネレータそのものだろうか?

『眠ります。私の役目は、星に落ちる流星を排除すること。その機能を維持し続けます』

「また、來るわ。話し相手がいないと、さみしいでしょう?」

「レーテ……ええ、私も」

通信越しだけども、心配を込めた言葉を口にする私たち。

真意が伝わるかは、わからないけどね。

『そうですね。できれば報告も定期的にしておきたいものです。どうしても、タスクが溜まりがちですから、もちろん、殘業代は出しますよ』

「ぷっ……ええ、絶対にまた報告を聞きに來るわ」

案外、この要塞のAIは大丈夫なのかもしれない。

冗談を言えるなら、大したものだ。

さて…このぐらいで次の場所へ……。

『私の部には、資が殘っています。若干の滯在をお勧めしますよ、同胞』

「ちゃっかりしてますね。私もこういうのを覚えた方が?」

「それは何とも言えないところね……」

地面に降り立つと、ちょうどトラックを隠した森の近くだった。

そのまま無事かどうかを確認しつつ、元の場所に戻ったメテオブレイカーに再訪するのだった。

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