私が、おそらくは人工的な人間。

そのことは、じていた……ううん、わかっていた。

「目覚めからして、なんだかカプセルみたいなのにっていたし、記憶もなんだか怪しいし。そもそも、両親やほかの人間がいなかったし……」

怪しいところばかり、が実である。

ただ、まあ……。

「この思考そのものは、私のものなのでしょう？　なら、大した問題はないわ。生きは環境に適応していくものなのだから」

「私がそうですよと言っていいのかはわかりませんが、レーテには、きゃっ」

「今さら変なこと言い出さないわよね？　ずっと付き合ってもらうわよ、星の果てまで」

『仕え甲斐のある相手でよかったですね、後輩』

極まって抱き著いたところ、かわいらしく戸うカタリナ。

その溫をじつつ、ほほ笑む。

たとえ、中が人工で生きているとは言えない相手だったとしてもだ。

私には、彼がいる……そう思える。

「いいえ、メテオブレイカー。彼には仕えてもらってるんじゃないわ、仲間で、家族みたいなものよ」

『失禮しました。後輩、貴方がうらやましい。大切にするのですよ』

「はい、先輩。レーテ、これからもどうぞよろしく」

それは、第三者が見れば不思議な景だっただろう。

1人は人工的に調整された人間、1人はアンドロイド、1人は機械で投影された姿。

純粋な生きはいないのに、そうであるかのようなのだから。

その後は、メテオブレイカーから様々な報を得る。

隕石を砕くための監視網、それらから得られる世界勢が主だ。

「人間はしぶといわね。各地に、ちゃんと生き殘っている」

「文明というのか、暮らしぶりは土地柄が出てるみたいですね……」

『一部では、ミュータントのように変化してしまった人間がそのまま暮らしているようです』

直接の観測ができないので、これもデータ上の推測とのことだ。

理由は、生だと生活できないような場所でも活の形跡があるから、である。

「カラーダイヤの存在はどう？」

『難しいですね。私は星砕き。そのための能力ですから。降ってくるのがそうであれば、遠くともわかりますが、地上ではアレにも気が付かなかったわけです』

「あのゴーレムの力がダイヤということもわからないんですね？　なるほど……」

力を引き出すための核を損傷し、ただのダイヤに戻ったゴーレムのコアだったもの。

今では寶石としての価値はなんともいえないが、昔はとんでもない値段だったはずだ。

今回のイエローダイヤは、私の探していたものなんだろうか？

確かに強い力をじるけど、確証がない。

『ですが、星の力はひかれあうという調査、研究結果が出ています。隕石が文明崩壊前後に多かったのもそのせいだと思われます』

「じゃあ、このまま持って旅をしていけば可能は十分にありそうね」

「厄介ごとも多そうなんですけどねえ……」

カタリナのつぶやきはもっともだ。

きっと、面倒なことも、多い。

「今さらよ、今さら。私たち自が、それそのものなんだし」

「あっ……そうですね、ええ、はい。その通りですよ」

クスクスと笑いあう私たちの前に、メテオブレイカーが何かを持ってくる。

ボールのような大きさの……機械？

『こちらを。本來はダクト部の確認などのために作られた自走探査機です。ある程度自己判斷もできますし、アームでコンソール作もできます。通信も近くなら可能だと思いますよ』

「ありがとう！　生で何かすることも多いから、助かるわ！」

記憶にあるものでいうと、ダルマに足とかキャタピラがついたようなじだ。

ありがたくけ取り、その後も補給や點検を済ませる。

気が付けば日も暮れ、その日はメテオブレイカーに泊まることに。

「行くんですね、レーテ」

「ええ。改めて、私たちが産まれた場所へ」

薄明りが照らす室、そのベッドで決意を新たにする。