広い空間に、何か事件が起きたのだとじさせる崩壊した機械類。

ずっと時間が止まったような景が不気味ですらある。

施設が維持されているのに、これらは修復や維持をされなかったんだろうか？

まだ生きている端末から報を探り、出てきたのは……。

「人造的な制者の生産、あるいは制者のサポート……」

「私の役目は、やってたことと同じだったんですね」

どこか納得した表のカタリナ。

もやもやしていたものが、すっきりしたようだ。

「別に役目だからやってくれてたとは思わないわ。いうなれば同じ時間の迷子なのだし」

「レーテならそう言ってくれるかなって、し思ってました」

そっと手を握れば、握り返してくる。

ほんのり暖かいその手。

（この反応が作られたもの？　そうは思えないわ）

本かどうかわからない記憶でも、人間っぽいものと、人間と同様とでは違うものだ。

今のカタリナは、が違うだけで人間と同じ、そう私はじるのだ。

「本當は、私にも戦う力があればいいんですけど」

「オペレータでも十分役立ってるけどね？　でも何かあるかしら……」

端末をなおも作し、報を探る。

男別の素で神面の安定を図る？　これは関係ないわね。

彼たち本來の設計を考えると……あ、あったわ。

「これなんかどうかしら。石の力を引き出す制者に、同調する力だって」

「同調……気になりますね」

言葉通りなら、私とそうして石の力をより引き出すといったところか。

同調の條件は……んんん？

「対象の伝子を接種、解析せよとあるわね」

「伝子、ですか。あれですかね、でもなめれば？」

「かしらね？　あとで試してみましょ」

そのほかにも何か、と探ってみるが今のところは見つからない。

カタリナとJAM、両方の記憶領域にデータをコピーできそうなので実施する。

その間、私は室を探索することにした。

「カタリナがデータをコピーしてる間、何もないとも限らないし、し見てくるわ」

「わかりました。そんなにかからないとは思いますよ」

うなずき、小銃を構えなおす。

トーチ代わりに剣を使う必要は今のところ、なさそうだ。

「こっちはコンテナ……電子式ロッカー……テーブル類……うーん、展示會場？」

ざっくり見て回ったところ、ここは研究施設というよりは、見せる場所。

脇の扉の向こうに施設があるかもしれないけど、この空間は違う。

無事だったころは、完したものを展示、引き渡しするための場所、ではないだろうか？

「ということは、こっちに……」

壁際にある扉、最初に來たときは気が付かなかった場所。

ホコリ1つないその場所は、手をかざすようなパネルだけがある。

「ダメもとで……よし」

かすかな音を立て、扉がく音がする。

口と同じく、私のそのものがカギのようだ。

念のために脇にどき、銃を構えつつ様子をうかがう。

（突然出てくる何かはなし……）

次に、拾っておいた殘骸を放り込む。

い音を立てて、転がるだけの音。

「センサー的なものでの撃もなし、か」

ゆっくりと距離を取りつつ、扉の中をうかがう位置に移。

ライトで照らすと……そこには様々な機械があった。

持ち出すにも、微妙な機械群。

おそらく、ここ専用だからだろう。

「展示會場の、モニタールーム……？」

ここから、広い空間の制なんかをしてるんだろうか？

応急処置なども想定されているのか、壁際にはいくつかのコンテナと、資材。

「なんで水晶球があるのかしら？」

理由はわからないけど、ありがたい。

形を保っている袋へと適當に拾い集め、カタリナのもとへ。

ちょうどコピーが終わったところのようで、彼も周囲を警戒していた。

「おかえりなさい」

「まあまあ、ね。探ってみましょうか」

「あ、じゃあ早速試してみたいです」

何を、とは言わなくてもわかる。

そっと私の手を握ったカタリナが集中するそぶりを見せると、変化が生じた。

私から何かが移する覚。

正確には、私の流れを読み取ろうとする覚だ。

「レーテの力、じます……こうっ！」

「おおー……！」

私がたまにそうするように、カタリナの手が天井にび、の玉が出る。

それは照明となり、もともと明るい室にを放った。

「やりました！」

「ええ、これなら々手が打てるわね」

これでもっと役に立てます、なんていうカタリナを促しつつ、探索を再開する。