「先手必勝ってやつよねっ！！」

トラックを離れた場所に隠し、力はダイヤ、そして先日手にれたイエローダイヤ。

出力重視、火力全振り、からめ手なし、だ。

一気に飛翔し、小山の上に座り込むドラゴンに向け、ライフルを構える。

「ダイヤの閃……ジェーマレイ！」

當たった山自を溶かしきるぐらいの覚悟で、一撃を放った。

対するドラゴンは反応……した！？

ビルが転がるかのような、異様な景が目にる。

周囲の山を砕くかのように、ドラゴンが転がったのだ。

「うっそでしょ！？」

「どうやら、あっちも私たちを知してたみたいですね」

私自は、石の力、鉱脈、そういったものをなんとなくじることができる。

普段は燃料でもある石英や水晶の採掘に役立つし、レーダー代わりにもなる。

なるほど、この力は私だけのものではなかったわけだ。

案外、私もああいう生きを參考に、デザインされたのかもしれない。

「まさか、あんな巨が転がるように回避するなんて……」

「本能的というより、なんだか知をじますね」

「それこそ、まさかよ」

あるいは、何度もこうしてJAMと戦ったことがあるのかも、しれない。

真橫からドラゴンだけを狙う攻撃が外れ、下手に斜めに打ち込めない私。

対するドラゴンは、翼を大きく開きながらこちらを威嚇している。

「飛ばない……飛べない？　どっちかしら」

「わかりませんね。どうします？」

どうするも何も、ここで撤退はない。

そのためにここまで來たのだし、どうにか……。

とはいえ、ドラゴンを倒すのが目的ではないのがポイントだ。

なんなら逃げてくれるのが一番なんだけど。

「ちょっといやがらせしましょ」

私は、撃を選んだ。

相手も不可能ではないけど、効率は良くなさそう。

威力を抑えた閃がび、相手は回避か火球で応戦となった。

石の力がこもっているのか、閃と火球はぶつかると衝撃を産み、相殺されている。

「こっちは避けてこっちは相殺する……んん？　何かあるのかしら」

「後ろに行かせたくないってじですよね」

何度も試すうち、ドラゴンがあえてその場にとどまる箇所を発見する。

カタリナの言うように、何か後ろに……もしかして。

ドラゴンも、文明崩壊後に生き殘っている生きだ。

生きは、どうつながっていくか？

子孫を殘し、命をつないでいく。

「再サーチ。あのの後ろに、がいない？」

「ええ？　あっ、確かに重なっててわかりにくいですけど、弱いのが反応あります！」

私のほうでも、モニターに投影された反応を確認。

相手も石の力をじることができる狀態だ。

私が銃口をかすたびに、それをじるのだろう。

「どうしようかしらねえ……」

「レーテ、その……」

カタリナの顔がし曇るのが見える。

今まで、獣やミュータントを狩ってきたのは間違いない。

ただ、必要もないのに狩りつくすのはどうか、つまりはそういうことだ。

試しに全然違う方を撃つと、じっとじろぎせずこちらを見ている。

我慢するだけの頭はある、ということか。

「作戦変更。追いやるだけにするわ」

功するかは別にして、試してみるだけ試すことにする。

徐々に近づきながら、攻撃を外し続ける。

そうして、地形を探査。

幸いというべきか、目的地であろう窟はドラゴンの守りたい相手とは別の場所。

距離を取りつつ、窟へと近づく。

ちらりと、ドラゴンの後ろにある巖に、小さな影が見えた。

あれがドラゴンの、子供か。

「來ないならこれ以上はやらないわ。伝わるかはわからないけど」

最悪、窟部にブレスめいたものを放たれてもなんとか防げると思う。

さすがに、山を崩してくるようなことはないと思うし、ね。

「り口の開放を確認。勝手に開きましたよ？」

「私のことがわかってて、まだ生きてるってこと？　まったく、昔の文明ってやつは！」

文句を言いつつ、機を窟にり込ませた。

出てきたときと同じく、大きな窟。

ついさっきまではフタがされていた場所が、ぽっかりと開いている。

そして、私たちがると同時に、フタが閉まってしまう。

「招かれているのか、そういう仕組みなのか……さて」

気持ちを切り替えて、中を進む。