「靴はここでおぎくださいってことか……」

「明らかにJAM用のハンガーですね」

ドラゴンが巣作りしていた巖山の中、私が目覚めた窟の部。

しばらく進んだ先は、ここから機では進めない、そんな場所だった。

左右に數機ずつは固定できそうな場所。

長い年月を経ても、まだ形を殘すはしごがなんだか妙に気になった。

ここから出る時、もっと言うとブリリヤントハートを見つけた時。

この場所に、何機かあったようななかったような？

そう、いくつかのうち、１機を選んだような気がする。

「空っぽじゃなかったと思うんだけど……うーん」

「々ありましたからね。ゲーム？の記憶と混ざってるんじゃないでしょうか？」

そう……なんだろうか？

実際、記憶しか頼りにならないのでそれがだめならなんともならない。

武裝をに著け、コックピットから外へ。

ホコリをじない、澄んだ空気を吸いながら降りる。

不思議と、懐かしさをじた。

「この見上げるじは、確かに記憶にあるのよね。細かい裝備は変わってるけど」

確かに、現実で見た記憶と、ゲームで何度も見た景とはよく似ている。

カタリナの言うように、記憶が混じってるのだろうか？

「扉はあれ１つ、行くしかないですね」

「ええ、行きましょう」

ボタンも、カードのスリットも、作パネルもない。

だというのに、近づくとかすかな音を立てて扉が橫にスライドした。

「おかえりなさいってとこかしらね」

警戒をしつつ、前に。

點在する燈りが、扉の向こうの通路を照らす。

作りが似ていることを考えると、ほかの施設と似たような時代のものなんだろう。

何か出てきやしないかと、ビクビクしながら進んでいた記憶がよみがえる。

今の私には、力がある。

だから、おびえる必要もないはずだ。

「私のところは外れでしたけど、こっちはどうでしょう」

「當たりは當たりで、厄介な気がするのよね……」

なにせ、私のような存在が眠っていた場所なのだ。

それこそ、よく見たら私が１００人いました、なんてこともあるかも。

口には出さず、そんなことを考えてしまう。

「そうそう、こんなじで通路に出てきたのよね」

小さい、丸いのぞき窓がある扉。

出てくるとき、悩んだ挙句覗かずに扉を勢いよく開いたのだ。

今回も、別の意味で覗かずに……扉を開いた。

「っ！　レーテっ！」

「ええ、じるわ。何、この石の力は……」

まるで、暖房の効きすぎている部屋にった時のようだった。

濃厚な、石の力が私たちに吹き付ける。

（扉を開くまで、全くじなかった……どういうこと？）

山に埋まる鉱脈すら知する力が、何もじ取れなかった。

その事実が、銃を握る手に力を加える。

天井から何か落ちてこないかと、気を付けつつ中へ。

やはり、むせそうなほどの石の力だ。

「レーテぐらいのジュエリストなら、なんでもできそうなじですね」

「下手に力を使えないっていうことでもあるわね」

漂う石の力は、今のところ屬も帯びていない。

ただただ、力が漂っている……そんなじだ。

「ここで……そう、このコンソールが私の時は生きていた」

沈黙するモニター付きのコンソール。

ボタンをあの時のように押し込むけど、何もかない。

視線を向けるのは、私が眠っていたポットの場所。

ふたが開き、何も中にはない。

そして、そんなポットは１つだけ。

「なくとも、ほかにはいないみたいですね」

「だといいわね。石の力は……もっと奧？」

なんだか息苦しさもじる中、２人して進む。

よくわからない機械や、モニター類を見つつ進んだ先。

いかにもな重厚な扉、それが半ば砕かれるようになっていた。

「耐久年數を超えたってとこか……何かがあけた様子はなし、と」

お約束であれば、目覚めた何かが！というところ。

今のところ、それはなさそうだけど……放置もできない。

どうにかできそうな部分を蹴飛ばしたり、どかして隙間を作る。

そうして見えた先には、この施設の力源だろう部分。

を放つシリンダーの中に、青い石が浮いている。

「……もしかして、レーテが目覚めて出ていったから、エネルギーを使う先がなくて？」

「その可能は十分あり、ね」

このままだと、石の力で山が吹き飛びそうな予がした。

それは回避するべく、どうにかあの石をシリンダーから出すことにする。

電源を落とすスイッチ的なものがないか、中にって探す必要がある。

そのことをカタリナと話し合った時だ。

「何か音が……裝置に電源が！？」

「一何がっ」

さっきまで沈黙していたコンソールや様々な機材に燈りがともる。

急にき始めた裝置に驚く私は、に飲まれた。