《崩壊世界で目覚めたら馴染みのあるロボを見つけたので、強気に生き抜こうと思います》JAD-246「取り戻せ」
なんとか安全そうな場所まで逃げることができた私たち。
ようやくというべきか、けがなどの合を確認する時間が取れた。
そうして、隊列を組みなおして街まで戻る。
道中、燃料としての石英、水晶の力が盡きそうだったが、どうにかした。
主に、しまい込んでいた私の方の備蓄を貸しとすることでだ。
「分けてもらっておいてなんだが、ずいぶんため込んでるんだな」
「まあね。一人、じゃなくて二人旅が多いから、補給もしないことも多いわね」
もう半日で街へというところで野営。
焚火に照らされるJAMや車両をネタに、周囲は騒がしい。
なお、スミスなおじいちゃんは今も発掘機を調査中だ。
相棒というか助手にカタリナについてもらっている。
彼の記憶しているいろいろなものと比較したいらしい。
「なるほどな。なあ、旅をしてるなら噂話も多く聞くか?」
「ものによるわね。お伽話みたいなものから、最近の騒のようなものまで」
何か言いたそうな男に、私も話を促すようにあえてぼかした返事をする。
手にしたマグカップから伝わる熱が、い口をほぐしていくように思えた。
「今日の甲蟲、特にでかいやつなんだが……発掘機を狙ってたようにじたんだ」
「ふうん? ありえなくはないと思うわ。ミュータントの行原理はわからないことの方が多いし」
実際、あの甲蟲はまだわかりやすい方だと思う。
何せ、大きくなっただけで姿自は見覚えのあるものだったのだから。
自然にはありえないような姿の相手より、よっぽど対処しやすい。
「それに、あれには甲蟲の素材があからさまに使われてるじゃない? わかるのかもね」
冗談めいてそういった時だ。
ひとまずの調査を終えたらしいスミスおじいちゃんたちがやってくる。
「レーテ、ちょっとややこしいかもしれません」
「え? 何か問題が? 吹き飛びそうとか?」
「そういうのではないが……思ったより厄介じゃな。あの素材部分、まだ生きておる」
(……はい? あんなになって、生きている?)
笑い飛ばそうにも、2人とも真剣な表だ。
どちらにもこんなことでうそを言う理由はない。
となると、本當のこととなる。
「疑うわけじゃないが、本當なのか? もう見事に使われてるわけだが」
「正確には、まだ反応を殘している、となる」
今すぐどうこうしないといけないわけでもなさそうだ。
まずは話を聞くことにしよう。
改めてお茶をれ直し、一息れる。
そうして2人からの話はこうだ。
調査の結果、部品として使われている素材自は、JAM本とはまた別の力の流れを持っている、と。
補助といえば聞こえはいいが、実際には制できていない、そんな力。
くっついているJAM本からの力を利用し、自分で度を上げていく力があるようだ。
「おそらく、あの甲蟲自はもともとそういう能力がある。それが素材になっても殘っている、と」
「問題は、これはミュータントとしての甲蟲たちも知できそうだということなんです」
カチリ、カチリ。
そんな風にいろいろとかみ合っていく覚。
これまでにも疑問だった、世界はなぜ一斉に滅びの危機に瀕したのか。
なぜ急に、ミュータントたちは世界中で暴れ始めたのか。
トリガーはともかく、目的の1つは見えてきた。
蛾燈のように、目印があったわけだ。
「そうか。ミュータントたちは取り戻そうとしたんだ。自分たちを、人の手から」
「おいおい、騒だな。そんなことを言ったらどの土地でも……そういうことか」
そう、大なり小なり、ミュータントを素材にして人は暮らしている。
そんな環境に、ミュータントはなんだかんだと襲い掛かってきている。
程度の違いはあれど、みんな同胞をじているんじゃないだろうか。
「戻ったら、あの部分だけ換できないか見てみるとしよう。面白くなってきたっ!」
元気いっぱいになるスミスおじいちゃんとは対照的に、話を聞いた面々はし暗くなる。
私は……どちらかというと、納得したから落ち著いたじかな。
むしろ、カタリナのほうが焦ったじだ。
「どうしたの、まだ気になることがある?」
「いえ、ミュータントが素材などを見つけたとしてですよ? それでおとなしくなるのかなあと」
「……それは確かに」
取り戻しました、それで終わり、とはだれも保証してくれない。
むしろ、これで後は好きに暴れます、なんてこともあるのかも?
「まだまだ調べることは多そうね」
そんな私のつぶやきが、焚火と沈黙の間に流れていくのだった。
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