花のを採取する蜂。

その姿を見たときに、頭に浮かんだのはそれだった。

「溶巖に自分からつっこんでいる？　焼けてる様子はないわよね」

「そのようですね。接部分の溫度は約900度以上。なんだか容が破れて中が出てきているみたいですね」

「ふふ。そうね……こぼさないようになめとってるみたい」

スケールがかなり違うけど、そう見えてしまったからには仕方がない。

しばらくの間、浮きながらその芋蟲の行を観察する。

大きさは下手な車両ほどはある。

全は赤黒く、時折発しているように見えるのは溶巖の関係か。

口元を溶巖につっこんでいて……多分目はない。

「いているから、そういう生きか、そういう機械か……」

「どちらにしても、耐熱合は驚くべきものですよ」

「普通の生きなら、耐えられないわね」

有害ガスに適応した甲蟲がいたのだ。

もしかしたら溶巖にも耐えられる生きが……いや、さすがにどうだろう。

間違いないのは、金屬反応はあの芋蟲からということ。

「普通のミュータントな線は消えたわね。いや、普通のミュータントって何よってところなんだけど」

「さすがにあの狀況で耐えられる外皮はともかく、はなんだって話ですもんね。溫度も維持できなければ溶巖は固まりますし」

そこである。仮に溶巖に耐える組織というものがあったとしてもだ。

溫度が下がった溶巖は巖となる。

それをどうにかするには、生きでは無理だと思うのだ。

（つまりあれは何か違う存在。例えばそう、採取と加工をする存在とか。でも……ゼロじゃない）

「技って、結構生きの模倣からって話、あるのよね。記憶にある限りだと、擬態用の裝甲、模様とか。特殊な糸とか、免疫用の薬剤とか」

「アレがオリジナルとなる生、あるいは模倣した機械だと？　なるほど」

「捕まえてみないとわからないけどね。でも何かする必要もあるのかしら？」

石の力を使って、でも溫度をあれこれしてるのかもしれない。

そう考えると、絶対にないとは言いきれないのだ。

一どんな存在か、もうし観察をと近づいた時だ。

距離としては1キロあるかどうかだろうか。

「レーテ、計測値にエラーが。大して見えます」

「こっちでもそうよ。私の目が疲れてなければ、ね」

モニターに表示される映像は直接の拡大映像だ。

つまり、測定が間違ってるわけではない。

芋蟲が、この短時間で明らかに大きくなっている。

おなかの付近は大きく膨らみ、まるでボールを飲み込んだかのよう。

「金屬反応も強く……え、これは……」

「JAMに近い反応？　どういうこと？」

近づくこともなぜかできず、空中に浮いたまま。

そんな特等席ともいえる場所で、私たちはそれを目撃する。

らかそうな表皮が、く、沢あるものになっていく。

車両ほどはあった格も、大きく、力強いものに。

冷えて黒くなかったように見えたも、質が変わったのだとわかる。

（あれではまるで、機械でできた芋蟲型の……JAM）

なんとなく、その予想は正解のような予があった。

だとしたら、何が目的なのか。

そう、目的だ。

「仮にあれに人類がかかわってるとして。何のためにあそこでああしてると思う？」

「溶巖の採取でしょうか。様々な金屬らが溶けていると聞きます」

「それもありそう。私ね、この覚に覚えがあるの」

JAMの力源である核、クリスタルジェネレータで複數の石をれ替えているときのもの。

その時の覚は、今視線の先で観測されているものに近いように思う。

芋蟲からじる石の力が、どんどん切り替わっているからだ。

まるで私が、ダイヤだアクアマリンだとれ替えているときのように。

「考えてみれば不思議なのよ。JAMと力源、それ自はもうあるのだから疑うことはないわ。でも、最初に人類が石の力、星の力を使うようになったのはいつ？　なくともこの星に來た人類はすでに知っていた」

「あれが？　どう見ても機械ですから、再現したものがあれ？」

世界、宇宙で最初に石の力を引き出したもの。

それはなにかはわからない。

けれど、答えの1つが……きっとあれだ。

そんな予をに、観察を続ける。