《崩壊世界で目覚めたら馴染みのあるロボを見つけたので、強気に生き抜こうと思います》JAD-259「ところ変われば森変わる」

「こちら側は、思ったより雪がありませんね」

「同じぐらい寒いはずなのに……妙ね」

昔の呼び方で言えば、緯度はかなり北の極點に近い位置のはず。

それはこちらにわたる前も同じなのだが……思ったより地面が見える。

単純に気候の問題なのかもしれないけれど、警戒しすぎということもなさそうだ。

「上に上がりすぎても下が見えないわね。ホバー気味に行きましょう」

「了解です。周辺のサーチは続けます」

うなずき、機を移させる。

そんな時にも、どことなく手ごたえの違いをじるのだ。

しばらく進み、その違和のようなものはだんだんと強くなっていく。

「何かしらね、これ……石の力は使えてるけど……」

「出力に異常はありません。何か不合が?」

「不合ってほどでもないのよねえ……」

周囲はまだまだ、大自然かつ田舎。

人の気配はまったくなく、道もまともに存在しない。

ぎりぎり、向こうで戦った彼らが抜けてきたであろう細い道が……そうか。

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「暮らそうと思えば暮らせそうな場所……よね?」

「え? は、はい。開拓はできそうです。なるほど?」

カタリナも気が付いたようだ。

向こうで戦うことになった彼らは、こちらで生活するのが困難だから賭けたのだ。

例えば、寒波が激しく生きていけないなど、理由があったはず。

(今が一番寒い時期ではない? だとしても……」

どう見ても、暮らすだけならできそうな資源はある。

文化的な生活はめないが、追いだされた形の人間なら、十分なはず。

「外にガスがあるとか?」

「確認します。數値は……いえ、待ってください。レーテ、外……何かいます?」

「何かって?……!?」

を止め、言われるままに周囲を自分も確認し、気が付いた。

何も、いない。

はそれこそ生い茂っているが、くものがいない。

こちらを警戒してというレベルじゃなく、蟲すらいる気配がない。

「違和の正はこれね。生きじられないんだわ」

も生きではあるのだが、それ以外がいない。

蟲もいないとなると、自然を維持するのも難しいと思う。

それを可能にしているのは、石の力か。

「この森、石の力を使うタイプ? あり得るのかしら」

「そうでないと説明がつきませんね」

研究者や學者でも連れてきたら、大喜びしそうな環境だ。

仮説を立てるなら、自然が回復するために自分たちで進化したというじか。

(なるほど、これでは下手に暮らせないわね)

言わぬ木々が、靜かに襲い掛かってくるかもしれないのだ。

寢てる間に、包み込まれてるなんてあるのかもしれない。

「視線のようなものをじると思ったら、これ回りの植たちが狙ってるのかも?」

「行きましょう。怖すぎですよ」

異論はなく、私も移を再開。

気のせいだと思いたいが、移時に揺れる木々も何やらしゃべっていそうだ。

どこかゾクゾクとする覚を抱きつつ、進み続ける。

そして、とある川を越えたところですべてが切り替わった。

「あっ……ここが境界ね」

「データ上は変化がありませんけど、私もそうじました」

未知の報、何かが違うのだ。

いつの間にか固くなっていたをほぐすべくコックピットをひねる。

振り返らせ、川向こうの森を見る。

風が吹き、揺れる森に……どこか怖さをじた。

「切り替えていきましょ。どこに人がいるかわからないし、慎重にね」

「了解です。あ、レーテ。はいましたよ」

言われ、モニターを見れば四つ足の獣。

いわゆる鹿の一種だと思う。

いたブリリヤントハートに驚いたのか、逃げて行った。

ああいったがいるということもわかったし、どこか安心した自分をじる。

森の間を抜けるように、東へと進む。

徐々に南に下がりつつ、だ。

そのうち、人里に遭遇するだろうと思いつつ、ホバー移を続けることしばらく。

遠限界に人工確認」

「どれどれ? 本當ね。さて……どうしようかしらね」

ぐるりと回りこんで、たまたまここまで來た旅人を裝うか。

あるいは、いないはずの方向からやってきた形にするか。

近づきつつ、どうするか悩む時間。

「集落に接近する集団を知!」

「集落の規模のわりに、々しい數ね?」

森から観察しているところにやってきた集団。

どう見ても車両や、無人機の集団なのだけど……妙に武裝している。

「はい、過剰戦力というか……あ! 集落側にきが!」

だいぶ近づいたところで、遠映像もはっきりしてきた。

そんな映像の中で、集落側の防壁に次々と砲臺が出現する。

「爭い……ですよね」

「そうね。介準備」

「どちらに?」

問いかけはしてきたけれど、彼もわかってるだろう。

こういう時は……守る側に味方したほうが話が早いってね!

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