（違和の正は、これね……）

「あそこだけ世界が違うみたいに見えるわね」

「開拓にしても、きれいすぎますよ、あれは」

報をもらい、補給も済ませて出発。

念のために高度をとって飛行した先、そこに襲撃目標である集落があるはずだった。

建らしきものはたくさんある。

そして、戦いがあったとは全く思えない景が広がっていた。

「きれいすぎる。そうね……その通りだわ。この距離でもわかるほどの、完璧な布陣だわ」

恐らく警戒網は橫に広い。

こちらの人間が、飛べる戦力を持っていないんだと思う。

上空のこちらに、気が付いた様子はない。

観察してる間、一度もこちらには何も來ないから間違いないだろう。

その狀態の観察結果だが、怖いというか、不気味というか。

（防壁のようなものは最小限、見張り臺兼銃座が複數、そしてずっと周辺を警戒する無人機）

「東方面に、しずつびてますかね？　道らしきものが」

「たぶん、そっちに似たような中継都市があるんだわ。そことつながろうとしてる。勢力圏を結ぶじで……」

言いながら、目的がいまいち見えてこないことに首をひねる。

人がいてる様子もなく、いているのは無人機ばかり。

と、そう思っていると遠先できがあった。

JAMらしきものに車両が近づき、そこから人影。

ただし、明らかに無機質なきだけど。

「代要員……でも、あれは」

「JAMから出てきた相手は桶のようなケースに座って蓋をされ……完全にホラーね」

どうやら、人間としての尊厳やらは奪われているようだ。

あれではもう、人間とは呼べない気がする。

なくとも、あのままでは。

「さてっと、どうしましょうね。攻撃するだけならこのままひどいじでいけるんだけど」

「それだとにならないかもですね」

「そういうこと。よし、あえて東方側に降りて攻撃を仕掛けるわ。もしかしたら増援が來て挾み撃ちにされるかもしれないからそこは気を付けつつ」

「了解です。肩部武裝はこちらで？」

頷き、まるで自分が翼で飛んでいるかのように、覚で作して高度を下げる。

ビル2つ分ぐらいの高度になってようやく、相手にきがあった。

「このぐらいの高度が限界、か。じゃあ、始めましょう」

著地はせず、し浮いた狀態でるように移開始。

目についた銃座へと攻撃を放つ。

様子見を兼ねた、の弾丸だ。

邪魔するものは何もなく、必殺の一撃がび……直撃。

「目標沈黙！　ただし、抵抗を確認！」

「抵抗？　威力が減してる……！」

さすがというべきか、悩むところ。

中に人はいないだろうに、石の力に対する防が多はあるようだ。

これだと、普通の攻撃だと苦戦するかもしれない。

逆に、実弾だとどうなるか気になるけど、補給がしにくい現狀では試すのももったいない。

効かないわけじゃないので、このまま石の力での攻撃としよう。

「反撃は散発的、か。やっぱり機械的としか言えないわね」

「戦力の逐次投とは……」

あえて集落から距離を取り、撃戦を挑む。

銃座から飛んでくる弾丸は実弾、石の力によるエネルギー系とどちらもだ。

先ほどは、中に人はいないだろうと考えたが石の力が飛んでくるということは微妙。

もっとも、ミュータントのように生部分があれば不可能ではないので半々だ。

「時間稼ぎ、にはこのほうがいいけどねっ」

集落から出てくる、武裝した車両、そしてJAMらしき存在。

いくつも飛んでくる脅威は、當たれば、の話だ。

確かに徐々に數は増えているようだけど、こちらも當然反撃する。

手加減はしているが、甘い攻撃をする必要もないわけで。

「攻撃は有効。問題なく撃破できています」

「カタリナは銃座への攻撃をよろしく。そっちも復舊させるのか確認したいわ」

「了解！　今のところ、修復の気配はありません」

頷き、機を揺らしながら攻撃を続ける。

いうなれば、無限湧きの相手に、経験値稼ぎをするかのような時間。

いくつもの車両を撃破し、ようやく出てきた無人機も攻撃対象にする。

まだまだ地面に空きはあるし、相手も殘骸を乗り越えてこちらに迫ってくる。

まさにゲームのような攻防が続く。

こんなものか？と拍子抜けするほどの単調な攻防。

「厄介なのは量だったのかしら？　っ！　來るっ！」

ぼやきを聞いたわけじゃないだろうけど、相手のきに変化。

急に、敵機の度が上がるのを実した。

「車両がほぼなし、JAMもどきと無人機が主です！」

「ようやく本気ね。枯渇するまでお相手してもらおうかしらっ」

こちらとしてもようやく新機での戦闘に慣れてきたと言っていいだろう。

出力調整がとにかく大変だったのだ。

うっかり強すぎたりと、こわごわとしたじだった。

「どこまで戦えるのか、二つの意味でやらせてもらうわっ！」

まるで攻撃の波を泳ぐような空間だなとじる。

駆け引きなんて一切ない、不気味なほどの正確な攻撃。

正確すぎるがゆえに、ちょっとくだけですぐ外れる。

戦うための知識、データが全くないような機械制。

この場に、私たち以外のは……存在しないように見える。

（人間を利用してるという割に、これでは……）

どこかおかしい部分をじながらも、しばらく戦いを続ける。