殘念ながら、無人機を制するコードの類は見つけられなかった。

攻撃の際に、そこもつぶしてしまった可能が高い。

ただ、なんとなくだが……そういうコードとしてはもう存在しないような気がした。

「何者かの意志、それがこの王個に宿っていた気がする」

「それは、人なんでしょうかね」

「正解で、間違いでもあると思う。カンだけどね」

資としては回収できたが、報という面ではよろしくない。

下半にあった工場部分が、以前見かけた機械アリのと比べて高能だというぐらい。

そして、力源にあった寶石は、カットされていない原石のような狀態。

カットしなくても十分に使える技があるのか、逆にカットする技が殘っていなかったのか。

使うのはなんだか嫌だけど、そのままというのも問題なので回収だけしておく。

「さて、外の無人機たちも倒すだけ倒しておかないと」

「生産設備、他にもありますかね？」

カタリナが心配しているのは、王個以外にあるかもということだ。

確かに、一括で生産していたかも不明。

まだ電源が殘っている無人機たちにとどめを刺しつつ、町らしき場所を探索。

見た目は、崩壊前の世界にあったらしい町並みに近い。

けれど……どこかいびつだ。

「熱源反応はなし。鳥も何もいませんよ」

「見て。全部、機械になってるんだわ」

人が生活するには向いていない構造の家屋。

そんな場所に、おそらく機械でできているだろう犬らしき姿を見つける。

首から下は生きとしての犬に見えるのに、頭部は機械そのものなのだ。

（なんというか……不気味、が先に來るわね）

「人のを再生するのは、なかなか大変な部類。それは私たちが証明している」

「だからってこれは……これでは人類の復活とは……」

彼の言う通りで、これではどれだけ復興したように見えても、人類が、とは言えない。

ここに、人の自由意思は一切無い。

無人機を支配しようとしたのが間違いだったのは、その通りだろう。

最初は、そんなつもりではなかったと思うのだけどね。

復興の手助けにするつもりが、本末転倒になったわけだ。

「効率よく生産するように、目的を達するのに、人類が邪魔と判斷した存在がいる……」

きを止めた機械群を視界に収めつつ、生産設備を捜索し続けること數時間。

2か所、それらしき設備を発見し、破壊。

これでこの町は解放されたと言っていいだろう。

依頼を終えたことを報告すべく、來た道を戻ることにする。

念のために、地上をホバー移しつつ、だ。

途中、何回か無人機らしき小集団に遭遇したけど、いてない。

故障というより、きを止めた、だ。

「燃料切れ？　でもないはずよね……命令はけているはず」

「停止命令でも飛んできたんでしょうかね？」

親機である形の、王個。

それが停止したから？

まだ見えてないことが多すぎるが、いてないならそれでいい。

念のために、足や武裝を破壊しつつ、進む。

そうしてるうちに、川を何本か超えたところで自然以外が見えてくる。

「一部は依頼をけた時にいた車両ですね」

「進軍でもするのかしら？」

言いながら、なんとなくだけど私たちがやっちゃったのかなとも思う。

無線を使い、呼びかけながら人類による武裝集団に合流。

そこで聞かされたのは、予想通りのだった。

つまりは、王個のいた町への、襲撃作戦。

「犠牲は覚悟していたんだが……」

「逃げるに逃げられなくてね。ごめんなさいね」

その場にいた面々で、私とは初対面の人たちは何が何だかというじ。

私たちが、一機で町を事実上解放したことは、半信半疑、かな？

「案を頼んでもいいだろうか？　拠點は、できるだけ陸の方が防衛しやすい」

「それはいいけど……なぜ？」

「そうですよ。危険なのでは？」

陸に行くほど、無人機たちが中心の地域に近づく。

それこそ、中央には人がいないのはこれで間違いない。

「危険なのは確かなのだが、やつらは星の力、スターストリームも手を加え、大陸の外に近づくほど使いにくいのだ」

こっちに來てからじていた違和。

その正が、1つ明らかになるのだった。