「前方1000、多數！」

「了解っ！　まずは手前をたたくっ！」

人間である集団と別れてしばらく。

私たちは、人間以外と頻繁に遭遇していた。

すなわち、無人機を中心とした無言の軍隊と。

「予想通りの配置、數ですね」

「まったくよ。こんなところだけは、人間っぽいわ」

追加の接敵までのわずかな時間。

その間に、機の損傷と消耗を確認する。

幸い、こちらの能向上により、被弾はほぼない。

あっても、ダメージになるところまで行っていない。

（それはそれで、裝甲材は特別じゃないはずという怖さはあるのだけども）

まだブリリヤントハートという驚異は報告や共有がされていないのか、相手のきはほぼ一緒。

姿を見せたこちらに対し、不審者がやってきたように対処するだけのようだ。

上空は、青空。

遠く遠くの空に、きっと衛星が浮いている。

（遠距離通信ができるなら、もっと楽だけど……仕方ないか）

元の大陸のメテオブレイカーが手に功した衛星畫像。

その中で地上が確認できるものから、推測して行している。

どのあたりを制圧していけば、大陸の支配がしやすいかを割り出したのだ。

別れる前に聞けた報と、それらを組み合わせて拠點位置を推測、結果は大當たり。

すでに多くの拠點を襲撃、打撃を與えているはずだ。

「アパタイト、散弾！」

聲に出す必要はないけれど、自分の意識の問題として切り替えする寶石名を口に。

また進化したブリリヤントハートの力をじながら、まだ遠い相手に無數の弾丸を放つ。

の弾丸であるそれらは、意志を持つように軌道を変え、敵機に襲い掛かる。

煙を上げ、相手がきを止めるのはすぐのことだった。

「レーテ、気が付いてますか？」

「うん。相手も石の力を多用するようになってる」

手で転がすのは、し前に回収した敵の殘骸、その一部。

クリスタルジェネレータとは全く違うけど、石の力を引き出す部品という點では同じ。

妙にる筒のような部品がある無人機を撃破し、回収できたのがこれだ。

「石英とかを補充できるのはいいけど、ちょっと……ね」

々な意味のちょっとね、だ。

1つは、さっき験したように相手の攻撃能力の向上。

それに比例するような、謎のこちら側の防力上昇。

そして、何よりも不気味なのが生部品のようなものが見當たらないことだ。

「こう言ってはなんだけど、カタリナですら自由自在にとは言えないのよ？　なのに、こんな大量生産な奴らが……」

「私を設計した時代より、後なのかもしれませんね。より研究の進んだ時代」

そう考えるのが一番簡単で、一番ありえそうだ。

何せ、この星……遠い遠い宇宙の一角で、人類が自分たちで爭ってる狀態なのだ。

恐らく、何十年……下手をすると100年とか違う覚で宇宙に人類は種を飛ばしていた。

目的が移り変わっていくのも、仕方ないといえる。

巻き込まれてるこの星にとっては、たまったものではないが。

「もしかしたら、生の代わりに機械が生きとしての何かを代用できるようになってるのかも」

「なるほどね。カタリナ以上の、機械生命か」

そうなってくると、量産機に、多力を使えるだけの部品をというのも不可能ではないのかな？

となると、あとはこちら側の防だが……。

「あ、そうか。視界を変えてみればいいんだわ……なるほど」

敵機の増援はしばらくなさそう。

警戒は続けたままで、私は視界を石の力が見える狀態に切り替える。

瞬間、機全をもやのようなものが覆ってるのが見えた。

「石の力へ対抗するフィールド、かしら？」

「私には見えませんが、データとしては観測できます。確かに、全を覆っていますね」

どうやらそういうことらしい。

出力の上昇に伴い、それは防、盾ということにもなるようだ。

思わぬ果に微笑みつつ、次の場所への移を再開する。

休息をとるにも、安全な場所を見つけなくてはいけない。

「高い廃ビルみたいなのがあるといいんですけどね」

「そうねえ……集落もどき以外、大自然なのが不気味だわ。は一応いるみたいだけど」

中央に行くほど、植はあふれるように繁している。

他には、昆蟲の類も。

ただ……、爬蟲類や鳥類なんかも含めて、見た目通りかがわからない。

見た目はちゃんとなんだけど……うーん？

「たぶん、見た目は普通でもほぼほぼミュータントになってると思います。そうじますから」

「そっか……どうしようもないわね」

機械じりのもどきは、限られた存在……そう思いたい。

大陸中のそういう存在を殺して回るのは、たぶん不可能だから。

でもなんとなく……大元をどうにかすると、解決しそうな予はあった。

「次の予想集落地點まで、10分」

「本當に近いのよねえ……」

推測が當たってほしくないとは思いつつ、その願いは無駄になるなともじる。

かつての星で、人類がそうだったように、集落もどきはいたるところにあるようだった。

人類が星に満たされていたことを再現するような、無人機たちの行。

重要拠點だろう場所を、重點的に襲い続けることを再確認する。

こうすることで、外への圧力を減らせるだろうと考えながら……。

「さて、攻撃開始！」

見えてきた建造へ、威嚇とい出しを込めた一撃を放つのだった。