《崩壊世界で目覚めたら馴染みのあるロボを見つけたので、強気に生き抜こうと思います》JAD-273「過去にあった近未來」
どこかにある、人類の繁栄した星。
人間は、他の星から資源を持ち帰ることを目指した。
人間は、持ち帰ることをあきらめて他の星に移住することを選んだ。
そして、人間が繁栄することをあきらめた……ようだ。
「冗談のような景だわ」
「中央にあるのはメテオブレイカーでしょうか?」
「たぶんね。ずいぶんと……著飾ってるけど」
大陸の中央へと進む日々。
途中、これまでと似たような町にいくつか遭遇。
無理のない範囲で、それらに襲撃をしかけながらだ。
そうして、今度も遠くに何か人工が見えてきた、そんなとき。
その規模、容に機をとっさにしゃがませたのは許してほしいと思う。
まだ距離があり、こちらは山の中腹ぐらいだから見つかってはいないとは思うけど……。
長距離でもわかるほどの、巨大な建造たち、そして中央に鎮座する巨。
武裝はどうなっているかわからないけれど、ごてごてとしたその姿は、懐かしさすらじる。
隕石迎撃裝置、メテオブレイカー。
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多の個差はあるとしても、この星で最強格の兵なのは間違いない。
その巨を抱えるのは、記録にあったかつての文明、その姿。
空を飛ぶ機械や、町を行きかう車両などはまだ足りないようだけど。
「昔の再現のはずなのに、近未來があるわね。探査はどう?」
「おそらく、砲臺等は數多くありますね。出てきそうな部分が多いです」
どうやら、楽はできないようだ。
問題は、敵に回すと厄介確定なメテオブレイカー。
「あれで迎撃できるのかしら……」
言いながらも、攻撃できないとは思わない方がいいなと自分に言い聞かせる。
なぜかといえば、今からアレを含めた諸々に挑むのだから。
まるで、城に挑むアリ1匹、そんな気分。
「レーテ、なんだか楽しそうですね」
「そう見える? そうかもね。記憶にあるゲームでも、ここまでの難易度はなかなかないわ」
地面を埋め盡くすような相手とも戦った。
空から降り注ぐをよけ続けるのもやった。
そして、超巨大兵群と戦うことも。
遠い遠い、記憶。
これが、誰かがどこかで経験した記憶なのか。
機械が刷り込んだ偽の記憶なのか。
それはわからないし、真偽の意味はない。
「クリスタルジェネレータ、ダイヤ3連。そっちも1つ投」
「了解です。ダイヤ4連、同期開始。出力は安定ラインで抑えます」
頷き、機を立ち上がらせる。
相手が、石の力を見ているのならば……山に突然現れたように見えるだろう。
小さな太のようにるこちらが。
「いざ、勝負っ!」
長距離撃は、選択から除外した。
一発で終わるとも思えないし、最終的に打ち合いになると不利だと思ったのだ。
まっすぐに、一直線に。
ブースターを全力で、空を進む。
「ロック來ましたっ!」
「わかってるっ!」
町のほうから、様々な殺意にも似たものが飛んでくる。
ロックのためのスキャンだったり、石の力によるものだったり。
カンに従い、細かく機を揺らす。
その都度、先ほどまで飛んでいた場所を閃や弾丸が通り過ぎる。
「ここでも経験不足は一緒ねっ!」
正直すぎる迎撃。
回避を前提としたずらした撃なんてのが一切ないのが怖いぐらいだ。
お返しとばかりに、両手のライフルと肩部砲で反撃をしつつさらに接近。
メテオブレイカーの姿が段々と大きくなり……主砲が生きていることを確認した。
「急回避っ! 決斷が速いってほめてあげるべきかしらっ!」
「下に向けて撃っちゃいましたよ!?」
メテオブレイカーの力が高まるのをじ、肩部砲をたたみながら大きく橫に飛ぶ。
とっさのきだったので、撃をしながらという荒業になってしまった。
何もいない方向へと撃することになったカタリナだけど、文句はないはず。
なにせ、メテオブレイカーが低出力とはいえ、主砲を真橫に撃ってきたのだ。
「山が、えぐれてますよ」
「後で直すつもりなんでしょう。多分ね」
これではっきりした。
あのメテオブレイカーは敵であり、脅威だと。
どう無力化するか、思考を巡らせていると、空から圧迫。
「何? 何か……」
「上、宇宙ですか? 特に何も……いえっ! 味方のメテオブレイカーより著信! 添付メッセージは……空の星が飛んできた……まさかっ!」
この星にたどり著いた、人類の科學者……技者かもしれないが。
彼が予知のように殘したこと、それは小星が衝突するコースにあるということ。
でもそれは、いつかの未來……そのはずだった。
「冗談でしょ……!?」
「冗談なんかじゃありません! 小星が転移してきています! あれは月じゃありません!」
空に浮かぶ、白い白い何か。
てっきり、晝間に見える月だと思っていたそれは……。
まだ遠くにあるはずの、小星だった。
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