宇宙から飛來してきた隕石……いや、小星。

ほとんどの部分は、砕いたか吹き飛ばすことができた。

そう、ほとんどは。

空を、破片たちが彩っていた。

細かい部分は大気圏で燃え上がっている最中だ。

自然ものじゃない、何かしらの作為をじるものだった。

自然の小星が、転移してきてたまるか！というやつである。

「さすがにこの合攻撃は、封印対応としましょう。地上に向けて撃つのは絶対にダメね」

「そう、ですね。山が削れるどころではないでしょうね」

メテオブレイカーの力と、ブリリヤントハートの力。

片方だけでも敵がほぼいないものを、同期・共鳴させたのだ。

そこから生まれたエネルギーは、言うまでもない強さだ。

それに、次も無事とは限らない。

メテオブレイカーはあちこち白煙を上げているから、しばらくはけないだろう。

「機ダメージはあまりありませんけど、力の通りが良くなりすぎですね。しばらくは休ませた方が」

「そっか。そういうじなのね。効率が良すぎるのも考えか」

いうなれば、ホースの口がいきなり太くなったようなものだ。

もともとの量も増え、強さも上がった狀態でホースが太くなれば……調整が難しいわけだ。

いつの間にか上がっていた息を整えつつ、周囲を見る。

空にいたいくつもの無人機はいないし、地上からの砲撃も止んだ？

「攻撃、狀況は？」

「外部からの接続攻勢も急に引っ込みました。砲撃、ありませんね」

「どこかに親玉がいるはずなんだけど……」

まさかどこかで倒してしまった、ということはないと思う。

となると、ダメージをけて休息しているか、逃げ出しているか。

ブリリヤントハートを移させ、ビルの屋上みたいな高さから周囲を見渡す。

さんざん好きに暴れたからか、あちこちで煙と火事。

殘骸と、無事な部分とが戦いの荒々しさを表現していた。

「レーテ？　殘った砲臺から攻撃が來るかもしれません。危ないですよ」

「カタリナはじない？　この妙なじ……」

言いながら、自分でもはっきりとしない覚に戸っていた。

何かセンサーで知できるものでもない。

実際、彼は何も知していないのだから。

でも、何かある。

々と思考を巡らせ、たどり著いたのは……記憶。

私の設計者は、よほど疑り深いか、心配だったらしい。

（ゲームの後半戦、そこにあったイベントの1つ、なんてね）

つまり、終わったと見せかけて本番、そんなやつだ。

そう……本番というか、親玉がいない。

「広範囲で探査開始。街並みに不自然な部分、ない？」

「ええ？　始めますっ！」

自分自も、モニターの表示を次々切り替えながら、見ていく。

煙の、崩れた建、かない無人機たち。

そして……見つけた。

「北西800！　戦艦らしきものが地上に固定されています！」

「こっちでも視認。飛ぶわ」

出力と実際のきが思った以上に敏なのをじる。

自分ではちょっと飛び上がったつもりが、かなりの距離を飛びあがる形になった。

驚きつつも、そのまま降下しつつそこへ向かう。

ブレードを構え、警戒しつつ近づき……ぞわりと、何かが襲い掛かってきた。

「周辺に出現する何かあり！　砲臺、それにJAM！？」

「戦艦自、下に隠しておくべきだったわね」

まるで、戦艦を守るように無數の砲臺、JAMたちが地面からせりあがってくる。

様々な種類があり、むしろ統一が全くないようにも見える。

それらが吐き出す攻撃を、軽快に回避していく。

必死、そうじるきだ。

「殘って復活されても厄介だわ。つぶしていく！」

び、目立つ相手から順々に狙撃を開始。

敏になっているクリスタルジェネレータは、私の予想よりも早く、多くのエネルギーを生み出す。

「今の稼働狀況は10分ぐらいで戻る試算です。やれますかね？」

「やれるかじゃない、やるのよ」

地上にある戦艦というなじまない景の前で、が錯する。

砲臺はともかく、JAMはいても良さそうなのだが……あれは、試作機なんだろうか。

「こうなるまでに、試行錯誤はしたってことか。それで、人はいらないと結論付けて……でも、結局最後に自分を守らせるのは人型ってのは、稽ね」

「敵戦艦、マーキング完了。いつでも！　いえ、目標に高エネルギー反応！」

「切り裂くっ！」

多くの砲臺、JAMを撃破し、主要な目標は戦艦のみ。

それも、沈黙していたのでオブジェ同然かと思っていた。

そのかないように見えた巨大な砲臺がこちらを向き、暴力的なを攜えている。

轟音を伴うようなのの柱が飛んできた。

それに対し、確信をもってブレードをふるう。

「こんなものでっ！！」

わずかな抵抗の後、の柱は左右に散っていく。

これでわかった……もう、相手が限界だ！

「々聞きたいところだけど、共存は無理そうだから。さよなら」

その聲が屆いたわけでもないだろうけど、周囲に何か広がるのをじた。

「相手から無線、多數の周波數で何か……まともな容ではなく、びというか暴言というか」

「そ。了解。多分、理解しない愚か者めとかそういうノリね」

先ほどの砲撃は切り札だったのか、相手からの攻撃はない。

ブレードからライフルに持ち替え、離れた場所から……狙い撃った。

全が発し、戦艦はガラクタと化す。

そうして、ある意味あっさりと、無人機の野めいたものは、止まった。

「周辺設備の停止確認。都市部の電源が消失していくのを知。この町は、もう死んでしまったじですね」

「今度こそ、終わり……かな？」

機を立たせたまま、コックピットで深呼吸。

じわじわと、に飛來するは……安堵と、喜び。

「數日はここで散策。それから……戻りましょ。人間のもとへ」

「はいっ！」

こうして、私の目覚めた世界で好きに生きる旅は、大きな區切りを迎えたのだった。