《迷宮宿屋~空間魔法駆使して迷宮奧地で宿屋を開きます~》1

心著いた時、私は孤児院にいた。

同じ境遇の兄妹達と過ごす日々はとても賑やかで………凄く貧しかった。

的に言うと一日の食事は毎食固いパン一個。

著るものは全てお下がりで、今著ているものもさらに下の子に回す予定が確定していた。

そんな生活を抜け出す一発逆転のチャンス。

10歳の時に國民全員が行う適調査。

もし希だったり、有用な適を持っていれば貴族や國家に保護される。

圧倒的に外れが多いのは分かっていたけれど、それでも期待していた。

ああ、期待していたさ!!!

「ね、姉ちゃん元気だして……」

「…姉さんは土に還ってみんなの養分になるよ……」

「く、空間魔法は役に立つよ!買いが楽になるよ!」

「ありがとうダーツ…」

現実逃避で畑の蟲取りをし、しかし逃避しきれずつい畑の真ん中でしゃがみこんでしまった私に一歳下のダーツの優しさが染み渡った。

先日、10歳になりけた適検査。

その結果はとても無なものだった。

マリーロズ(10)

レベル1

HP10

MP3

・空間魔法

「回復魔法までとは言わないけど、こんな使えない魔法一個しか適がないってどういうことなのぉぉぉぉ!アンなんて四つも適あったのに…分けて…」

「ね、姉ちゃん落ち著いて…」

「こらー! マリィサボるんじゃなーい!」

「うう、うううううう!!」

シスターの怒った聲で渋々と蟲取りを再開し、ダーツと共に雑草を取りながら私の適……空間魔法について考える。

があると知った瞬間、誰に教わるでもなく私は空間魔法『開閉』と『拡張』を覚えた。

開閉は自の持つ空間の扉を開け閉めする魔法だ。

開け閉めにMP(マジックパワー)は使わないけれど、開いていると時間経過によりMPが消費される。

今の私だと一分開けているとMP1を使う。つまり、三分扉を開けたらMP回復を待たねばならない。

その空間も、現狀スープ皿ほどの広さしかない。ならば拡張を、と思うでしょう?

拡張にはMP10使うのだ!

つまり現狀使えない。非常に使えない魔法な上、空間魔法で選択できる未來は……荷持ちくらいだ。

同い歳のアンは四つもあった上、全て冒険者として役立つものだったのに。

ちくしょう。

「姉ちゃん、ブツブツ言ってたら怖いよう…」

「これが現実よ」

はああああ、と特大級のため息を吐いて

今度は水撒きをするためにダーツと共に井戸に向かった。

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