《迷宮宿屋~空間魔法駆使して迷宮奧地で宿屋を開きます~》17

胃の中が空になっても吐き気は収まらず、トールさんに心配そうに背中をでられて……落ち著いてくると醫務室に運ばれてベッドに寢かされた。

「魔力回路が完全に弱ってますね。ポーションの飲み過ぎです」

知ってた。

絶対にそうだと思ってた。

だが口を開けば吐きそうで、ぽんっとギルド職員の治癒魔法使いのおじさんは私の額に手を置いて優しいらかな魔力を送ってくれた。

「マリィが倒れたって聞いたけど平気か!?」

「大丈夫じゃありませんよ!こんな小さな子になんて過酷なことをさせるんですか!?中級ポーションを沢山飲ませるなんて貴方は馬鹿ですか!!」

「悪い…その、マリィは大丈夫か?」

「度重なる回復で魔力回路が完全に弱りきってます。二日は安靜が必要ですね。もちろん破棄ポーションも飲んじゃダメです」

なんですと!!

ふ、二日も拡張が出來ないなんて…!と思うもまあ確かにこの狀態では飲む気も起きない。

ギルマスが怒られてるのを聞いているとが楽になってきた。

ので目を開けるとトールさんが心配そうに私の手を握りながら見つめていてくれた。

「ギルマス…」

「お、おおお、大丈夫かマリィ。悪いな無茶をさせて」

「だいじょうぶです。それより、鞄を……」

「いや、無理するな。マジックバッグは諦めていいから」

「嫌です。ここまでがんばったんだから、仕上げだけします…」

「お、おお?おお、わかった。これに頼む」

ぴゅっと消えてギルマスが鞄を持って戻ってきた。治癒魔法使いのおじさんに治療をけたまま、トールさんの手を離してカバンをしっかりと持つ。

『空間を切り離して付與しますか?*注

切り離された空間は元に戻せません』

ちゃんとサブ空間を指定して、魔法を発する。

るわけでも、何が起こるわけも無く。

魔力付與は終わった。

「どうぞギルマス…」

そして限界を迎えたのか私はそのまま意識を失った。

目を覚ましても魔力酔いは殘っていた。

そして私が寢ているのは醫務室のベッドの上だった。

かす力が湧かずに目線だけかしていると、すぐ側に座って仕事をしていた治癒魔法使いのおじさんと目が合った。

「起きたようだね。調はどうだい」

「ぐわんぐわんします」

「だろうね。とりあえず治るまでここに泊まりなさい。孤児院の方にはちゃんと連絡しといたから」

「はい」

「話を聞くくらいなら大丈夫そうかい?」

「大丈夫です」

それは良かったとのほほんとおじさんは笑ってから事の顛末を語り出した。

何と、領主様が厄介な流行病に倒れたそうだ。その治療薬は迷宮18階付近にいる魔からしか作れないそうで……冒険者ギルドに急依頼として依頼が持ち込まれたそうだ。

地下18階に行ける冒険者は、複數パーティ居るそうだ。

正確には18階で食料問題と魔の素材問題に直面して現在はマジックバッグ購のために金策をしていたところだったそうだ。

マジックバッグはお値段はそこまで高額では無い。だが、ほぼ市場に出回らない。

余談だけどトールさんのパーティもランクアップとマジックバッグ購のために最近はギルドの雑事をこなして報を集めていたそうだ。

兎にも角にもマジックバッグさえあれば依頼はけられる。

そのため現段階でギルドで一番空間魔法スキルが高い私に白羽の矢が立ったようだ。

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