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( ^-^)_旦~

目を覚ましたとき、窓から差し込むは赤みを帯びていた。夕方まで眠ってしまっていたのだと気付く。

首を捻れば、先に目を覚ましたときと同じようにウォルトさんが機に向かっているのが見える。

「ウォルトさん…」

「ん？目が覚めたかい？」

ウォルトさんはコトッと何かを機に置いて振り返った。今はフードを被っていない。

「すみません…。水、淹れてもらったのに…」

いつの間にか、ベッドのすぐ橫に小さなテーブルが置かれていた。その上に木のコップが載せられている。わざわざ用意してくれたのに、申し訳なくじた。

「そんなこと気にしなくていいよ。それよりも飲めそうかい？」

「飲みたいです…」

「ちょっと待ってて」

ウォルトさんは背中に手を添えて、ゆっくりと上を起こしてくれた。添えられた掌は、大きくて溫かい。獣人は皆そうなのだろうか。

のあちこちから痛みが襲ってくると思って気合いをれてたけど、不思議と痛みをじなかった。の反応が鈍っているのかもしれない。

「自分で飲めそう？」

「はい。痛くないです」

モフモフした手からコップをけ取って、そっと口に運ぶ。

「味しい…」

「ずっと眠ってたからも渇いてるはずだよ。水差しでしずつ飲ませてはいたけどね。久しぶりの水分でが喜んでるんだ。おかわりいるかい？」

「お願いしても…いいですか？」

ウォルトさんは微笑んで、もう一杯淹れてきてくれた。それをグイッと飲み干して、大きく息を吐く。

「ふぅ～…。何から何までお世話になってすみません。今更ですけど…私達が何故こんなことになったのか聞いてくれますか…？」

「うん。ここで出會ったのも何かの縁だ。何でも話してしい」

コクリと頷いて、これまでの出來事を語る。

一通り話し終えたところで、ウォルトさんはし悩むような仕草を見せた。

「アニカの話を聞いた限りでは、その熊のような魔はムーンリングベアだね。新人冒険者が討伐できるような魔じゃないよ」

やはり…というか、當然だと思えた。アイツは、私達の手に負えるような魔じゃない。

「何とか苦し紛れに魔法を使って、その隙に逃げることができたけど……ただの幸運でした」

事実を苦々しい表で語ると、ウォルトさんはふっと表を和らげる。

「いや、幸運なんかじゃないよ。君達が必死に闘ったからこその結果だ。突然現れた魔に恐れず立ち向かって、自分達の力で活路を開いて生き延びた。そのことにを張っていいんだ」

微笑みながら告げられた言葉に、を噛み締める。

自分達の行を……振り絞った勇気を肯定してくれる言葉にが熱くなって、また涙が溢れそうになる。

「ボクならヤツと遭遇した瞬間に、跳び上がって逃げ出してる。獣人だから逃げ足は速いしね」

苦笑するウォルトさんにつられてクスッと笑ってしまった。

「そうだ。けそうなら、一緒にオーレンの様子を見に行こうか？」

「いいんですか？気になります」

オーレンは、私より酷い傷を負っていたはず。ウォルトさんを信用しない訳じゃないけど、やっぱりこの目で確認するまでは安心できない。

「しだけ歩くよ。大丈夫？」

「大丈夫です」

ベッドから立ち上がっても、何処にも痛みをじない。かなり打撲や切り傷があったはずだけど…。特に爪で抉られた足は、歩けないほど激痛だった。

「アニカ、こっちだよ」

呼ばれて手招きされた方へ向かう。

通された部屋にると、古いベッドの上にオーレンが橫たわっていた。顔を除いて包帯だらけだけど、顔も良く見えるし息づかいも力強い。確かに生きてる。

出も止まっているみたいで、包帯は赤く染まっていない。その様子を見て、また安堵の涙が溢れ出す。

「オーレン…。よかった…」

すると、隣に立つウォルトさんが微笑みながら頭を優しくでてくれた。掌がだまりのように溫かくて、より涙が溢れる。

「わぁ！馴れ馴れしかったかい！？ゴメン！」

私より遙かに大きなで、オロオロしてる。その表は「やっちまったニャ！」とか言いそうで、可笑しくなって涙を流しながら笑ってしまう。

「……アニカ」

微かに、けれど確かに聞こえた。

視線を向けると、ウォルトさんの聲に反応したのか、ほんのし目を開けてこちらを見つめているオーレンと目が合った。

「オーレン！」

オーレンに近寄って手を握る。

「アニカ……。無事だったのか…。良かった……」

オーレンの目から涙が溢れて頬を伝う。

「うん…。うん…。オーレンも…。ありがとう…」

「気にすんなよ…」

その景を見ていたウォルトは、微笑みとともに靜かに部屋を後にした。

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