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( ^-^)_旦~

採取する薬草は、住み家からそう遠くない安全な場所に生えているとのことで、護用のナイフを裝備しただけの軽裝で出掛ける。

「いざとなったら、ボクがアニカを背負って逃げるから大丈夫。ボクはムーンリングベアより駆けるのは速いからね」と気持ちを和ませてくれた。

私とオーレンが裝備していた武や防は、魔との戦闘でボロボロになって使いにならなくなった。安だったけど、それでもあの裝備があったから命が助かったと謝してる。

「じゃあ、出発しようか」

「はい！」

外に出て、並んで歩き出したところでウォルトさんを見る。

橫に並んでみると、ウォルトさんは頭２つ分近く背が高い。私は背が低い方だと自覚してるけど、過去に目にしたことがある獣人の中では比較的長が低い部類に思える。

獣人は、人間に比べると遙かに能力や力に優れていて、筋量も多く男問わず格が良い。街でも力仕事には欠かせない存在。

その反面、魔法や學業、研究などの複雑な式や知識を必要とする分野は苦手らしくて、通説では人間やエルフに比べると計算や記憶など頭脳的な面で能力が劣ると云われてる。

それに、私が聞いた限りでの獣人の男のイメージは『に対してだらしない上に、気が荒くて暴者が多い。とにかく強さ自慢が好き』ってことだったけど、そんな常識と照らし合わせると、ウォルトさんは珍しいタイプの獣人に思えた。

ローブを著ているので格はハッキリ分からない。でも、首から上を見た限りでは痩せ型に見える。

そもそもローブを著ている獣人が珍しい。皮に被われているため暑さに弱く、かつきやすい服裝を好む獣人は、涼しげな軽裝でいる者がほとんどだ。

それに、し會話しただけで解るほど知的な獣人だ。落ち著いて優しく丁寧な口調と綺麗な言葉遣い。溫厚で知識も富なのに威張ることもなく淡々としている。こんな人、人間にもそうはいないと思う。

「どうしたの？何か気になる？」

ウォルトさんに聲を掛けられて我に返る。ジッと見ていたから気になったのだろう。いい機會かも、と聞いてみることにした。

「素樸な疑問なんですけど、ウォルトさんはローブを著てて暑くないのかな？と思って」

「こんな服を著てる獣人は珍しいよね。ボクは他の獣人と違ってあまり暑さをじないんだ」

「ってことは、実は寒がりとか？」

「そうなんだ。も細いし、々と獣人っぽくないんだよ」

ウォルトさんは苦笑するけど…。

「そんなことないと思います」

「え？」

「私は街に出てきたばかりでよく知らないんですけど、人間と同じでんな獣人がいるんですよね？確かに、他の獣人とはし違うように見えますけど、むしろウォルトさんみたいに優しくて知りの獣人もいるんだと勉強になりました。私には、凄く立派な獣人に見えます」

街に引っ越してから『獣人の男の人は、言がガサツな人が多い』と思ってた。

ウォルトさんは、一瞬驚いたような表を見せたあと、ククッ！と笑う。

それがとても可くて見えて、皮をでてみたいなぁと、ちょっと失禮なことを考えてしまった。

「私、何かおかしなこと言いましたか？」

「いや、全然。…おかしいのはボクのほうだ」

「？」

言ってる意味がよく解らないけど、そこでウォルトさんが足を止める。

「この辺りが薬草が生えている場所だよ。早速だけど採取を始めるとしようか。説明しながら採っていくよ」

「わかりました！よろしくお願いします！」

その後、薬草の種類、効果、回復薬にするために必要な配合などについて、実を見ながら教えてもらう。

理解できないところはその都度質問する。何も知らない私に、嫌な顔１つせず丁寧に教えてくれる。凄く解りやすい。

「この草は薬草で、すり潰すと傷薬にもなるんだ」

「ふんふん！」

「この草には解毒作用があるよ」

「へぇ～！」

『ウォルトさんって…まるで學者みたい。何でも知ってる！』

一通り基礎を學んだところで、必要な材料を採取して家に戻ることになった。「次は家で実際に作ってみよう」とウォルトさんが提案してくれた。

「じゃあ、素材を集めようか」

「はい！よろしくお願いします！」

２人で採取した數種類の薬草を袋に詰めて帰路につく。住み家への帰り道でも冒険に役立ちそうな知識を教えてくれる。

迷いやすい森では、帰り道が分かるよう印をつけながら歩くことや、どうしても火を起こす必要があるときは、大きな木の下で炊けば煙は上りにくく場所を知られずにすむこと。

今、何時なのか太と方角が分かれば調べられることなど、冒険に使えそうな雑學を丁寧に教えてくれる。

「へぇ～」「ふんふん！」「なるほど！」と『１つも聞きらさないぞ！』と真剣に耳を傾けた。

「アニカは何でも素直に聞いてくれるから、教え甲斐があるね」とウォルトさんは笑う。

「私は、やっぱりウォルトさんって森の賢者なんじゃないかと思ってます！」

「大袈裟だよ。今まで教えたことは冒険者なら知ってる人も多いし、森に住んでるから知ってるだけなんだ」

「まだまだ未者なので、何を聞いても新鮮です！」

「そうだね。これからも初心を忘れちゃだめだよ。長しなくなってしまうからね」

「はい！」

その後も２人の雑學談義は家に著くまで続いた。

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