《寢取られた元カノ?、知らない許嫁、キャな馴染も皆要らない。俺のみは平穏な高校生活だ!》夏休み前の日曜日はデートです
今日は日曜日、午前九時に涼子の家の最寄り駅で待合せる為、午前八時二十分に家を出ることにした。こうすれば二十分前に著く。
と思っていたが、
「お兄ちゃん、こんなに早く何処へ行くの?ここ最近日曜日は教科書を持って一日中出かけていたし」
「先週までは期末考査で高校の仲間と勉強會だ」
「では、今日は?」
「今日はその仲間とお疲れ様會で遊ぶんだ」
「へーっ、珍しい。お兄ちゃんはそういう事には全くと言って良いほど興味を示さなかったのに。あっ!そうか。もしかしてお相手は、前にお兄ちゃんの頬に口紅を付けられた方ですか?」
「よ、余計なお世話だ。い、行って來る」
「行ってらっしゃい。お相手の方に宜しくねー」
バタン!
ふふっ、お兄ちゃんが茹でタコでした。しかしあのお兄ちゃんが好きになる相手って…。一度會ってみたいな。
參ったな。瞳のおでし遅れてしまった。大丈夫だとは思うが。
俺は急いで二つ先の待合せの駅に十分前に著くと涼子はまだいなかった。良かった。
Advertisement
それから五分も経たないうちに彼はやって來た。ショートカットの髪のがキラキラしている。目がぱっちりしていて可いに薄い赤のルージュが塗られている。
洋服は肩が広く出た白のブラウスに薄い茶の足首まであるフワッとしたスカート。薄い赤のかかと付のサンダルを履いている。手にはピンクのバッグだ。可い。
「達也、待った?」
「今來た所だ」
「そうか、良かった。早速行こうか」
「ああ」
彼がかない?
「どうしたんだ。行くんじゃないのか」
「どうこの洋服?」
そういう事か。
「とっても似合っていて可いぞ」
「えへへ、ありがとう行こうか」
やっぱりの子は難しい。こういう時は洋服を褒めるのか。覚えておこう。
デパートのある駅は高校のある駅の一つ向こう、涼子の家のある駅から四つ目だ。
改札を出ると
「達也こっち」
「あ、ああ」
本當は手を繋げれば良いんだけど
駅を出て大きな通りの反対側に有名なデパートが有る。信號をクロスで渡れば良いだけだけど、達也と私との間にちょっと、そう人一人くらいれる位の距離が空いている。
信號が変わって歩き始めると反対側からも一杯人がこちらに歩き始めた。あっ、彼がどんどん離れている。
「達也!」
彼に近付こうとして人とぶつかってしまった。
「ごめんなさい」
「なんだてめえ。人にぶつかっておいてなんだそりゃ」
「ご、ごめんなさい」
「ちょっと來いよ」
「やっ!」
その時、いきなり私に文句を言った男の肩に手が乗った。
「おい、痛いのはこの位か」
「ぐあっ」
達也が男の肩を握る様に摑んでいる。
「悪いが、俺の彼に手を出すなよ」
男が振り向くと
「ひっ!す、すみません。肩を肩を離して」
達也の顔を見て驚いた顔をした後、一目散に逃げて行った。
「あっ、信號が変わり始めている」
私は彼の手を持って急いで反対側に渡った。渡り切ったところで車がき出した。
「涼子、大丈夫だったか」
「うん大丈夫。達也、ありがとう。でも怖かった」
「そっか、悪かったな」
「そうだよ達也が悪い」
「えっ?」
私はまだ握っている手を見ながら
「達也が私の側にいて私の手を握って渡らないからだよ。これからは私の手を握って」
「…………」
「いやなの。私の手を握るの?」
「そ、そんなことない。でも……」
不味い、なんか導されている。
「嫌なの?」
「わ、分かったよ」
「じゃあ、今からね」
「いや、もう人にはぶつから…」
「駄目、いつ何が有るか分からないでしょ。それとも達也は私を守ってくれないの?」
「はあー。もう分ったよ」
私が彼の手を握ったまま歩き出すと彼の顔が真っ赤になっている。ほんと彼ってなんでも初めてなんだ。まあ私もだけどさ。
「なあ、ここに來てどうするんだ?」
「付いて來て」
「こ、ここは…」
「さっ、ろ」
「さ、流石に勘弁してくれ。俺を助けると思って」
「大丈夫だよ。さっ」
「頼む涼子、何でもするからここだけは…」
「今言った事ほんとだよね。何でもするって」
「まあ出來る範囲で」
「何達也は、舌も乾かないから発言撤回するの。男に二言はないんでしょ」
都合いい時にそんな事言わないでくれ。
「わ、分かった」
「ふふっ、じゃあ買って來るね」
俺は、涼子のって行った用水著売り場の前のベンチで売り場が見えない様に座った。勘弁してほしい。
涼子と知り合ってから初めての事ばかりだ。の子と平気で付き合っている諸兄を見習いたいものだ。
だが、何で涼子はここに來たんだ。海にでも行く予定があるのか?
十五分位して彼が出て來た。
「達也お待たせ。買った水著、後で著て見せてあげるね」
「…………?」汗、汗、汗、汗、汗、汗、汗、汗
「ふふっ、何恥ずかしがっているの。達也は私と一緒にプールに行くのよ」
「はっ????いやいやいや、俺はそんな約束した…」
「言いましたよ。だって私のしたい事なんでもしてくれるんでしょ?」
やられた、涼子の奴最初からそれが狙いで…。俺がこういうとこれないのを知っていて。參ったなあ。
次に連れて來られたのは用の洋服売り場だった。ここも一緒にる事を辭退した。そして約束がもう一つ増えた。そう遊園地に行く事だ。
「ふふっ、いっぱい買っちゃった。そろそろお晝だね。達也何食べる?」
「任せる。俺こういう所來た事無いし」
「そっかあ、じゃあ、駅前の○○クにする。でも初デートがあそこじゃなあ」
えっ、初デート。これは初デートなのか。な、何てことだ。
「達也、顔がまた赤くなっているけどどうしたの?」
「えっ、な、何でもない」
「まあ、いいわ。初デート〇〇クも良いかもね。行こう」
「…………」
世の中のキャ男諸氏。頼むから「HowToデート」なる本を売り出してくれ。絶対買うから。
そこで俺はビッグ○○○を二つとコーク、涼子は魚の奴とアイスコーヒーを頼んだ。
「さすがだね。それ二つ簡単に食べてしまうなんて」
「まあ、花の高校生だからな。食は旺盛だ」
「私は食べないの?」
彼が耳まで赤くしながら下を向いている。
「…………!!」鼻、鼻、鼻、、、
鼻が出そうになった。
「りょ、涼子。滅多な事を言うものじゃないよ。そ、そんなこと…」
急に顔を上げて
「ふふっ、冗談よ。でもいつかね」
タラッ、タラッ……!
本當に鼻が出た。の子ってこんなにメンタル強いの。俺自信無くなって來た。
この後、近くの公園で二時間位散歩して家に帰った。もちろんしっかりと手を握られて。
涼子を送って行って丁度午後五時。これ高校生だよね!!
―――――
強面で腕っぷしは強くてもの子には免疫力ゼロですね。
次回をお楽しみに
面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意が沸きます。
想や、誤字字のご指摘待っています。
宜しくお願いします。
【書籍化コミカライズ】死に戻り令嬢の仮初め結婚~二度目の人生は生真面目將軍と星獣もふもふ~
★書籍化&コミカライズ★ 侯爵家の養女セレストは星獣使いという特別な存在。 けれど周囲から疎まれ、大切な星獣を奪われたあげく、偽物だったと斷罪され殺されてしまう。 目覚めるとなぜか十歳に戻っていた。もう搾取されるだけの人生はごめんだと、家を出る方法を模索する。未成年の貴族の令嬢が家の支配から逃れる方法――それは結婚だった――。 死に戻り前の記憶から、まもなく國の英雄であるフィル・ヘーゼルダインとの縁談が持ち上がることがわかっていた。十歳のセレストと立派な軍人であるフィル。一度目の世界で、不釣り合いな二人の縁談は成立しなかった。 二度目の世界。セレストは絶望的な未來を変えるために、フィルとの結婚を望み困惑する彼を説得することに……。 死に戻り令嬢×ツッコミ屬性の將軍。仮初め結婚からはじまるやり直しもふもふファンタジーです。 ※カクヨムにも掲載。 ※サブタイトルが少しだけ変わりました。
8 111【電子書籍化】神託のせいで修道女やめて嫁ぐことになりました〜聡明なる王子様は実のところ超溺愛してくるお方です〜
父親に疎まれ、修道女にされて人里離れた修道院に押し込まれていたエレーニ。 しかしある日、神託によりステュクス王國王子アサナシオスの妻に選ばれた。 とはいえやる気はなく、強制されて嫌々嫁ぐ——が、エレーニの慘狀を見てアサナシオスは溺愛しはじめた。 そのころ、神託を降した張本人が動き出す。 ※エンジェライト文庫での電子書籍化が決定しました。詳細は活動報告で告知します。 ※この作品は他サイトにも掲載しています。 ※1話だけR15相當の話があります。その旨サブタイトルで告知します。苦手な方は飛ばしても読めるようになっているので安心してください。
8 55【書籍化】え、神絵師を追い出すんですか? ~理不盡に追放されたデザイナー、同期と一緒に神ゲーづくりに挑まんとす。プロデューサーに気に入られたので、戻ってきてと頼まれても、もう遅い!~
【書籍版発売中!】 富士見L文庫さまから2022年1月15日に書籍化されています!! ========== 【あらすじ】 「仕事が遅いだけなのに殘業代で稼ごうとするな! お前はクビだ。出ていけ夜住 彩!」 大手ゲーム開発會社のデザイナーとしてデスマーチな現場を支えていたのに、無理解な無能上司のせいで彩はチームを追放され、自主退職に追いやるための『追い出し部屋』へと異動させられる。 途方に暮れる彩だったが、仲のいい同期と意気投合し、オリジナルのゲーム企畫を作ることにする。無能な上司の企畫にぶつけ、五億の予算をぶんどるのだ。 彩を追放した上司たちは何も分かっていなかった。 ――優秀すぎる彩にチームは支えられていたことを。 ――そして彩自身が、実は超人気の有名神絵師だったことを。 彼女を追放した古巣は瞬く間に崩壊していくが、デスマーチから解放された彩は華やかな表舞臺を駆け上っていく。 夜住 彩の快進撃はもう止められない――。 ※ほかの投稿サイトでも公開しています。
8 109クラス全員で異世界転移!?~廚二病が率いる異世界ライフ~
日常、ただただ平凡、それは幸せだった。 ある時いきなり表れた仮面の男に 異世界へ飛ばされたクラス一同 大虎や、龍が現れパニックになるクラスメイト達 しかし、そんな狀況でも 一人、冷靜に次を考えるある男がいた!?
8 145一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...
中學ではバレー部キャプテン、さわやかイケメンの青木 奏太 中學時代いじめや病気を乗り越えて、心機一転高校では新しい自分になろうと心躍らす赤井來蘭 そんな2人は出席番號1番同士 入學式、隣に並ぶ來蘭に奏太は一目惚れをする 中學時代のいじめの記憶がトラウマとなり、ことある事にフラッシュバックしてしまう來蘭を懸命に守る奏太 その度に來蘭は強くなり、輝き出していく
8 78俺の小説家人生がこんなラブコメ展開だと予想できるはずがない。
プロの作家となりかけの作家、イラストレーター。三人で小説を生み出していく軽快意味深ラブコメディ。高校を入學すると同時に小説家デビューを果たした曲谷孔と、同じ高校に入學した天才編集者、水無月桜、イラストレーター神無月茜の三人が織りなす、クリエイターならではのひねくれた純情な戀愛物語。 ※タイトル変更しました
8 154