《寢取られた元カノ?、知らない許嫁、キャな馴染も皆要らない。俺のみは平穏な高校生活だ!》許嫁になる前に
私、立花玲子。立石達也さんと改札で別れて彼とは別のホームの方向に歩いた。そして學校のある改札とは反対の改札に來ると
「お嬢様、お待ちしておりました」
「ご苦労様です」
「ではこちらへ」
私は別の改札口を通って駅の外に出るとそのまま車に乗った。前の學校帝都學館では大半の生徒は車で送迎される。
本來ならここでもそうすべきだが、ここは普通の高校、私が車で送迎されるのはあまりにも目立つ。だから一度駅の改札にり、彼とは別のホームに行く振りをして反対側の改札を出た。
初日だからこうしたが、早々に彼にはこの事を教えるつもりだ。セキュリティ上電車通學は出來ない。
長尾高校から自宅まで二十分程で著く。家に帰り著替えてからリビングに行った。
「お父様、ただいま帰りました」
「お帰り玲子。どうだった達也君は」
「はい、優しくてシャイな所もありますが、男らしく私を守って頂ける方とお見けしました」
「そうか。どうかな、あの話は」
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「はい、進めて頂いて宜しいかと」
「はは、玲子が簡単に相手を認めるとは余程気にったと見えるな」
「まだ今の狀況での話です」
「まあ、急ぐこともない。高校卒業して婚約、大學卒業して結婚、まだ六年もあるしっかりと相手を見る事だ」
「分かっております」
私は、お父様に挨拶をもう一度した後、自室に戻った。人は彼の事を強面と言うけどそれはひとそれぞれ。
私は生ぬるい顔よりよっぽど彼の方がいい。何よりも彼の側にいれば安心できる。それは絶対的な條件だ。
それにとても優しい事も分かった。決して安易に妥協しない事も。六年も側にいれば、いいえ一年もしないにはっきりと分かるでしょう。
今回の件、お父様から話しが有ったどうしようかと思いましたが、正月にお會いした時、彼の私への対応で印象はつかめました。後、彼の事を調べさせた。
ご立派な経歴だ。これならと思った。生半可な男よりよっぽどいい。そう思って転した。
帝都子學園のお友達からは々聞かれたけど全て家の事と話しておいた。今はそれでいい。
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心配なのは、彼が私に真剣に向き合ってくれるかという事。私がいくら彼に思いを寄せる事が出來ても彼が私に向いてくれなければ意味がない。
今の所分かっているのは、三頭加奈子と桐谷早苗が當面のライバルになるという事だ。
桐谷早苗はまだ自分の心を表に出していないが、その行を考えれば分かる事。馴染という武は無視できない。
三頭加奈子ははっきりと自分の意思を彼に表しているが、彼の持ち時間は限られている。私に利があるだろう。
本宮涼子という子がいたがもう考えなくていい人になった様だ。
何とかあの二人に彼が心を奪われる前に私が奪わなくてはいけない。幸いな事に今は、本宮の事で傷心中だから直ぐにはかないだろう。急ぐことはない。
明日からお弁當。これだけは私が作らないといけない。お母様にしっかりと教えて貰う必要があります。
翌日朝、私は家の車で學校のある側の改札とは反対の改札まで送って貰うとそのまま駅構にり、電車で通って來たかのような雰囲気で學校のある側の改札を通って外に出た。
よく見ると達也さんが、丁度改札を出て學校に向かう所だった。何という幸運。この時間に駅に來れば會えるという事か、確認は必要だけど。
早速、し早足で歩き追いつくと
「達也さんおはようございます」
彼は私の方を見ると
「おはよう立花さん」
「達也さんはいつもこの時間に?」
「大そうです」
まさか一緒に登校しようなんて言わないだろうな。
「そうですか、もし宜しかったら明日からご一緒に登校致しませんか?」
「…………」
やっぱり。
「駄目なのですか。私とはご一緒に登校するのが嫌ですか?」
またこういう言い方して來たよ。
「分かりました」
「良かった。嬉しいです。今日は達也さんのお弁當も作ってきましたのでご一緒に食べましょう」
「…………」
この方はそうそうにうんと言ってくれない。今までは會話で逃げ道を塞いで來たけど、そろそろ言い方を変えなくてはいけません。
俺は、立花玲子と一緒に歩いていると妬みや嫉妬の視線が激しい。學校が近くなって來ると更に聲も聞こえてくる。
「ねえ、あんな子うちの學校に居た?」
「凄く綺麗だわ。三頭さんや桐谷さんとは違ったしさを持っているわね」
「誰なのかしら?」
「でも一緒に居る人って…」
全くいつも俺は悪者かよ。子が俺の側にいなければこんな事にならないのに。
昨日父さんにあんな事言ってしまった以上、しっかりとこの人を見ないと大変だ。あれっ、でもそれって既に父さん達の中にはまっているって事か。面白くない。
しかし、無下にもする訳にはいかないし。取敢えず當たらずらずで行くか。
「立花さん、晝食の事分かりました。だけど俺にも今までしていた事を急に変える訳にはいきません。
登校については、一緒でいいです。晝食はいつも一緒に食べている高頭健司という友人がいます。そいつが一緒に食べても良いというなら立花さんと一緒に食べるのは構いません。
下校については、俺も都合が有ります。一人で帰ってくれますか。用事がある時は相談に乗ります」
「…ごめんんさい。私の方の都合ばかり言ってしまって。達也さんの仰る通りです」
「…………」
下駄箱で履き替えて一緒に教室にった。健司は既に席にいた。
「健司おはよう」
「おう、達也おはよ」
「高頭さんおはようございます」
「えっ、ああ立花さんおはよう」
「健司ちょっといいか」
俺は廊下に健司をい出すと
「なあ、健司ちょっと面倒な事になってな」
「面倒な事?」
「簡単に言うと立花さんが俺の弁當を毎日作ってくれるというんだ。そして一緒に食べたいと」
「そうか良かったな」
「良くねえんだよ。俺は健司と一緒に食べたい。はっきり言っての子はこりごりだ。だが事で弁當を斷る訳にもいかないんだ。
そこで頼みがある。俺達と晝を一緒にしてくれないか?頼む!」
「…はぁー。達也の事に巻き込まれるのか。でも面白そうだな。しかしなあ」
健司が腕を組んで考え始めた。何を考えてるんだ。
「分かった。晝は一緒でいい。しかしお前のその面倒な事教えろ」
「分かった。晝休みでいいか」
「もちろんだ」
俺達は教室に戻ると立花さんが不安そうな顔で俺の顔をじっと見ている。席に座ると
「晝、健司と一緒でいいか」
「はい」
顔がパッと明るくなった。健司が立花さんの方を見て
「これから宜しくね」
「はい、こちらこそ」
良かった。斷られたらどうしようと思っていました。やはり達也さんは優しいし、お友達も心優しい方で良かった。
――――――
ふむっ、達也、苦行の始まりですか?
次回をお楽しみに
面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意が沸きます。
想や、誤字字のご指摘待っています。
宜しくお願いします。
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