《パドックの下はパクチーがいっぱい/子大の競馬サークルの先輩が殺された?著ぐるみの中で?先生、どうする? 競馬ファン必見、妖怪ファン必見のライト・ラブリー・ミステリー》1 馬が教えてくれる
馬が教えてくれる。
そう言ったいったハルニナは無視された格好だ。
パドックにってきた先頭の馬が、珍しい馬をしていたからだ。
「うおっ」
「すごっ」
聲があがる。
漆黒の馬かと思いきや、パドックを回って來ればの右半分は黒と白のブチ模様。
「格好いい!」
「聞きしに勝る……」
秋の京都競馬場、第一レースのパドック。
「私、あれにする。プリブノウメキ」
「いくらなんでも無理」
「どうして?」
「だって、ウメキだよ。き」
「あんた、名前で決める派だもんね」
「プリ・ブノウ・メキかもしれないし」
「どういう意味?」
「さあ」
「でも、うれしいね。競馬場はやっぱりいいよね」
「久しぶりだもんね」
「ウンチの臭いも芳しいし」
などと騒いでいる三人の教え子たちをし離れたところから眺めながら、ミリッサはメインレースの第百十四回秋華賞の予想を見直していた。
事前に全レース分の予想は終えてある。
とはいえその予想とは、消すものは消して半數に絞ってあるという意味だ。
サークルのルールとしてパドックは見る、と決めてある。
ミリッサは、三番の馬を凝視してから、それを本命として、事前に選んでおいた馬の中から馬連を三通り、と決めた。
ハルニナが振り向いた。
ミリッサがそこにいることに安心したのか、長い袖を振ってみせた。彼はどんな時も黃いローブを羽織っている。
パドックの中でもひときわ目を引く。
それにつられて、ミャー・ランも振り向いた。
こちらははっきり笑いかけてくる。
「ミリッサ! どうする?」
そう問いかけてきたのはジンである。
いずれも、煌焔子學院大學の學生。
ミリッサの授業をけている學生であり、競馬サークル「R&H(ラフ)」に所屬している。
大學は、阪急影から急坂を三十分上った景のいい六甲三麓にある子大。
いわゆるお嬢様學校として人気は高い。
そこでミリッサは、人文科學部プロダクション學科の非常勤講師として、週に一日三科目、キャラクターパフォーマンス學なるものなどを教えている。
「俺の予想を聞くな。自分で考えろ」
學科で唯一の男教として人気はある方だと、自分では思っている。
四十六歳。彼たちにとってはおじさんでも、比較的高齢男の多い子大では若い方だ。
にもかかわらず、サークルにってくる學生がないのはなぜか。
競馬はもうマイナーだからな、と自分を納得させているのだった。
確かに、競馬は変わった。
関西にあったJRAの競馬場はここ京都だけになったし、G1レースの日でも、暗いうちから何時間も並ぶこともなくなった。
令和の時代に京都競馬場は建て替えとなったが、それほどの観客を集めることもなくなった今、またもや改築され、それを機に、主要な部分は平の時代の形態に戻されている。
トラック形楕円ではなく元のように円形のパドック。
以前のように、中央の大木がせっかくの電掲示板を見えにくくしている。
その大木の葉を初秋の風が揺らしている。
京阪カラーの電車が、電掲示板の後ろから姿を現し、京都方面に向かっていった。
「ミリッサ、顧問の先生なんだから、ちょっとはアドバイスを」
「知らん」
學生からは、授業中は先生と呼ばれるが、授業を離れると呼び方は様々。
ミリッサと名を呼び捨てにするのが今風ということらしい。ハルニナ、ジン、ミャー・ランはそのクチだ。
いわゆるジェンダー平等、ジェネレーション平等、エクスペリエンス平等のひとつの表現。
ミリミリとあだ名はまだいいが、さすがにジンからお兄さんと呼ばれた時には、それはやめろと言ったものだ。
わおっ。
パドックがざわめいた。
一頭の馬が何かに驚いたのか、前足を上げていなないている。
ミリッサはせっかく選んだ馬連の一枚を書き換えた。
「ほらね。馬が教えてくれる」
と、ハルニナがまた言った。
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