《パドックの下はパクチーがいっぱい/子大の競馬サークルの先輩が殺された?著ぐるみの中で?先生、どうする? 競馬ファン必見、妖怪ファン必見のライト・ラブリー・ミステリー》10 ケイキちゃん殺人事件、と呼ぶことにする
「そうよね。先生も、今日、倒れたし」
と言ったのは、ランだった。
「ん?」
関係があるのか?
「茶化すつもりじゃないから勘違いしないでほしいんだけど、何か、いわゆる目に見えない何者かの意思が」
「なんだよそれ。ボクは、そんなわけのわからないことじゃなく、ただただ、事実を知りたい。それだけ。僕は參加する」
ジンの言葉で、場の大勢は決まった。
ルリイヤが帰ってきた。
フウカが説明する。
口々に賛意を示すメンバー。
「いいことだと思う。私も力になりたい。競馬場のことはいろいろ役に立てると思う」
というルリイアに、ジーオが大きく頷いた。
「ありがとう。先生、いいですか?」
「もちろんだ」
「はい。それじゃ、手始めに」
フウカの提案が続く。
「いわゆる聞き込みしか、私たちにはできないと思う。今のところは」
「うん」
ミリッサは、どこかで自分が主的に活する場面が來るだろうと思った。それまでは、フウカに任せよう。
その方が気が楽、ではない。男の講師としてノーウェに接してきた希薄さより、この娘たちの方がより多くのことを知れるはずだ。
たとえ、一緒に授業をけていなくても。サークルメンバーとして競馬場に來ていなくても。
これでいい。
フウカにはリオンという刑事もついている。
自分はサポートに徹しておればいい。
サポートすることがあるかどうかも怪しいものだ。
「結論となりうることは、何と何に?」
フウカがジンに質問している。
「ボク? んー、そうだな」
単に、本當に完全な事故だった、という結論がまず一つ。
何らかのアクシデントがあって、それが人為的なものであったり、ある事故の連鎖として先輩の転落が起きたということも考えられる。
でも、最悪のパターンは、誰かが仕組んで、先輩の転落が起きた。あるいは、もっと最悪なのは、誰かが突き落としたとか、つまり、意図してというか、極端に言えば殺そうと。
ここでジンは言葉を切った。
ここまで言っていいのか、というように周りを窺って。
フウカよ、どうする?
どういう結論まで、視野にれる?
「どの結論がましいか、なんてことはないわ」
フウカは決然としている。
「過失としての事故であれ、不運な事故であれ、誰かが意図した事故であれ、はたまた殺人事件であれ」
「サ・ツ・ジ・ン……」と、ジーオ。
「まさか……」と、ルリイア。
「ええ。どんな可能も排除しないわ」
フウカは意を決したように、宣言した。
「ケイキちゃん殺人事件、と呼ぶことにする。ふざけてるんじゃない。それくらいの真剣な気持ちで取り組みたい」
確かに、警察が再び捜査を始めたというなら、その可能を踏まえてのことだろう。
なぜ、再捜査になったのか、いずれ、フウカが人から聞き出してくれるだろう。
「ケイキちゃん殺人事件……」
ジーオの聲には戸いと共に、かすかな喜びがある。
発言のなかったハルニナも、諾というように頷いている。
ランももともと大きな目を見開いて輝かせている。
ミリッサはまた思った。
素敵、としか言いようのなかったノーウェのことを。
彼の姿、表、聲、そしてあの日々のことを。
それとともに、またあの日のことを思い出した。
事故の直前、ミリッサは現場のごく近くにいたのだった。
晝食前の散歩に、普段あまり足を向けることのない競馬場北端部に広がる廄舎群を眺めに行ったのだ。
その帰り、人けのないエレベーターを使って二階に上がったのだ。
エレベーターを降り、スタンドのある右手に向かったのだが、その時、小さな悲鳴を聞いたような気がした。
振り返ってみたが誰もいない。
エレベーター橫に置かれたベルト式柵にスタッフオンリーの札が揺れているだけだった。
その後知ったことだったが、そこがまさにノーウェが転落死した現場だった。
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