《パドックの下はパクチーがいっぱい/子大の競馬サークルの先輩が殺された?著ぐるみの中で?先生、どうする? 競馬ファン必見、妖怪ファン必見のライト・ラブリー・ミステリー》13 おばあちゃん子
「たいしたことじゃない。アイボリーはもう気にしてないかな、と思って」
「ん? あれか? 競馬場の転落事故?」
「そう」
「関係ないぞ。娘は」
「もちろん。もう気にしてないなら、それでいいんだが」
あの事故の後、アイボリーはひどく落ち込んでいた。
その後、ミリッサの耳にも様々な報がもたらされた。
事故のいきさつや顛末。
もちろん、死んだのがミリッサの教え子だったからである。
警察の事聴取さえけたものだ。
あの日の出來事の斷片は、頭の中で、ひとつのシンプルなストーリーとして繋ぎ合わされている。
あの日、アイボリーは珍しくアルバイトに遅刻した。
イベント主催者の財団のアルバイトではない。
イベントを請け負ったイベント會社周山企畫のアルバイトである。
元々、マスコットのケイキちゃんにるのはアイボリーだった。
遅刻のおかげでアイボリーではなくノーウェがることになり、あの事故に繋がった。
アルバイトとはいえ、イベントの実質的な司令塔であったアイボリーが遅刻したことによって、すべての人員配置が変わった。
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ケイキちゃんにはイベント主催者の擔當社員であるノーウェがり、エスコトート役は競馬場職員のルリイアが、という普段では考えられない配役になったのだった。
予定通りアイボリーが競馬場に到著しておれば、ノーウェがケイキちゃんの著ぐるみを著て、一人で階段を降りようとするなど、危険な行に出ることもなかったはずだ。
そうなった理由はある。
大柄なアイボリーに合わせて作られた著ぐるみ。もう一人マスコット役のアルバイトはいる。しかし、彼はその日、休みだったのだ。
他にもアルバイトはいる。しかし、が合わない。しかも彼らには彼らにしかしかできない重要な役割があった。
イベントの主要な目的、高齢者の日常の不安と財団に対する要の聞き取りアンケートをするという、より重要でイベントの目的である枠割が。
それを財団職員であるノーウェ自がするわけにはいかなかった。あくまで、第三者によるヒアリングという點に重點が置かれていたからだった。
ケイキちゃんの著ぐるみをに著ける、つまり著替えを手伝う役にしても、本來、周山企畫のアルバイトが擔うことになっている。
しかし、現場ではアイボリーの到著を待って、時間を空費してしまった。
イベントの本質であるヒアリング開始の時刻が迫っていた。
ケイキちゃんは、いわば、広告塔のようなもの、つまり、幟のようなものであって、それを優先するわけにはいかない。
結果、その場に居合わせた競馬場職員のルリイアが著替えを手伝うことになった。
不自然とはいえ、それ以外に手がなかった。
ただ、ノーウェもルリイアも、ケイキちゃんに全く素人だったかと言うとそういうわけでもない。
ノーウェは自が財団の擔當者としてよく知っていたわけだし、ルリイアも元はと言えば周山企畫のアルバイトをしていた。そして、今は競馬場のイベント擔當者である。見て見ぬふりはできない。
「さあな。そんなじはないぞ。もう、気にしてないだろう」
「なら、いいんだ」
「ん? 何か、あるのか?」
「いいや」
警察が再捜査を始めたことも、競馬サークルで「ケイキちゃん殺人事件」なるものの調査を始めたことなど、この男に話すことではない。
もし、アイボリーに再度の事聴取が行われることになっても、きっと彼には、改めて話すことなど何もないだろう。
ただ、彼の気持ちに波風がまた立つだろう。ただ、それだけ。
「そんなことより」と、友は言う。
「実はな」
娘が最近、時々言うのだという。
「悔しがっているようなんだ」
俺の母親、アイボリーの祖母が自殺したんだ。
昨年のことだ。
それを思い出して泣くことがあるようなんだ。
お祖母ちゃん子でな。
たまにしか會わなかったのに。
「おまえには昔、話したことがあると思う」
ヨウドウの家系は小さながある、そんな話を學生時代に聞いたことがある。
「おまえのお母さん、はその、離縁された、云々、って話か?」
ヨウドウは言い出しておきながら、話すべきかどうか、迷ったようだ。
「そうなんだが……」
昔のことだ。今更、なにが言いたいのだろう。
何十年も前に離縁された母親が、昨年、自殺した。こんな話を聞いたところで、楽しい話ではないし、もちろんなにかできるという類のことではない。
大の大人の愚癡なのだ。
「自殺の理由が分かったというんだ」
と言われても、頷くよりほかない。
「アイボリーが、か?」
「そう」
ここ數年、高齢者の自殺死が急激に増えている。
世間は無関心であるばかりか、好する風さえある。
社會を構する人口ピラミッドが極端に歪な形となり、社會経済にかける高齢者福祉の負擔があまりに大きすぎるようになったからである。
「アイボリーを気にかけてくれていて、俺は謝している。もし何か娘の様子に変わったことがあるなら、そういうことじゃないかな」
結局、ヨウドウは母親の死について、それ以上は語らず、いつになく口數なく食べ終えると、プレートを持って立ち上がった。
ミリッサも立ち上がった。
「なにかあったら、また話すよ」
箸やフォークは再利用の専用箱に、食は流水で洗ってベルトコンベアーに、プレートはそれ用のテーブルに。
「ありがとう。次回の同窓會のことなんだが」
「それはまた今度。今から、部活がある」
「そうだったな」
友は話し足りなさそうだったが、すでに、広い食堂の奧にフウカの目立つ服が見えていた。
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