《パドックの下はパクチーがいっぱい/子大の競馬サークルの先輩が殺された?著ぐるみの中で?先生、どうする? 競馬ファン必見、妖怪ファン必見のライト・ラブリー・ミステリー》24 このみょうちきりんな話を、信じているのか

ハルニナの聲は続く。

この世には、不思議な存在がある。

普通の人にとっては、という意味での不思議ね。

その存在にとっては、自分が不思議、なんて思っていないから。

PH。

そう聞いて、どうじる。

なにか、じない?

そう……。

まだ、何も?

でも、本當は心がかきむしられていない?

心がれて、いてもたってもいられないんじゃない?

どうして?

もうとっくに、マニフェストしてていいはずなのに。

いくら何でも、遅すぎるよ。

四十以上になって、まだマニフェストしないなんて。

それとも蛇に邪魔をされてた?

もっと、話さなきゃダメ?

説明しなくちゃダメ?

ここだって、誰かに聞かれているかもしれない。

話したくないのよ。

言葉にしたくないのよ。

お願い。

もう。

仕方ないか……。

じゃ、もうし話すわ。

PH。ピーエイチ。

パーフェクト・パーソン。

それは、人の意識の連鎖。

言い換えれば、不滅の意識のつながり。

私はハルニナであって、ハルニナではない。

私の本當の名はさすがにここでは言わないわ。

忘れたし。

私の心はハルニナだけのものじゃない。

ハルニナは、私であって、別の

そのに、私の心は住み著いた。

ミリッサ。

あなたの名前も、ここでは言わない。

今まで通り、ミリッサ先生と呼びます。

待っているのよ。

あなたを。

強く。

とても強く。

理由があるのよ。

カニが勢力をばしていて。

ルアリアンは押され気味。

戦いが始まっているのよ。

あなたの力が必要。

私を助けて。

お願い。

助けて。

私たちを。

ミリッサは、PHもカニもルアリアンも、マニフェストとは、も全く理解できないでいた。

しかし、ここではこれ以上話せないと、ハルニナは言う。

じゃ、どこでなら。

と思ってしまったミリッサは自分に驚いた。

知りたいのか、と自問もしてみた。

はっきりしない。

知ってどうする。

興味があるのか。

このみょうちきりんな話を、ハルニナを、信じているのか。

噓を、出まかせを、あるいは……。

ハルニナは……。

ちがう。

ハルニナは正気だ。

その証拠……。

そうだ。

四年前の、あの下校時のこと。神社での話。

あれから続いているのだ。

ハルニナの中で、この話は。

ふと思った。

最近のハルニナの変化。

溌溂として笑ってばかりいたハルニナはどこに行った。

何が、この娘を変えたのか。

ハルニナじゃない誰かに心を乗っ取られたから?

いや、違う。

四年前から、その狀態が続いているのなら。

戦い?

戦いが不利だから?

それとも、別の理由が?

俺に関係した何かが?

いったい、俺がなんだというのか。

助けて?

マニフェスト?

俺の力が必要?

まさか。

まさかな。

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