《パドックの下はパクチーがいっぱい/子大の競馬サークルの先輩が殺された?著ぐるみの中で?先生、どうする? 競馬ファン必見、妖怪ファン必見のライト・ラブリー・ミステリー》45 喋る喋る。よほど腹が立ってるみたい
一時間以上も待たされた挙句、ようやく落ち合ったハルニナは、幾分冷めた目をしていた。
「いろいろ聞き出せた。あの二人、パートの職員。ノーウェのこともよく知ってた」
大川沿いにある北浜に近いカフェテリア。
川面に突き出たテラス席に座を取ったハルニナの髪を川面を渡る風が揺らしている。
対岸の中の島を歩くカップルたち。
夕焼けがハルニナの髪を、まつをきれいなに染めていた。
「ビールにするか」
「いいですね!」
自分のことを聞き出すのは後だ。
きっと長くなる。
まずはノーウェの調査のこと。
「で、そのパートさん、どう言ってた? こっちの方は、あのツータックめ、なにも得るものはなし」
「でしょうね。あの二人、面白いよ。最初は胡散臭がられたけど、代わる代わる、喋る喋る。よほど腹が立ってるみたい。まずは、ツータックのことから聞いたのよ」
ツータック。
四十一歳獨。
會社では課長ということになっているが、決してできる男ではない。むしろ、実際は主任クラスがせいぜい。課長の肩書は何かの間違いに違いない。
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自分に何の力も能力もないことを知っているのか、進んでは何の仕事もしようとしない。すべて部下に押し付けて、自分は監督しているつもり。
方針を示すわけでもなく、解決案を示すわけでもなく、作業の目標さえ明確にしない。どうせ、すべてのことにおいて自信ってものがないんだろ。
そのくせ、偉そうに振舞うのは、いよいよ自分に自信がないから。
必死なのよ。部下に白い目で見られることのないように、上司に叱責されることがないように。
ああいう男には引っかかりたくないよね。
部署、変わりたいな。
だめだめ、どうせ、どこに移っても一緒一緒。ここは、腐った組織。
「てなじ」
「まあ、わかる気がする」
「そうそう。付であいつの名前を出したとき、付の、びっくりした顔してたね。あんな男に客が? それも大學の先生が? という顔」
「そうだったか」
「ミリッサ、観察力鍛えてね。特に相手の時は。きれいな人だなってことしか見てなかったでしょ」
「そこ、突くか?」
「子大で教えてるから、自己抑制を利かせてる。でもそのせいで、見えてないことも多いでしょ」
「なんの話だ」
「だからあ、この間の私の」
「ちょい待ち。その話は後でゆっくりしよう。俺も聞きたいこと、話したいことがたんまりある。でも、先にさっきの話を片付けよう」
「だよね。了解」
二人のパート職員は、さほど問われるまでもなく、ノーウェの話を織りぜてくれる。
いつの間にか、ツータックはあいつ呼ばわりだ。
嫌われたものだ。
あいつはさあ、エグゼクティブコネ組。
エグゼクティブコネ組の中で最低階級よね。四十回ってまだ、ただの課長。
エグゼクティブコネ組って?
財団だけで通用する隠語かな。
経済界、界、政界の超お偉いさんの息子や娘を財団が、まあいわば、買い漁ってるのよ。
大學二年になる前には、そういう人には手をばしていて、四年生になるときには確保、ってじ。ま、本人が希する希しないにかかわらずね。
上層部は役人の天下りが占めているし、新生も半分以上がコネ社。出世スピードも全然違う。そりゃ、組織も腐るよね。
ツータック?
あいつは、あ、いや、さすがにやめとこう。
別にじゃないけど。
やっぱり言ってしまおうか。
日本國民なら知らない人はいない、超大所歌手の一人息子。
出大學は、、、忘れた。
それでね。
あいつ、能力もないのに、ただのでくの坊のくせに、ノーウェに惚れてたんだよ。
ちょっと目を使われて、もう、メロメロ。
けない。
あんなの本気じゃないことくらい、わからないかな。
それに、曲がりなりにも上司だよ。
部下にしちゃいけない法律はないけど、組織の長たるもの、その辺はきちんとけじめをつけてくれなきゃね。
士気の低下は誰のせい? あいつのせいだよ。
ここでやっと、ハルニナはまともなことを聞いた。
「それって、いわゆる不倫ってことですか?」
もちろん、ハルニナが結婚してからのことであるという前提でだ。
それにも、二人はすらすらと答えてくれた。
ノーウェが結婚した時、あいつは披宴に招待されなかった。
直屬の上司なのに。
あれほど心を寄せていたのに、あるいは相思相だと信じさせられていたのに。
だから、不倫ってことにはならないわね。
単に振られただけ。
そうそう、あんた、あいつと二人で飲みに行ったことあるでしょ。
ひどいこと言うね。あれは三人で行くはずのところを、あんたがドタキャンしたからでしょ。
へへ、そうだった? いいじゃない、その時のことをこの人に話してあげたら?
そうねえ。
ビール一杯で酔ってしまい、おいしいワインどころじゃなくなったツータックはこう言ったという。
ノーウェの野郎、いつか痛い目にあわせてやるからな。
だよね。
部下のの子を食事にっておいて、別の部下のの子のことを、悪しざまに、普通、言う?
つくづく嫌な男。
というよりとことんけない男。
ハルニナはもう十分だと、財団のことを聞いた。
このたちを冷靜モードに戻さなければ。
しかし、たちの怒りを増幅させてしまう結果になった。
【書籍化・コミカライズ】誰にも愛されなかった醜穢令嬢が幸せになるまで〜嫁ぎ先は暴虐公爵と聞いていたのですが、実は優しく誠実なお方で気がつくと溺愛されていました〜【二章完】
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