《パドックの下はパクチーがいっぱい/子大の競馬サークルの先輩が殺された?著ぐるみの中で?先生、どうする? 競馬ファン必見、妖怪ファン必見のライト・ラブリー・ミステリー》51 でも、この雨だから、梅田でお茶しない?
それからのランは、今日の紅焔山行きが中止になったことや、演習が簡単すぎるとか、授業の話ばかりで、なかなか本題にろうとしない。
きっと、絶対に誰にも聞かれたくない話なのだ。
阪急の駅を過ぎても、雑談モードは変わらない。
「JRで帰るのか?」
それは知っていた。
ランはJRで通學している。家は、西宮駅の近く。
「うん。でも、この雨だから、梅田でお茶しない?」
と、辻褄の合わないい。
まあ、いい。
大事な話、それはそこで聞かされるという意味だろう。
先日來、己の掟としている、學生とは二人きりではいかなる店にもらない、は消えかけている。
「西宮で降りてもいいぞ」
「わっ、知ってたんだ」
「家は知らん」
「でも、西宮だって覚えてくれてたんだ」
「で、どうする?」
「でもやっぱり、梅田で」
「そうか。でも、俺は尼崎で乗り換え」
「お願い!」と、ランが傘を持ち上げた。
大きな瞳がまっすぐ見つめてくる。
目の下の二つのほくろ。
ミリッサは、なぜかどぎまぎした。
こんな顔でランに見つめられるのは初めてかもしれない。
典型的な形かというとそうではない。
小顔で丸顔だが、造作が大きめで、どこかアンバランス。
でも、魅力的。
「そんじゃ、そうするか」
ノーウェの死を事件化してから、妙なことが立て続けに起きる。
慣れたわけではないが、いちいち気にしていても始まらない。
「よかった!」
「で、そこで大事な話、なんだな?」
「そう! ミリッサに會いたがっている人がいて」
「ん? 俺に?」
「今は緒」
いよいよ雨足が激しくなり、歩道に跳ねる水しぶきが音を立てている。
二人は黙って、足を水に落とさぬよう、下を見ながら歩いた。
JR大阪駅のコンビニで、ランが買いをする間、ミリッサは思った。
フウカのこと。
ハルニナのこと。
メイメイのこと。
アデリーナのこと。
そして、ランのこと。
いったい、彼たちは何をしようとしているのだろう。
何を伝えようとしているのだろう。
何もかもが中途半端であいまい。
ノーウェのことに関連して?
ノーウェのことを調べようとしたことが発端で?
いずれも自分に関係しているようだが、それがなにかわからない。
ノーウェの死と自分になにか関係があるのか?
自分が全く気付かぬうちに?
考え過ぎだろうか。
いや、そんなことはない。
現に、自分は殺されかけた、という。
競馬場地下のコアYDで起きたこと。ハルニナとの會話の數々。
神社でメイメイが言いたかったこと。
そして今日、今から、聞かされること。
ランは、自分も話したいことがあるんだけど、むしろ、ほかの人がミリッサに會いたいと言っているのだといった。
今から會いに行くその相手が誰なのか、ランはまだ話してくれていない。
ただ、なぜ今日なのかと問うと、授業で裏山に行く日だったから。
歩きやすい服裝でしょ、というのみだった。
かなり歩くという。
いったい、どこまで行くのか。
そんなに遠いなら、電車か地下鉄で、タクシー代かかってもいいぞ、とも言ったが、ランは一言。
そんなところじゃないって。
ミリッサは斷ることもできた。
普通は斷るところだ。
しかし、奇妙な意気込みが自分にあることをじていた。
こうなれば、行き著くところまで行って、自分のに何が起きようとしているのか、あるいはもう起き始めているのか、見極めてやろうという気になっていた。
そしてそれがノーウェの死の真相に結び付くことなら。
今から會う相手が、今教えている學生であろうが、教えていた卒業生であろうが。
それが元で、大學に居づらくなろうと構わないではないか。
紹介してくれたヨウドウには申し訳ないが、今のこの狀況をなかったことにしておく気にはなれなかった。
ハルニナも言ったではないか。
やめれば、やはり所詮は學生のやること、って思われるでしょ。
フウカも言ったではないか。
學生だからこそ、競馬サークルだからこそ、やり遂げなくては。
學生たちがそう言っているのに、自分だけが風雨から逃れ、靜かな澄んだ湖のロッジでロッキングチェアを揺らしているわけにはいかないではないか。
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