《パドックの下はパクチーがいっぱい/子大の競馬サークルの先輩が殺された?著ぐるみの中で?先生、どうする? 競馬ファン必見、妖怪ファン必見のライト・ラブリー・ミステリー》59 いったん小休止と參ろう
む。
滝音が。
先ほどよりし周囲が明るくなっているようにじる。
なくとも暗闇ではない。
このままさらに明るくなってくれれば。
ますます好都合。
しかし、雨が降っている。
蛇は追っては來ない。
もう、いいだろう。
逃げおおせた。ということにしておこう。
かといって、引き返すつもりは頭ない。
ランのことが頭をかすめるが、もうどうしようもない。
足をらせながら、ミリッサは再び谷筋に降りていった。
山で道に迷ったとき、谷に降りるな、とは知っている。
しかし、けもの道は谷に向かっている。
降りたところで、獣たちが水を飲みに行くための道なのかもしれない。
水辺で行き止まりかもしれない。
となれば、引き返せばよいだけのこと。
その先、どうするかはまた別の問題。
今は下りてみるしかない。
下るにつれて滝音が大きくなってきた。
街の燈は見えなくなった。
希はあるが、不安もある。
しかも、もうへとへと。
雨に濡れて力も消耗している。
思考さえ、ままならない。
なんでこんなことに。
という思いだけが繰り返し沸き起こる。
ちくしょ。
また、足をらし、もちをついた。
掌が切れた。
ちくしょう!
傷は深い。
蜘蛛の巣が顔に覆いかぶさる。
灌木の藪を通り抜けるのに手間取って、息が切れる。
くそ!
木の枝で顔を打った。
額が切れた。
が流れる。
目にる。
くそ、くそ!
しかし、ようやく滝つぼが見えるところにまで來た。
あとしで沢に到達する。
しづつ明るくなっていくことだけが、心の支えだった。
獣たちの水飲み場だったら、また、この斜面を登ることになる。
そう思うと絶的な気分になる。
とうとう滝つぼに降り立った。
さほど大きな滝ではない。
雨とはいえ、増水もしていないようで、水も濁ってはいない。
手と顔を洗った。
鮮が水に溶けてゆく。
傷口をりすぎて、またが流れた。
掌で沢の水をすくった。
たちまちが混じる。
急いで飲む干す。
一口、二口、三口。
「おのおのがた、いったん小休止と參ろう」
あえてふざけた調子で言って、この狀況を笑える心境に持っていこうとした。
手近な石に腰を落ち著けた。
一応、後ろを振り返る。
蛇は來ない。
あたりを見回した。
木々の様子からすれば、高山ということでもなさそうだ。
先ほど見た街の明かりの多さからすれば、とんでもない山奧でもない。
なくとも大峰山中でもなければ青木ヶ原でもない。
あとは何とかして街まで降りるのみ。
ここは日本だ。外國であってたまるか。
頼む、雨よ、やんでくれ。
滝つぼの向こう側に小さな巖があることに気づいた。
ふうむ。
首を振った。
あの中で雨宿り……。
まさかな。
ここで朝まで待つか。
いや、雨に濡れたままでは力が持たない。
行を起こすべきだ。
ミリッサは太ももをパシリと叩き、気持ちをい立たせて立ち上がった。
いてててっ。
中が痛い。
さあ、どうする。
下山する。
これしなかい。
道らしきものがないかどうか、探して回った。
先ほどのけもの道は滝つぼのところで消えていた。
道がなければ、このまま無理やりにでも沢沿いに下る。
そう決めた。
沢はそれほど水量も多くなく、狹く急峻というわけでもない。
通れなくなれば、斜面を登るしかないが、それができないほど険しくはないように見えた。
ミリッサは、沢の右岸を慎重に下り始めた。
足を濡らしながら歩くより、し上の斜面を行った方が都合がよさそうだ。
草や枯れ枝や石ころを踏みながら、沢から離れないように、転んだりしないように慎重に斜面を進んだ。
と、いくらも行かないうちに、やれうれしや、踏み跡があった。
道だ!
よし!
この道を行けば、必ずやあの街に。
前を見た。
ん?
んん?
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