《ネコと和解せよ〜ネコとカフェ店長の謎めく日常〜》3話 貓がいなくなった
杏奈のカフェは10時から開店だった。
モーニング営業もしても良いのだが、常連客の老人はたいてい10時過ぎからしかこないし、昭和レトロカフェが好きな若いも土日の晝間からやってくる事が多い為、そうしていた。
カフェ店はこじんまとしていた。カウンター席が6つ、四人掛けテーブルが2つあるだけだ。
両親が経営していた頃は、もっとテーブルす數はおおかったが、杏奈一人で経営する事を考えると、これぐらいの規模が限界だった。
ちょうど廚房で焼いていたパウンドケーキが焼き上がり冷ました後、カウンター席のそばにあるガラスケースにれた。
両親からけ継いだレシピで創ったパウンドケーキはこの店の看板メニューだった。
本當は豪華でチャラチャラしたレインボーケーキやマカロンでも創った方が良いのかもしれないが、杏奈はパティシエでもない。オシャレなメニューは今のところ一つもない。まあ、これからく客に飽きられない事を考えると、もうし工夫をしれも良いと考えていたが。
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焼きたてのパウンドケーキの香りを吸い込んだ。今日の出來も悪くないはずだ。
その後テーブルを拭き直し、黒い黒板狀の看板を出したら、カフェがオープン準備は完了だ。ちなみにアルコール消毒やアクリル板は置いていない。
謀論に同意するわけではないが、過剰な対策はさらにコロナ渦が長引く気がした。それにコロナが怖いと思っている人をターゲットにしても、今の所利益はそう増えないと考えた。
コロナなんて怖くない派やコロナなんて茶番派をターゲットにした方が、利益に繋がると電卓を叩いた。確かにコロナ脳から嫌がらせはあるが、別に売り上げは減ったわけでもなく、むしろ安定的収は得られていた。
さっそく常連客の絵と鳩子がやってきた。二人とも元々母の友達だった未亡人だ。
60過ぎだがペチャクチャと噂話する姿は、どう見てもエネルギッシュだ。杏奈の母はあちこちの不調が出てきているが、この二人に限っては、一年中健康的だった。この店でケーキやお茶を楽しむのは日常の楽しみのようで、ありがたい限りだが。
絵は髪のを紫に染め、鳩子はグレーヘアだった。髪のだけ見るとおばあちゃんだが、ガツガツとケーキを楽しみ、キャッキャと噂話している姿は、どことなく子高生みたいだなと杏奈は思う。この二人を見ているとちっくにコロナ以前に戻ったようで安心する。
「絵さん、鳩子さん。メロンソーダとパウンドケーキですよ」
杏奈は、二人のテーブルに注文したものを置いていく。
「ちょと、聞いてよ。杏奈ちゃん」
絵にエプロンを引っ張られ、杏奈のこの二人の噂話に參加することになった。
今のところ他に客もきていないので、仕方がない。おばちゃんたちの井戸端會議に耳を傾ける。
「実は、家で飼っている三貓がいなくなっちゃったのよ」
鳩子はグレーヘアを震わせ、心底困ったような表を見せた。
「かわいそう、鳩子ちゃん! あんなに可がっていたのに」
絵も似たような表を見せつた。
「三貓はいついなくなったんです?」
同じ貓を飼っているもの同士、杏奈の気になる話題だった。
詳しく聞くことにした。三貓の名前はミケ子といい、先日ちょっと目を離してすきに居なくなってしまったという。一応警察にも行ってみたが、今のところ手ごたえなし。
「本當に警察って最低。全然親になってくれない」
鳩子はパウンドケーキにかぶりつきながら、ぶつぶつと文句を言う。
「確かこの町の警察ってカルト信者が多いって言う噂よ」
絵は聲を落として言う。耳年増の絵は、カルト信者が起こした犯罪は警察がもみ消しているという噂を披した。
「確かに警察がカルト信者って最低ですね」
真意はともかく杏奈も頷く。
「そうよ。一般市民の人権はどうなの?ってじ」
意外と絵は正義が強いらしい。
「ところでSNSでミケ子の事は発信しましたか?ネットだったら誰か知っているかもしれませんよ」
杏奈はミャーの飼い主を探すために、SNSのアカウントを一つ作っていた。貓がいなくなった飼い主が作った報などを拡散していた。SNSは意外と拡散力があり、これがきっかけでペットが見つかった人もいるらしい。時々待している人の報も流れてくる事は、あまり良い気分はしないが。
いくら元気でも60過ぎの絵も鳩子もSNSはやっていないらしい。
杏奈は、お節介だと思いつつミケ子の報を打ち込み、SNSで投稿した。ミケ子の畫像は鳩子もスマートフォンに保存していたので助かった。レインボーの首が特徴的なので、すぐに見つかれば良いのだが。
「こんなで見つかる?」
二人とも半信半疑だったが、杏奈は苦笑して頷く。
「まあ、何もやらないよりはマシですよ」
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