《ネコと和解せよ〜ネコとカフェ店長の謎めく日常〜》21話 真夜中の作戦會議
ミャーはソファでリラックスして寢そべっていた。し眠そうだ。
一方藤也と杏奈は犯人がわかった嬉しさに気持ちが昂っているのは確かだった。
『ちょっとあんたたち、テンション高いわよ?とりあえずお茶でも飲んだら?』
ミャーの言う事ももっともなので、杏奈はキッチンにいき、お湯をわかした。
「お茶はどこにいあるのー?」
「ポットのあるところの棚だよ。適當にお茶持ってきてくれ」
杏奈はお湯をわかしている間、お茶を探す。
意外な事に「子力高!」なオーガニックガーブティーや無農薬日本産の紅茶やルイボスティーが詰まっていた。
これは藤也の趣味か?
首を傾けつつも、夜という事でカモミールティーを選んでれた。カモミールティーは、ハーブティーの一つだが、 リラックス作用があり夜飲むと良いと言われている。すっきりと爽やかな林檎のような香りがいい。杏奈も時々飲んでいた。ちなみにカモミールの香りは貓にとっても安全だ。柑橘系は貓には良くない香りときき、杏奈は家では柑橘系にものは排除していた。
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「おぉ、ありがとう。本當杏奈は子力高いな」
藤也はカップにったカモミールティーをけ取ると、何故かにがりの原をれて飲んでいた。
「なにそれ、にがりなんてれて味しいの?」
『初めて聞くわよ、そんな飲み方』
ミャーもかなり驚いていた。
「にがりは健康にいいからな。よく飲みに混ぜているんだよ。杏奈もれるか?」
「不味そう」
「いや、不味いがにがりを原で飲むと便に効くぞ。まあ、大量にれたら死ぬからダメだが」
「にがりで死ぬの?」
「大量に飲んだら死ぬね」
そんなどうでも良い健康報を藤也は披していた。
世の中の大企業が流通している商品は、コスパ重視で健康に悪いものも多いが、良心的な小さな企業が売るオーガニックハーブティーや無農薬の紅茶やルイボスティーは健康に良いのだそう。
「俺は謀論者らしく、健康には良いもの食うぜ」
「ふーん」
杏奈はし冷めかけてきたが、道理で「子力高!」なお茶をいっぱい持っていたわけか。
『まあ、お茶の話題はいいじゃない。これからどうするの? 事件の事を話しましょうよ』
ミャーがそう提案し、ソファでお茶を飲みながら今後の事を話し合った。
藤也はにがりりのカモミールティーを不味いと言い放っていたが、確かに年齢の割には藤也はが綺麗だ。髪のも艶があり、ハゲてもいない。白髪もない。そう思うと、謀論好きは意外と子力が高いのか?杏奈はちょっと悔しい気持ちにもなった。
「嫌がらせの犯人は坂口っていうで、銃価の信者であってる?」
杏奈は一応ポケットからメモを取り出して確認する。
藤也もミャーも杏奈の言葉に頷く。
「坂口がミケ子殺しのと何か関わってるのかしら」
「それはわからないが、銃価會員とミケ子を殺した可能は高いよ」
『全くその通りよ。この件はやっぱりカルトよ!』
ミャーは、坂口の家にってあった銃価のポスターを思い出して、ぶつぶつと文句を言っていた。政治と宗教を分けるべきだと可い見た目に反したお堅い事を呟く。
「銃価の信者がわかったのは良いけど、これからどうする、杏奈」
「そうねぇ。警察に嫌がらせの件は言わない方がいい?」
「まあ、それは後ででいい。まず、坂口を探ってみようぜ。何かわかるかもしれん」
『探るってどうやって?』
愚癡をこぼし終えたミャーは、し眠そうだった。確かにもう深夜と言っていい時間だった。
「ミャー、それは君が探るのが一番だ。とりあえず、明日坂口の家を探ってしい」
『えー、やっぱり怖くなってきたわ』
「そうよ、カルト信者の家だなんて」
杏奈は心底嫌そうに眉を寄せた。
「そんな差別するなよ。末端の信者は被害者みたいなもんだぞ。うちの教會にも元カルトの人もくるが、純粋に社會をよくしようとしている人も多いんだ。むしろ、純粋だから騙されたと言っていい」
そんな事を藤也から聞いてしまうと、ちょっと自分の言が恥ずかしくなってくる。たしかに純粋な気持ちを持った人の方が騙されやすいのは理解できた。もし自分が宗教に勧されても「一円の得にならんだろう」と損得勘定してしまうはずだ。全く純粋ではない杏奈は、それは理解できる。
『そうねぇ。悪いのは上の方で甘い吸ってるやつね』
「ただ、家族や周りの人が忠告していてもカルトにハマっていたら、それはそれで問題ある。悪いのは上の方だが、結局カルトに騙されるのも心のにがあるからだ。楽して誰かに寄り掛かりたいっていう依存とかだな。聖書でも罪を犯すのは、がしてされるからだと書いてある」
杏奈が藤也の言い分を聞きながらカモミールティーをすする。
聖書には悪魔からに合うのは心の中のが引き寄せるといった箇所があるらしい。藤也とミャーに説明された。
「だから、杏奈も金持ちになりたいとかモテモテになりたいとか思わない方がいいぞ。今あるもので満足して慎ましく生きろ」
「けっこう言うわね」
いつになくハッキリとものを言う藤也に杏奈は面食らう。こうしてみるとオカルトや謀論好きの痛い男には見えない。普通にしっかりした年相応の男に見えた。まあ、おそらく聖書からパクってそう言ってるんだろうけど。
『わかったわ。明日坂口の家に探りに行ってみる』
藤也の言葉のミャーも何か心をかされたのかもしれない。明日、ミャーが坂口の家に探りに行く事は決定した。
「いいのか、ミャー」
「本當に良いの?」
『うん。もしかしたら貓がまた被害に遭うかもしれないし、行くわ』
「さすが、ミャーだ!」
笑顔で藤也はミャーに頬りしていた。よっぽど嬉しいらしい。
『くすぐったいわ、藤也』
「ミャー、お前は本當に素晴らしい貓だ!」
貓と戯れている藤也は心底楽しそうだった。この人も純粋なのかもしれない。一方自分は、さっき藤也に言われたようなは人並みに持っている。損得勘定するのも好きだ。
彼らといると、自分が純粋な存在ではない事を杏奈はじていた。
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