《ネコと和解せよ〜ネコとカフェ店長の謎めく日常〜》23話 スピリチュアルは危険

藤也はこの店ではで出にしていた。この店を継いだとき、藤也がやってきてチクチク嫌味を言われた事を思い出す。

まあ、今は事件の事もあるし、意外と藤也の格もまともだと言う事がわかったので、とりあえず藤也を店にれた。嫌味ぐらいで出にしたのはやり過ぎだったかもしれないが。

「実はミャーの事を考えると心配でいてもたってもいられず……」

「座ったら?」

意外と藤也は心配癥なのかもしれない。杏奈は、カウンター席に座った藤也に水を出した。

長谷川は、藤也がきてちょと恥ずかしくなったのか涙を止めていた。

「恥ずかしいわ。杏奈さんは悪くないのよ」

長谷川は隣に座った藤也に事を説明していた。

「そうだったんですか。ナァちゃん居なくなって心配ですね」

意外な事に藤也長谷川に話をよく聞いていた。てっきり否定的な事を言ったり、余計なアドバイスをすると思っていたが。そういえば藤也は牧師だった。信徒の悩みを聞くのも仕事の一つだろう。

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「杏奈、メロンソーダくれよ」

「なんか偉そうね。メロンソーダ は添加りだけど、それはいいの?」

「あ、すっかり忘れてたわ。じゃあ、添加抜きにメロンソーダくれ」

「そんなものは無いわよ。水でも飲んでなさい」

杏奈と藤也の歯に著せな會話に長谷川はなぜか笑っていた。

「意外。杏奈さんって結構毒舌なのね」

「そうなだよ、この人は見かけは子っぽいけど中は男だぜ」

「もう、そんな事はどうでもいいじゃない」

長谷川は杏奈と藤也と會話して気が紛れてきたのか、いなくなった貓・ナァの事もポツポツと離し始めた。

長谷川家は夫の不倫のため、家庭崩壊が起きているらしかった。そんな中、可い貓のナァを世話し、可がる事は長谷川にとって唯一の癒しだった。寫真や畫をSNSにのせ、貓の飼い主同士と仲良くなった事も幸せだったという。

「しばらくは本當に幸せだったんです。でもナァがいなくなって……」

再び長谷川は鼻をグズグズと啜る。カフェに中が重い空気が出てきた。

「だから貓神社いったり、引き寄せの法則っていうんですか? ああいったスピリチュアルに頼ろうかと思うんです! ナァが見つかるなら何でもしますよ!」

「え? どういう事?」

杏奈が問いには答えず、長谷川はパワースポットや引き寄せの法則の本をカバンから出して見せた。

カウンター席のテーブルに上に置かれたパワースポットや引き寄せの法則の本は、一見可らしい。もピンクやオレンジでカラフルなデザインで、ポップなイラストも載っている。なら「可い!」と言いそうな雰囲気な本だった。

藤也の表が曇ったのは、杏奈は見逃さなかった。そういえば昨日、スピリチュアルも聖書でいう罪の一つだと言っていた事を思い出す。

「もう他に方法がないんです。イメージングやパワースポット行くだけで願いが葉うんですよね?それぐらいだったらナァの為ならやりますよ」

思わず杏奈と藤也は顔を見合わせた。藤也はちても言いにくそうだったが、口を開く。

「長谷川さん。こういうのはやめた方がいい」

「え!? なんて事言うんですか!」

否定された長谷川は再び泣きそうな顔を見せた。

「気持ちはわかる。うちの教會にも元スピリチャアル好きも來てるからわかるんだ。こういうのは罪で呪われる。人生がめちゃくちゃになる。お願いだからやめてくれ」

藤也は頭を下げた。こんな下手に出ている藤也は初めててみた。必死に溺れている人を助けているようにも見え、意外だった。

「は? 罪? これが罪なの? 意味がわからない……」

杏奈も長谷川の気持ちはよくわかる。こんな可い表紙の本がキリスト教でいう罪だとは全く想像がつかない。

「そう、牧師さんの宗教って不寛容ね。私がこんなに苦しんでいるのに」

「長谷川さん、そんな事は言わないで。でも、スピリチュアルは、あんまりやらない方がいいわよ。私の友達はこういうのにハマって、自己破産とかしてるから」

杏奈は縁切りしたスピリチャル好きの友達の事を思い出す。確かに最初は楽しそうだったが、だんだん「スピリチャルを極める!」とハマっていき、お金もつきてしまった。杏奈も何度も忠告したが「杏奈は波が低い」と言われて縁を切られた。かなり昔の事なので、あの友達は今どうしているかわからないが、幸せそうには全く見えない。

「こんな話は信じてくれないと思うが、聖書で言われている罪を犯すと悪霊がってくるんだ。悪霊も不思議な事ができるから、最初は金持ちになったりするんだ。でも所詮は悪霊。気が狂ったり、病気になったり、メンタルが不調になったり、10年20年と長年呪われる。こんな本を買ってから余計にメンタル不安定になってないですか? 綺麗な見た目だけど、とっても危険なんだ」

長谷川は藤也の話を納得がしていなかったが、必死に説得する藤也には何かじ取ったらしかった。藤也の目はし涙が浮かんでいた。それだけ必死なのは杏奈にも伝わってきた。

「そうね。スピリチャルはやっぱりちょっと胡散臭いかもね」

「そうよ、長谷川さん。とりあえずこの本は私たちが預かっていい?」

意外と素直に長谷川は、杏奈のパワースポットや引き寄せの法則の本を渡した。

「でも他にどうやってナァを取り戻せばいいの?どうすればいい?」

困っている様子の長谷川を見ると、さすがの杏奈もが痛い。

スピリチャルが罪かどうかは杏奈にはわからないが、本當だとしたら迷い貓どころか子供の行方不明事件や殺人事件もさっさと解決できるだろう。警察とスピチュアルの人が協力して事件を解決したという話は聞いた事がないので、やっぱりああいったものは胡散臭いと考えて良いだろう。

「だったら私たちがナァを探し出そう!」

「ちょっと、藤也。そんな事を斷言しちゃって大丈夫なの?」

「大丈夫だ。必ずナァも貓も探す!」

斷言する藤也に長谷川も安心していた。藤也の教會の連絡先も教えてもらい、最後には笑顔でカフェを後にしていた。

「ちょ、本當にそんな大きな事言って大丈夫なの? ナァちゃん見つけられる証拠は今のところある?」

冷靜な杏奈は、長谷川が帰ってから藤也に突っ込んだ。

「まあ、大丈夫だろ」

「本當にー?」

杏奈はじとっとした細い目を作って藤也を見るが、本人はいたって楽天的だった。

「大丈夫、大丈夫! 俺には神様がついているからな!」

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