《ネコと和解せよ〜ネコとカフェ店長の謎めく日常〜》25話 ミャーの調査結果
結局藤也は閉店まで店に居座り、パソコンで仕事していた。
場所代をとろうかとも思ったが、このカフェをSNSで謀論者に宣伝してくれたから大目にみよう。謀論者好みのヘルシーで無添加なメニューを開発しても良いかもしれないと考える。
そんな事を考えながら、閉店準備をして藤也と一緒に教會に向かった。
途中で犬のゴローを散歩させている糸原さんに會った。
「杏奈ちゃん、ついに彼氏ができたんかい?」
妙な誤解をけた。
「いえいえ。こんな中が男らしいは俺の手におえません」
「ちょっと、藤也どういう事?」
「あはは、仲良いんだ」
糸原さんは誤解したままだったが、いちいつ訂正するのは面倒になってきた。
「ところで、ゴローちゃん様子はどう?」
杏奈はゴローをちらりとみる。遠目には揚げみたいに見える綺麗な並みの柴犬だが、またしても杏奈の顔をみるとプイっと顔をふせる。しかし、なぜか藤也には懐いていた。藤也の足元にすりすりと纏わりついている。
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「ゴローは牧師さんが好きなんかねぇ」
糸原さんは首を傾げる。
「そういえば俺、けっこうに懐かれやすいんだけど」
「まあ、牧師さんは人がいいから。今度教會に行ってみようかね。昔私も教會でボランティアみたいなこともしたことあるんだよ」
糸原さんはそう言ってゴローを連れて家の方に帰っていった。ゴローは寂しそうな聲をあげて、杏奈も藤也もキュンとしてしまった。やっぱりは可い。
一方で悪魔崇拝儀式(?)で貓を殺すものがこの町にいるなんて信じられないと杏奈はじた。
「ミャーは大丈夫かしら」
「だと良いんだけどなぁ」
そんな事をいいつつ、教會の禮拝堂に向かう。禮拝堂の方は基本的に鍵をかけていないらしく、ドアも半開きだった。
「ねえ、鍵つけないで大丈夫なの?」
「大丈夫だろう。金目のもんないし」
「だからって……」
日本は全的に治安は良い方だが、全く犯罪がないわけでもなく、つい最近ミケ子が殺されたわけなのだが。
「教會に泥棒なんて、神様が怖くて普通できないだろう」
「まあ、一理あるけど」
「昔、獻金箱を盜んだやつがいたけど、通事故にあって歩けなくなってたよ。別に通事故あう人が全員悪いと言うわけじゃないけど、その事についてはお察し案件だね」
「こわっ!」
「神社のお賽銭箱だって怖くて盜むやついないだろ。イエス様は優しいイメージだが、父なる神様がブチ切れたら本當に超怖いからね! っていうかイエス様も弟子には厳しかったよな〜」
そんな事を言いつつ、禮拝堂の隅にあるテーブルに向かう。
ミャーがテーブルの上に乗り、子供用の絵本をみていた。子供向けの聖書の事を書いた絵本のようだ。
『ちょっと、藤也も杏奈も遅いわよ』
ミャーはブーブー文句を言っていた。
「しかし腹減ったな」
「ちょっと店であれだけ食べてたじゃない」
「頭使ったから糖分切れたわ。謀論者は斷食する事が多いが、ケースバイケースだぜ」
という事で、出前をとる事になった。昨日は杏奈がピザを奢ったので、今日は藤也がそばの出前をとる事になった。
商店街にある蕎麥屋だが、コロナを怖がってしまい、今は出前しかやっていなかった。藤也は「コロナ脳の店の割には味しい」と失禮すぎる事を言っていたが、麺はツルツルっと舌りもよく、出も濃いめで味しかった。
「さあ、ミャー。今日の事を報告してくれる?坂口はどうだった?」
「ミャーどうだったか? 坂口にめられたりしたか?」
ミャーはテーブルの上で人間のようにため息をつく。
『意外と大丈夫だったわ。でも、あまり良い報でもないかもしれない』
ミャーはちょっと説明しにくそうだが、今日一日の事を順を追って説明してくれた。
朝、まず坂口の家の庭に行ったミャーは、異様な音にきづく。
坂口は、変な音楽をかけながらお経を唱えていた。もちろん銃価が教えるお経で、その教祖に祈るものだった。
『しかも超嫌なお経なのよ。相手の不幸を呪う祈りだったの。祈りっていうか呪文ね。坂口はどうやら夫に不倫されている見たい。娘も績悪くて不登校。夫と娘に不幸になれってお経を唱えていたわ』
「ぎょぇー、信じられん!銃価なんかに関わってると頭イカれているのかも」
藤也はわざとらしくをぷるぷると震わせていた。
「夫はともかく娘に不幸になれって酷いわね」
杏奈も顔をしかめて蕎麥つゆを啜る。
「の親なんてそんなもんだよ。天にいる父なる神様と違うからねぇ」
『そうよ、杏奈。無償のを注げるのは神様だけよ』
「ふーん。キリスト教は人を呪ったりするの?」
『馬鹿言うんじゃありませんよ!』
「杏奈、うちは世の中のご利益宗教とは違うんだよ。人を呪うなんてもってのほか。むしろ聖書では敵をせっていってる」
「それは納得できないのよねぇ」
杏奈でもキリスト教は敵をせって言っている事を思い出したが、そんな事が可能なのか全くわからない。普通は復讐したくなるものではないだろうか。
「まあ、罪を犯している同じクリスチャンがいたら指摘する事も必要だが、人間はどっか悪い存在なんだよ。それに俺が本當に正しかったら神様が代わりに復讐してくれるから良いんだよ」
「そんなもん?よくわからないわ」
『まあ、それはともかく、坂口についれ説明するわ』
話が線しかけたので、ミャーが引き続き坂口について説明する。
『坂口は洗濯ものを干しているとき、一階の窓が開いたの。だから、こっそり家にってみたの』
「おぉ、ミャー。そんな危険をおかしてくれたのかっ!」
何をしたのか疑問だが、藤也はミャーを頬りした。
『ちょ、くすぐったい! じゃなくて! 家にったら、とんでも無い事が起きていたのよ』
「とんでもない事って?」
「なんだ?」
杏奈も藤也も同時に質問する。
『貓がいたの。真っ白な貓』
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