《ネコと和解せよ〜ネコとカフェ店長の謎めく日常〜》27話 謎の子高生

今日はいつもより朝早くか目が覚めてしまった。

杏奈は、まだ薄暗い部屋の中で、ベッドから起きてスマートフォンでメールチェックした。ミャーはまだ寢ていていびきも聞こえる。こうして見るとオジサンくさい貓である。

SNSのアカウントをチェックすると、またDMが屆いていた。

「お願い。時間がない、貓を守って、どういう事……?」

DMにはそうあったが、さっぱり意味が分からない。嫌がらせだろうか?

一応返事を會書いて送ってみたが、ほとんど稼働していないアカウントで疑問が殘った。かといってずっと悩んでいるわけにもいかない。

いつものように朝の支度をすると、ミャーをキャリーバックにいれ、藤也の教會に向かった。

その途中の事だった。

住宅街の小道で子高生が一人でうずくまっていた。

なぜ子高生かとわかったといば、この町の地平高校の制服を著ていたからだ。

セーラー服姿と艶々の黒髪がよく似合う。ふと、以前もこの子高生が店に來ていた事を思い出した。

まだ通學の時間帯より早い。部活の朝練かとも思ったが、疼くまっている姿は見過ごせない。杏奈は聲をかけた。

「ちょっと、あなた。どうしたの?」

「あ、あの」

子高生は顔をあげると一目散に逃げた。

「え、どういう事?」

『杏奈、ここから出して!あの子高生怪しいわ、追いましょう』

ミャーの言う通りにした。杏奈はミャーを出して、あの子高生を追う事にした。

子高生は住宅街にり、逃げるように走る。明らかに怪しい。

ちょっと聲をかけただけで逃げるなんて。

ただ、鈍臭い子高生のようで足は早くない。ミャーも杏奈もすぐに追いついた。気づくと住宅街の空き地にいた。

土管があり、昭和アニメに出てくるような空き地だった。近くに銃価の會堂もあり、そのトレードマークの旗がはためいているのが見えた。

「ちょっと、あなた。なんで逃げるのよ」

「あ、それは……」

子高生はコミュ障っぽい。問い詰めるとしろどもどろだった。

『そうよ、あなた。正直に言いなさい!』

話すミャーをみて、子高生は目を丸くしていた。ただ、ちょっと目がキラッとしている。

「何この貓ちゃん!喋ってる!可い!」

子高生は興し、ミャーに抱きついた。

『なにこの子高生は、暑苦しいわ』

「可い!」

どうやら子高生は可いものに弱いようで、話す貓についても普通にれていた。中はキリスト教の天使と言っても「可いからオッケー!」と言っていた。この姿は、とてもコミュ障には見えない。むしろ、何でも「可い!」という普通の子高生だ。

「ところで、し話できる? あなた、ミケ子の事や銃価の事何か知ってるでしょ?」

しかし、このままずっと「可い!」と言い続けているわけにはいかない。

杏奈は頭を冷靜にしてそう言うと、子高生は大人しくなった。目も泳いでいる。

何か知っている可能が高い。

「ママの事はにしてくれる? だったらミャーにも貴方にも話すわ」

「ママ?」

「うん。私のママは銃価の信者なの……」

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