《キチかわいい猟奇的とダンジョンを攻略する日々》日比野天地 彼の地にて、斯く戦えり
ざんねん!!
わたしのぼうけんはこれでおわってしまった!!
脳裏に不吉な辭世の句が流れる。
目の前のコブラソルジャーが、大鎌を持った死神にしか見えない。
待て待て、こういう時こそ落ち著いて考えろ。
俺が今取るべき行……この死地から生還するための行を。
と言っても、ない知恵をどれだけ絞っても、選択肢は三つしか出てこない。
①強行突破、倒してゴールイン
②倒すとかマジ無理、何とかすり抜けてゴールイン
③安全第一、後ろを向いてダッシュ
……うん、考えれば考えるほど絶的だ。
まず、③は論外。
この辺りで、他にセーブクリスタルがある部屋はない。
マユと一緒に散々歩き回ったから確かだ。
ここ以外の最寄りとなると一時間はかかるが、そこへ著くまでに間違いなくジ・エンド。
となると、そこの蛇野郎をぶっ倒してからを張って凱旋するか、それとも気を逸らすなり隙を作るなりして穏便に通り抜けるか、という二択になる。
正直、どっちも厳しい。
コブラソルジャーは、俺が今まで出會った魔の中でも上位に位置する強さだ。
今までって言ってもたかだか一週間だが、それでも俺には太刀打ちできないことに変わりはない。
田辺さんも「ここらで出ることはまずないけど、もし遭遇してしまったら要注意」と言っていた。
コイツの脅威は、多彩な攻撃と戦いづらさにある。
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右手のハルバードから繰り出される強烈な斬撃だけでも厄介なのに、それに気を取られると、人間など丸飲みにできそうな大口が高速で飛んでくる。
さらには、視界の外からグネグネと変則的なきをする尾が、足に絡みつく瞬間を虎視眈々と狙っている。
つまり、三點からの攻撃を常に警戒する必要があるのだ。
それなら防面に付ける隙があるはずだと思ったら、そうは問屋が卸さない。
間合いの広いハルバードと長いリーチに阻まれて近づくことすらできないし、よしんば間合いにったところで、獨特のさばきと左手のバックラーによって巧みに攻撃を防がれてしまう。
攻守ともに優れた強敵だ。
ゴブリンとの戦闘経験すらろくにない俺には、荷が重いどころの騒ぎじゃない。
五回死んでも倒せそうにない。
殘る希は……。
「サユ……一応聞くんだけど、魔法なしでアイツを倒せたりする? もしかしなくても、お前のレベルなら朝飯前なんじゃねえか?」
「む……む、む、むり……っ! ま、魔法……が、ないと、あた、あたし……絶対、絶対ムリ……!」
「……そうか……。わりぃな、分かった」
そのレベルでビビリ過ぎじゃないか? とは、これっぽっちも思わない。
確かに、レベルが高いと強い、圧倒的なまでに。
サユだって、さっきまで魔法を駆使して魔をバンバン駆逐してたし、腕力や素早さにしたって俺より斷然上のはずだ。
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だが、ダンジョンではレベルが上がってもHPや防力は全く変わらないのだ。
仮に、コブラソルジャーの禍々しい武に貫かれたら……鋭い牙に噛み付かれたら……強靭な尾に締め付けられたら……。
サユは死ぬ。
レベル3の俺と同じように、あっけなく。
それだけ、ここでのレベルや強さってのは脆く、危ういものなのだ。
何より、サユは俺より年下の小さなの子だ、恐くないわけがない。
魔法を使って遠くから安全に倒す……普段は楽観的だが、それがサユにできる一杯なのだろう。
マユのように、無防備に無鉄砲に無計畫に突っ込んでいけるのが異常だ。
「サユ……俺ができるだけ引き付けるから、隙を見て通り抜けろ」
「そんな……! ダメだよ、てんちにぃじゃ死んじゃうよっ!」
「うっ……言ってくれるなー、おい。大丈夫だ、武だって持ってるし、無理はしねーよ」
「でも……でも……っ!」
「ここは俺に任せて先に行け! ……なんてな、ハハ、ハハハ……」
「全然笑えないよぉっ!」
強がって、カッコつけて、乾いた笑いを浮かべる俺。
そんな俺を心配そうに見つめるサユ。
我ながら何やってんだろうな、こんな自ら死に急ぐような真似して。
それでも、こうする他どうしようもねーだろ。
まさか、怯えるを戦わせて自分は隅っこで応援ってわけにはいくまい。
もう俺にできることは、々こうやって自分を無理矢理にでもい立たせることだけだ。
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俺は覚悟を決めて、鉈をコブラソルジャーに突きつける。
やってやる……やってやる……っていうか、やるしかねえ……。
「よおおし……こ、こいっ蛇野郎! お、俺がブツ切りにしてやるよ!」
「シュルシュル……シャアアアアアアッ!」
ひえええええええええぇぇぇ!
こ、こわーっっ!
俺の中の勇気ポイントを大量消費して挑発したところ、見事に俺をロックオンした……まではいいが、コブラソルジャーの威嚇音によって膝はガクガク震えて、足がまるで言うことを聞かない。
蛇に睨まれた蛙のように、がすくんでけない。
ダメだ……戦う以前の問題じゃねえか、くっそ……!
「て、てんちにぃ! やっぱり、あたしも……」
「ま……ったく問題ねえよ、ノープロブレム。どう料理してやろうか考えてただけだ。倒す前と倒した後の二つの意味でな。でも、コイツはそうだよな~、毒もありそうだしさぁ、ハハ、ハ……ハハ……」
「ど、どう見ても、だいじょーぶじゃないよぉー……」
ええい、ビビってんじゃねえ!
ビジョンだ、勝てるビジョンを思い描け。
そうだ……そうだ……振り返れば、この一週間でコイツとは三回も出くわしてるけど、いとも簡単にマユが瞬殺してムシャムシャ食ってたじゃねえか。
そりゃもう、ゴブリンやコボルトと何ら変わらず、あっさりと殺ってうまそうにムシャムシャと。
あの時のきだ……。
俺に同じきができるだなんて、おこがましいことは考えてない。
だが、マユになった気持ちで戦えばイケる気がする。
もう、何も恐くない……って気分になれる気がする。
自分がこの世で最強になったような、背中に羽が生えたように自由になったような、視界がぶわっと広がったような、そんな気がする。
所詮は小賢しい自己暗示に過ぎないが、今の俺にはこれ以上ない心強さだ。
「シャアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
「てんちにぃ!」
ひとしきり睨み終えたコブラソルジャーがるように近づき、命を狩りにくる。
俺は、一番の脅威である長大なハルバードの矛先に向かって、思いっきり鉈を叩きつけた。
耳の奧までつんざく金屬音とともに、両腕が元までビリビリと痺れる。
互いの武が衝撃に耐えかねて大きく弾かれた。
が、コブラソルジャーはすぐに武を構え直すと、俺より早く連続の突きを見舞ってきた。
刃渡り六十センチ足らずの鉈を両手持ちしている俺より、重量のあるハルバードを片手で扱うコブラソルジャーの方が、攻撃の速さも鋭さも一段上ってどういうこった。
レベル3になって調子に乗ってたが、まだ腕力では向こうに軍配が上がるようだ。
……つーか、俺が勝ってる項目が一つでもあったら誰か教えてください、マジお願いします。
「あ、足、足っ! 気をつけてっ!」
「!? う、ぉわあっ!」
絶え間なく繰り出される突きを何とか躱すことに集中していたら、いつの間にかコブラソルジャーの尾が俺の足元まで忍び寄っていた。
俺は慌てて後方へ飛び退いて回避する。
あ……っぶねぇぇぇぇぇ!
気をつけていたつもりだったが、言うは易し行うは難し。
てか、無理だろこれ。
っくそ、守りに専念してもジリ貧どころか壽命が秒単位で増えればの字じゃねえか。
こうなったら、イチかバチかの特攻を仕掛けるしかない……。
マユが倒した時の記憶を辿ると、コイツはかなりしぶとい奴で、手をぶった切ったりを真っ二つにしたりって程度じゃ死なず、怯むことなく攻撃してきた。
……首だ。
蛇の首がどっからどこまでなのか定かじゃないが、とにかく首を刎ねたら即死していたはずだ。
「シャアアアアアアアアアッッ!」
「う……おおおおおおおおおおおっ!!」
俺の首を寸分違わず狙いすまして大振りに薙ぎ払われたハルバードの先端をギリギリで掻い潛り、恐怖を吹き飛ばして一気に懐へとり込む。
こええええっっ!
けど……これは、殺った!
自分の勇気を賞賛しながら、思わず笑みをにじませて厚の刃をガラ空きの首へ――。
「んなっ……!?」
コブラソルジャーの首がありえない角度、ありえないスピードで直角に折れる。
渾の力を込めた一撃は空を切り、けるはずだった抵抗を失った鉈の勢いは止まらず、俺は振り回されるように勢を崩した。
瞬間、コブラソルジャーの目が、粘つく笑みを浮かべるように細く引きばされるのを見た。
やっっべえ!
気付いた時には、左足に太い尾が二重三重に巻きついていた。
すぐさま解こうと鉈を振り上げる。
しかし、コブラソルジャーが左手のバックラーで俺の右手を激しく打ち付けると、俺の唯一の武は回転しながら高々と舞い上がり、無にも手元から離れていった。
やばいやばいやばいやばいやばい!
と、とにかく尾を――。
頭が真っ白になって、素手で引き剝がそうとした、その時。
俺の足に激痛が走った。
ボキボキベキキバキッパキャ!
「ぐっ……あああああああああああああああああ!!」
骨が折れただなんて生易しいもんじゃない。
々に砕けた。
想像を絶する痛みに、俺はこれまでの人生で記憶にないくらいの絶を上げた。
中の覚が全て左足に集まったんじゃないかと錯覚する。
事実、手はかないし頭も働かない。
ただただ、燃えるような痛みだけが俺を支配した。
いっそ左足を切斷できたらどんなに楽だろうか。
苦しみで歪む視界の中央で、コブラソルジャーが口を大きく縦に開く。
鉤爪のような二本の牙が、小刻みに振する割れた舌が、糸を引く唾が、奧に広がる暗闇が、ゆっくりゆっくりと近づいてきて…………。
「や…やめてーーーーーーーーっ!」
絞り出すようなサユの悲痛に満ちた聲が耳を吹き抜け、の覚を取り戻す。
次の瞬間、弾丸のように飛來するがコブラソルジャーの右目を直撃した。
「キシャアアアアアアアアアアアアアッッ!」
しぶきを上げながら頭部を仰け反らせるコブラソルジャー。
何が起こったのか理解できず呆気にとられる俺は、足の締めつけが緩んだことに気付いた。
力のらないを鞭打って何とか出に功し、転げ回って距離を取った。
「な、何が……一…………」
「てんちにぃ! だ、大丈夫!?」
心配そうにすぐさま傍に駆け寄ってきたサユを見ると、その手には……こぶし大の石が握られていた。
「そ……それ、を……投げた……のか?」
「う、うん……なんとかしなきゃって思って、必死に……」
あのショットガンみたいなハンパねえ威力が……石ころ!?
多分、俺は今ものすごく間抜けな顔をしているだろう。
そのくらい驚いた。
なるほどなぁ、石つぶてかぁ、その発想はなかったわぁ……。
「けっこう効いたみたい、だけど……だけど、もうダメかも。ちょうどいい石がないし、注意されると防がれちゃいそうだよ」
「そ、そっか……いや、マジ助かったよ、ありがと」
「う、ううん……でも、その、あ、足……足が……」
「……ま、こんくらいへーきへーき」
泣きそうな顔と震える聲をしでも解消させたくて虛勢を張ってみたが、いかんせん俺がよほどヤバそうに見えたのか、サユの様子はますます悪化してしまった。
うん、しゃーない。
足がこれだけグチャグチャになって普段通り振る舞えるほど痛みに耐ないし。
ていうか、裾をまくったら足がどんな狀態になってるのか怖くて直視できない。
「ご、ごめん……やっぱり、あたしが戦うよ。こうなったのも全部あたしのせいだし、レベルだって……」
「待った待った! もう一回だけ俺を信じてくれ。考えがある」
「…………ほんと?」
「ああ、次こそ倒せる」
正直なところ、考えと呼べるほどのものじゃないので七割は噓だ。
ちなみに、殘りの三割は願と現実逃避でピッタリ埋まっている。
「…………ほんとにほんとにほんと?」
「ああ……って、こんな言い合いしてる場合か! 任せろって」
依然として不安な表は晴れなかったが、俺の真剣さが伝わったのか、サユはそれ以上口出しすることはなく、靜かに頷いた。
「よし、じゃあサユにもしだけ手伝ってしいことがあるんだ。まず……」
手短に作戦を伝え終わると、投石によって片目を潰されて悶絶していたコブラソルジャーも完全に戦闘態勢に戻り、興した様子でハルバードを突きつけてきた。
「やる気満々ってじだな……。ったく、できることなら平和的に話し合いで解決したいってのに……」
さっきの二の舞を避けるべく、俺は慎重に相手の出方を……うかがうことなく、一見すると無謀とも思える突進を決行した。
一見どころか、録畫して百回見直しても自殺行為だろう。
しかし、この負傷した足とリーチの差があったら、距離を取っても百害あって一利なし。
やはり間合いを詰めて長武の長所を殺し、相手の行を制限するのが一番。
「あ~うまくいく気がしねえ……。でも……ええい、ままよっ!」
萬全の狀態ですら、半分以上は運に助けられてなし得た荒業だ。
ご覧の有様である現在の功率は、それはもう悲慘なものであろう。
タイミングを誤れば……結末は言うまでもない。
俺は鉈を杖代わりにして無様に特攻し、ハルバードの攻撃範囲にギリギリるか否かになった瞬間、恐怖を吹き飛ばす意味も込めて聲のあらん限りんだ。
「サユ! 今だっっ!」
「い……っけーーーーーーっ!」
俺の合図を聞いて、サユは手にした石の塊を力いっぱい投げつけた。
大リーグ投手も足で逃げ出す剛速球だったが、すでにサユを俺以上に警戒しているコブラソルジャーは、バックラーで難なく弾き落とした。
貴重な殘弾は不発に終わったが、計畫通りだ。
コブラソルジャーが衝撃でぐらついたことと、注意力の大半がサユに向けられていることによって、俺が懐に潛り込む時間と隙は十分に作られていた。
ここで首に鉈を一閃……ってのは、俺の攻撃速度じゃ無駄だと學習済みだ。
俺のレベルでコイツを倒すには、もっと決定的なチャンスを生み出さなければいけない。
だから――。
「食らえっ! 必殺……調味料(シーズニング)ッ!!」
俺は左手を突き出し、唯一にして最弱のスキルを使った。
いかにも強力な攻撃魔法を放つような迫力と、つい今しがた右目をえぐられた記憶がこびりついたせいもあって、コブラソルジャーは俺の左手を避けて首を大きく左に倒した。
しかし、全MPを費やして勢いよく噴出した九十グラムのコショウは広範囲に及び、コブラソルジャーの殘る片方の目にしっかりと命中した。
「キシャアアアーーーーーーーーッ!」
「よっしゃっ!!」
思わずガッツポーズを決める俺の前で、コブラソルジャーは完全に視覚を奪われてをよじる。
これで心置きなく首を落とす一太刀を……。
という考えを察してか、コブラソルジャーはを小さく集させつつ、バックラーで首をガッチリと守って、スルスルと後退し始めた。
だが、この行も予想通り。
「お……っらあああああ!」
俺は落ち著いて、ハルバードを握るコブラソルジャーの右手を斬り落とした。
「やっ、やったーーーーっ!」
サユが喜びの聲を上げる。
が、まだ早い。
まだ攻撃手段を一つ奪っただけだ。
ここで油斷したら間違いなくあの世行きだ。
でも、大丈夫、問題ない、落ち著け、慌てるな、取りすな、クールになれ、次の行も読めてる。
「シュルルルル……シャーーーーッ!」
右手を失い視覚を絶たれたコブラソルジャーは、意を決したように天を仰いで今までにも増して激しく鳴くと、バックラーを振り回しながら猛然と迫ってきた。
追い詰められた生の、想像を遙かに超える威圧に息が詰まり、たじろぐ。
「てんちにぃーーーーーーーッ!」
サユの聲に勇気づけられて、鉈を持つ手にギュッと力をれ直す。
ビビるな、計畫通りだ。
コイツは今、予想外のダメージと視覚を失ったパニックによって冷靜さを欠き、俺達のいる方を強引に突破しようとしている。
後ろの部屋にはセーブクリスタルがあって近づけないから、そうするしかない。
だから、聴覚だけを頼りにがむしゃらに突っ込んでるだけだ……多分。
その証拠、とまでは言えないが、大聲でんだサユを目指して特攻を仕掛けている……気がする。
つまり、俺がすべきことは。
正確な位置を悟られずに……止めを刺す!
「が、がんばってーーーーっ! やっちゃえーーーーーー!!」
結局、サユには攻撃される危険を冒して注意を引きつけてもらっている。
まったく、けねえなぁ、カッコわりぃなぁ、よええなぁ、俺……。
ここまで援護してもらったんだ、足が痛いとか怖いとか言ってられっか。
コイツは、今、ここで、確実に仕留める!
意地があんだよ、男の子には!
「――――ッ!!」
俺は地面に落ちたハルバードを靜かに拾い上げ、脇を通り過ぎようとするコブラソルジャーの尾を半ばから思いっきり叩き切った。
「キッ……シャアアアアアアアアアアアアッ!」
バランスを崩して頭から倒れるコブラソルジャー。
咄嗟に首を守ったバックラーを持つ手を、今度は鉈で――。
ズカッ!!
「シャアアアシャーーーーーーーーーーーーッ!!」
最後に……!
最後に、曬し出された首を、腰を捻って、おおきく振りかぶって――!
バクンッッ!!
…………ばくん?
「て……て、てんち……にぃ…………」
俺は自分の左腕に目を向け、そして気づいた。
コブラソルジャーの巨大な口が、深々と食らいついていることに。
幸いなことに、巨大な二本の牙はかろうじて避けているものの、ギリギリギリギリと左腕が圧迫され――。
ミシ……ミシ……ボギッベキ!
あっけなく折れた。
やばい……やばいやばいやばいっ!
早く早くはやくはやくハヤク――――ッ!
俺は右腕だけで何度も何度もコブラソルジャーの首を斬りつける。
しかし、力がらず、なかなか切斷には至らない。
斬りつける度に衝撃が脳天まで電流のように伝わり、腕の圧迫が強く、だんだんだんだんと強くなっていく。
死にたくない、死にたくない、という執念が痛みとともに伝わってくる。
「ちっ……くしょおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!」
俺は雄びを上げ、最後の力を振り絞り、コブラソルジャーの首を斬り飛ばした。
「てんちにぃーーーーーーーっ!!」
サユが急いで駆け寄ってくる姿が、視界の端に映る。
しかし、その姿が俺に到達する前に。
目の前が、頭の中が、真っ黒に染まり…………。
俺は、崩れ落ちた。
【書籍化】誤解された『身代わりの魔女』は、國王から最初の戀と最後の戀を捧げられる
【書籍化準備中】 秘密だけれど、ルピアは世界でただ一人の魔女だ。『相手の怪我や病気をその身に引き受ける』魔法が使える。そんな彼女は、初戀相手であるフェリクス王と結婚することになった。 彼のことを一途に思うルピアに、フェリクス王も魅かれるけれど……誤解から、彼女が裏切ったと考えて冷たく當たってしまう。 ルピアはそんな彼の命を救い、身代わりとなって深い眠りについた。 「……ルピア。君が私への思いを忘れても、私はずっと君を愛するし、必ず君を取り戻すから」 夫のことが大好きな妻と、妻のことがもっと大好きな夫の話。 あるいは、長い片思いで息も絶え絶えになった夫が、これでもかと妻を溺愛する話。
8 193【本編完結済】 拝啓勇者様。幼女に転生したので、もう國には戻れません! ~伝説の魔女は二度目の人生でも最強でした~ 【書籍発売中&コミカライズ企畫進行中】
【本編完結済】 2022年4月5日 ぶんか社BKブックスより書籍第1巻が発売になりました。続けて第2巻も9月5日に発売予定です。 また、コミカライズ企畫も進行中。 これもひとえに皆様の応援のおかげです。本當にありがとうございました。 低身長金髪ロリ魔女が暴れまくる成り上がりの物語。 元チート級魔女の生き殘りを賭けた戦いの記録。 212歳の最強魔女アニエスは、魔王討伐の最終決戦で深手を負って死にかける。 仲間を逃がすために自ら犠牲になったアニエスは転生魔法によって生き返りを図るが、なぜか転生先は三歳の幼女だった!? これまで魔法と王國のためだけに己の人生を捧げて來た、元最強魔女が歩む第二の人生とは。 見た目は幼女、中身は212歳。 ロリババアな魔女をめぐる様々な出來事と策略、陰謀、そして周囲の人間たちの思惑を描いていきます。 第一部「幼女期編」完結しました。 150話までお付き合いいただき、ありがとうございました。 第二部「少女期編」始まりました。 低身長童顔ロリ細身巨乳金髪ドリル縦ロールにクラスチェンジした、老害リタの橫暴ぶりを引き続きお楽しみください。 2021年9月28日 特集ページ「今日の一冊」に掲載されました。 書籍化&コミカライズ決まりました。 これもひとえに皆様の応援のおかげです。ありがとうございました。 2022年2月17日 書籍化に伴いまして、タイトルを変更しました。 舊タイトルは「ロリババアと愉快な仲間たち ――転生したら幼女だった!? 老害ロリ魔女無雙で生き殘る!! ぬぉー!!」です。 2022年2月23日 本編完結しました。 長らくのお付き合いに感謝いたします。ありがとうございました。 900萬PVありがとうございました。こうして書き続けられるのも、読者の皆様のおかげです。 この作品は「カクヨム」「ハーメルン」にも投稿しています。 ※本作品は「黒井ちくわ」の著作物であり、無斷転載、複製、改変等は禁止します。
8 112【書籍化決定!】家で無能と言われ続けた俺ですが、世界的には超有能だったようです
俺には五人の姉がいる。一人は信仰を集める聖女、一人は一騎當千の女騎士、一人は真理を求める賢者、一人は人々の魂震わす蕓術家、一人は國をも動かす大商人。才知に優れ美貌にも恵まれた彼女たちは、誰からも愛される存在だったのだが――俺にだけ見せるその本性は最悪だった。無能な弟として、毎日のように姉たちから罵詈雑言の嵐を受け続けてきた俺。だがある日、とうとう我慢の限界を迎えてしまう。 「とにかく、俺はこの家を出るから。もう決めたんだ」 こうして家を出た俺は、辺境の都市で冒険者となった。こうして始めた新生活で気づく。あれ、俺ってもしかして超有能……!? 実力を評価され、どんどん出世を重ねていく俺。無能と呼ばれ続けた男の逆転劇が、いま始まった! ※GA文庫様より書籍化が決定、1~5巻まで発売中!
8 126真の聖女である私は追放されました。だからこの國はもう終わりです【書籍化】
【Kラノベブックス様より四巻が8/2発売予定!】 【コミカライズ、パルシィ様にて好評連載中】 「偽の聖女であるお前はもう必要ない!」 私(エリアーヌ)は突如、婚約者でもありこの國の第一王子でもあるクロードに國外追放&婚約破棄を宣告される。 クロードはレティシアこそ『真の聖女』であると言っていたが、彼女と浮気していたことも知ってたし、こちらから願い下げです。 だが、結界を張りこの國を影から支えてきてきた『真の聖女』である私を追放してしまって本當にいいのでしょうか? 多分……明日からドラゴンとか上級魔族が攻め入ってくると思うけど……まあ知ったことではありません。 私は王國を見捨てて、自由気ままに生きることにした。 一方真の聖女を失ってしまった王國は破滅への道を辿っていった。 ※日間総合1位、週間総合1位。ありがとうございます。
8 124魔法兵器にされたので女學園に入ります ~俺は最強の魔兵器少女~
田舎で牧畜をしていた少年、レイはある日失蹤していた兄の手により魔科學兵器に改造されてしまう。 それは強靭な身體能力と多彩な機能、莫大な魔力を秘めた――美少女兵器だった。 幸いにも洗脳を逃れたレイは、牧畜を続けることもできず路頭に迷ったが、幼馴染の女子の誘いからなんと名門魔法女學園に入學することとなる。 ただの冴えない少年が踏み入った、禁斷の魔法と女子の園。起こる事件、飛び交う魔法、そしてたくさんの女生徒たち。 魔科學兵器の無敵の力で、魔法女學園に旋風が巻き起こる!
8 107異世界で美少女吸血鬼になったので”魅了”で女の子を墮とし、國を滅ぼします ~洗脳と吸血に変えられていく乙女たち~
”魅了”、それは相手に魔力を流し込み、強制的に虜にする力。 酷いいじめを受けていた女子高校生の千草は、地獄のような世界に別れを告げるため、衝動的に自殺した。しかし瀕死の吸血鬼と出會い、命を分け合うことで生き延びる。人外となった千草は、吸血鬼の力を使って出會った少女たちを魅了し、虜にし、血を吸うことで同じ半吸血鬼に変えていく。 何も持たず、全てを奪われてきた少女は、吸血鬼として異世界に生まれ変わり、ただ欲望のままに王國の全てを手に入れていくのだった。 異世界を舞臺にした、吸血少女によるエロティックゴアファンタジー。 ※出て來る男キャラはほぼ全員が凄慘に死にます、女キャラはほぼ全員が墮ちます
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