《ニジノタビビト ―虹をつくる記憶喪失の旅人と翡翠の渦に巻き込まれた青年―》第18話 お風呂ののちアイス
食事が終わってしだけ食休みをすると食洗機に食類を突っ込んだ。
「キラ、お風呂すぐにれるけどどうする?」
「いや、そこはタビビトさん先にってくださいよ」
「分かった。じゃあお先に」
ごゆっくりと言って見送るとキラはテフロン加工を守るためにフライパンを手で洗いにかかった。この宇宙船はおおよそ一軒家ほどの大きさがあるため、水の節約のために設置された食洗機はそれこそフライパンが柄まですっぽりる程度の大きさだが、使用したフライパンはテフロン加工だったので手で洗う必要があった。キラの自宅には食洗機はなかったが、アルバイトしていた飲食店にはあったのでれて洗わないほうがいいものはきちんと把握していた。
フライパン一つだけなのですぐに洗い終わり、食卓のある、家でいうリビングのようなスペースにあるソファに座って自由に飲んでいいと言われたお茶をちびちびと飲みながら手持ち無沙汰ながらも、不自然に視線を彷徨わせて宇宙船部を観察して過ごした。
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ニジノタビビトがしっかり髪を乾かしてからお風呂から上がってきたのは、時計の針がメモリから次のメモリの半分まで進んだ頃にお風呂から上がってきた。
「キラ、お先に。あいにくシャワーしかないんだけど……さ、キラもっておいで」
ニジノタビビトはそう言うとキラにバスタオルとハンドタオルを一枚ずつ渡してくれた。
「そうだキラ、なんともないみたいだけど、翡翠の渦に巻き込まれたんだから、に傷とか何か異変がないかきちんと見ておくんだよ」
シャンプーとリンスはもちろんキラの星のものではないため、ボトルに書いてある文字もわからなかったが、星メカニカに限らず、他の星のバス用品や化粧品などの輸出はよくあることなので、基本どの星のシャンプーボトルにもギザギザの刻みがっていることは知識として知っていたので問題なかった。
バスルームには宇宙船であることから節水するためにシャワーしかなかったが、両腕を橫にばしても壁にはれないくらいの広さがあった。って右の壁には鏡があり、正面の壁にはボディーソープやシャンプー、リンスなどの石鹸類が吊り下げられていた。
キラはまず頭から熱めのお湯を浴びて肺にっていた空気を思い切り吐き出した。
「やっぱり、なんか、疲れたな」
キラはそこそこ獨り言を言うタイプの人間だったが、これ以上疲れたなんて口にしてしまうと余計肩が重くなりそうだったので水飛沫を飛ばしながら頭を振って、ありがたくシャンプーを拝借するために手をばした。
お風呂から上がってバスタオルでを拭きながら、キラはそういえば怪我や異変がないか見ておけとニジノタビビトに言われたことを思い出した。
「でも、石鹸が染みるとかなかったから別に怪我もしてないと思うけど……」
キラは視線を洗面臺の大きな鏡と自分のとを行ったり來たりさせながらくるりとその場で回った。
「あれ、なんだこれ。なんかアザかなんかかな」
キラが半周して首だけを回して鏡で自分の背中を見ると、背中側の腰のちょうど真ん中あたりに薄紫のようなグレーのようなの四角形というよりかはダイヤに近い形のアザのようなものがあった。背中側の腰なんて早々確認するところでもため、翡翠の渦に巻き込まれる以前に既にあった可能もあるが、この場合は流石に翡翠の渦に巻き込まれたためにできた可能が高かった。
キラはそのアザのようなものを人差し指で恐る恐る押してみたけれどこれといって痛みをじなかった。
「なんか変な痕だけど、痛くないからとりあえずいっか」
キラはたくましく、冷靜で明るく現実主義者であったが時折楽観主義者でもあった。
お風呂から上がったキラは、髪をタオルのみで乾かしてから洗面所を出た。しかし今は冷凍庫の真前に立って唸っているニジノタビビトの半歩後ろで遠い目をしていた。
キラも察している通り、ニジノタビビトは甘いものが好きだったので、腐らないアイスは冷蔵庫とは別にある冷凍庫にいっぱいに買い込んでいた。ちなみに、業務用かと見紛うほど大型であるはずの冷蔵庫についている冷凍庫とは別にもう一つあるのは、一応宇宙の長旅に備えてのものである。一応。
「よし、今日はチョコチップのアイスにしよう。キラも好きなの選んでね」
なるほど、やっぱり明日はデザートを作る必要はないかもしれない。
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