《ニジノタビビト ―虹をつくる記憶喪失の旅人と翡翠の渦に巻き込まれた青年―》第55話 約束の朝
二人で宇宙船の中に戻ると、キラはニジノタビビトをソファーに座らせてブランケットでくるまるようにした。それからニジノタビビトの足の甲に軽くれると、キッチンまで行って溫かくしたタオルを持ってきてそれでニジノタビビトの足を拭いた。
ニジノタビビトはそれくらい自分でやると言ったのだが、キラが優しい笑顔でしっかり拒んだため、ブランケットの裾を首元でぎゅっと握りしめてされるがままにぬくぬくとするしかなかった。
その後にキラが渡してくれたココアは溫かくて、早朝の獨特の冷たい空気も足を濡らした朝も決して嫌いではなく、むしろある種の心地よさがあったが、ブランケットにくるまりながらキラがいれてくれたココアを一緒に飲むだけの時間の方がずっと好きだと思った。
「よし、それじゃあ行こうか、キラ」
「うん、行こう」
キラとニジノタビビトは著替えてしっかり朝食を取ってから約束の公園へ向けて歩き出した。
公園についてもまだラゴウとケイトは來ておらず、並んでベンチに座って二人を待った。
「待たせたね」
し待つと、ラゴウとケイトは二人で並んで歩いてきた。ケイトの私服姿は見たことがあったが、ラゴウがラフな格好をしているのを見るのは初めてだった。といってもジャケットやネクタイがないくらいでシャツにスラックスという姿だった。
「いえ、私たちもさっき來たところです。早速ですが行きましょうか」
キラとニジノタビビトが並んで、その後にラゴウとケイトが続いた。ニジノタビビトはときどき後ろを振り向きながら虹をつくることについて話した。
「まず宇宙船に著いたら中で実際に記録などを見せてまた詳しく説明するんですが、簡単に流れを説明しますね」
まず、虹をつくるために必要なカケラをつくる。このカケラはを現化してつくるもので、その出されるは様々である。例えば、自分の中に思いれのあるを複製するような形でつくったり、今の自分には抱えていることが苦しいものをカケラに形を変えて外に出すようにしたりもちろん人によって千差萬別である。
カケラを七つ生したらあとは宇宙船に積まれた機械にセットして、起するだけだ。ちなみに、カケラの生も宇宙船に積んでいる虹をつくるのとは別の機械を使用する。
「本當に、私が見た宇宙船と一緒だ……」
草原に佇む宇宙船をみて思わずといったようにラゴウの口からこぼれた。
ラゴウだってあの劇的な映像をまさか自分の空想だとは思っていなかったが、実際に実を前にして驚いていた。
「すごいね……」
「ええ……」
宇宙船に足を踏みれたラゴウとケイトはやはりというべきか、あたりをキョロキョロ見回していた。キラももうすっかり慣れてしまったが、改めて見るとこの宇宙船を購しようとしたら一何十年のローンを組まなくてはいけないのかとし戦慄した。いや、むしろ何百年かもしれない。
キラは二人の様子に、分かると頷きながらキッチンに一度ってトレーに々と乗せて戻ってきた。中には昨日の夜、夕食を作る時とニジノタビビトがシャワーを浴びている時、部屋に戻った時に仕込んでいた飲みと、お茶菓子がいくつか。これは人の手作りが食べられないといけないので手作りのものと既製品のものを用意していた。自分で作ったものが手に取られなくても後で自分とニジノタビビトで食べるからたくさん用意しても特に問題はない。
その杞憂に反してラゴウもケイトも両方に手をばしてくれた。用意した飲みはペットボトルのお茶、コーヒーはスティックタイプのインスタントのもの。それからキラがれる紅茶と半分飲み半分おやつになるフルーツサイダーも用意した。お茶菓子はしょっぱいものと甘いもの既製品をいくつか、それから冷凍庫にれて置いた生地を切って朝食作りと並行して焼いたアイスボックスクッキーが二種類。
「人の手作りが苦手とかあったら遠慮なくこっちの既製品のをどうぞ。コーヒーはインスタントしかないんですけど……紅茶はこの後自分が淹れるのでしかったらおっしゃっていただければ。そこのクッキーは朝自分が焼いたものでチョコチップと、ブラウンの方がコーヒーとクルミです」
「丁寧に説明するのでし長くなりますから、食べながらどうぞ。いや、私が作ったんじゃないんですけどね………」
ニジノタビビトは軽く頭を掻きながら笑った。ラゴウとケイトは剎那顔を見合せたが、それぞれ紅茶とコーヒーをひとまず希した。
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