《ニジノタビビト ―虹をつくる記憶喪失の旅人と翡翠の渦に巻き込まれた青年―》第63話 虹のの並び
キラにとって見たことの無いものばかりで目まぐるしかった。しかしそれも當然だろう。今目の前でだということぐらいしか知らなかったの現化が行われただけでなく、それがカケラという七の、鉱石のような結晶に変容してを反しているのを見たのだ。そう、それから、ひとつののかたちも。
キラは虹をつくるということについて耳で聞いた報くらいしかほとんど知らなかったが、虹がつくられた後のカケラだけは実を知っていた。だからそのカケラの持つ輝きも手元に持って、見て、知っているはずなのに、遠目に見たラゴウのカケラの方が輝いて見えるのは何故だろうか。それは果たして彼の苦悩を多なりとも垣間見たからなのだろうか。
「見たところ、自然現象の虹の七になぞらえたようですね。そうすると、主虹のように赤が外側にするか、副虹のように赤が側になるようにするか……」
ニジノタビビトはそう言いながらキラの方に近づいてきた。り口の壁に寄りかかっていたキラは急に近づいて來たニジノタビビトに驚く。
「レイン?」
ずっと喋っていなかったのと、驚いたのとで小さく、掠れて上ずった聲しか出ない。
「キラちょっとごめんね」
そう言ってニジノタビビトは屈んでキラの足もとに手をばした。キラはおそらく何かを取ろうとしているのだろう、と気がついたので邪魔にならないように避けようとして足がついてこずに弓なりになってたたらを踏んだ。キラは変な格好なったのが恥ずかしくて誤魔化すように一歩下がって別の壁に背中を預けた。
ニジノタビビトが手に取ったのは縦二十センチ、橫三十センチほどのホワイトボードだった。ニジノタビビトはラゴウとケイトの方に戻りながらマグネットでくっついていたペンのキャップをあけて何やら書き込み始めた。
「この機械でつくれる虹は自然現象の虹と見た目はほぼ同じです。ただ自然現象のように恒星の位置とかは気にする必要はなくどこからでも見れます」
そこまで言ってニジノタビビトはアーチを重ねて二本描いた図を出して、まず外側の大きい方を指し示した
「こう、虹のアーチの外側が赤なのが主虹ですね。副虹はその逆で赤が側。一般的に虹の順番は主虹の場合外側から赤、橙、黃、緑、青、藍、紫とされていて、ラゴウさんもそれに準えていますが、例えば赤を真ん中に持ってくるとか順番をバラバラにするみたいな事もできます」
どうなさいますか、というニジノタビビトの問いにラゴウは考え込んだ。を決めるのにはそれほど悩まなかったが、順番を好きにできるとなるとし悩む。
「今までの人々はどうだったのかな」
「それが、皆さんやっぱり自然現象の虹の印象が強いのかの濃淡や明暗に違いはあれどのチョイスは自然現象の虹に似通っていることがほとんどでしたね。それでの順番を変えたり、ずらしたりする人はたまにいました」
「そうか……」
ラゴウは悩む様子を見せながら、ケイトの方を見た。ケイトはまだ両手をお椀狀にしたままカケラを三つ持ってし首を傾げた。
ラゴウは自分がどんな虹にしたいかというよりも、ケイト見る虹がどんなのがいいかを考え始めていた。自分の世界はここまでケイトを中心に回っていただろうかとも思ったが、これ以上の最を自分のこの先の人生で見つけられる気もしなかったので、これくらいならまあいいかと思うことした。
「うん、やっぱり外側からあか、だいだいと初めて最後にむらさきになるようにしよう」
「分かりましたそれではこの臺座の左側を虹の外側、右側を側になるようにカケラを置いてください」
ラゴウは立ち上がって機械の前まで進み出た。ケイトも立ち上がってラゴウの斜め後ろに立った。ラゴウはまず自分の手の中にあるあかいカケラをとって臺座にそっと置いた。
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