闇憑き洋館には大きく分けて3種類の化けたちがいる。1つはの一部だけが異様に大きく発達している化け。もう1つは生やの中にり、それの形や大きさを変えて襲ってくる謎の赤黒い球。そして最後にほとんどかない白い巨人のような化け。

の一部が大化した化けたちはゲームでは最もポピュラー。基本的には洋館を徘徊する奴らから逃げながら洋館出のため謎解きをしていく。大化している部分は化けによって異なり手足からや首に、目鼻や爪まで名稱がある部位ならどこでも。大化していない部分がそもそも3m近くはあろうかという人間のもので食べる為にプレイヤーを襲ってくる。大化していない部分も個によって特徴は異なり、男だったりだったり子供だったり、ピエロみたいなやつや刃を持っている奴もいる。

赤黒い球はプラズマボールのような見た目をしていて、中で何かがうごめいている。これは洋館の中にある家から蟲や爬蟲類、そして人の中にまで侵し寄生して姿を化けに変える。その変化のほとんどは全的に大きくなり、ある一部分だけはさらに大きくなるというもの。生に寄生した場合は球が出て行っても活を続ける。

質的にこのゲームのストーリ上で重要な位置にいそうなであり、個數は1だけ。実際にラスボスはこの赤黒い球であったりするらしい。

そして最後の白くて大きな人間のような生きはただそこにいるだけの化け。太にずっと當たっていないような青白いよりもっと白いを持っていてアルビノ生のようである。徘徊する化けよりも一回り大きなをした彼らは洋館の部屋や廊下でただ立っていたり座っていたりする。

いている個もずっとこちらに向けて手を振っていたり、ひたすら膝の曲げばしをしていたりするだけ。こちらから何もしなければ害はないが、逆に奇妙な恐怖を演出している。

近づきすぎれば一瞬で殺されたり、場所や個によっては部屋にっただけでもの凄い勢いで襲ってきたりもする。凜太は怖さで言えばその白い化けが一番苦手だった。

「次に行くのってこっちで合ってますか？」

「どうだろうね。もっと行ってみなよ……あ、そこの棚の中に代わり人形あるよ。たしか」

「本當だ。このアイテムは何ですか？持っといたほうがいいです？」

「それはね。やりこみ要素みたいな奴だね。全部集めないとあんまり意味ないから今は気にしなくていい――」

そういった化けたちがひしめく洋館の中にはアイテムや化けたちの誕生の核心に迫るメモが落ちていたりする。ちなみに「代わり人形」というアイテムはゲームオーバーになるときに一度だけその場で復活できたり、投げれば一定時間化けの注意を引いてくれる。

そういったアイテムを駆使しながらどこかから出するというのはホラゲーの王道で、闇憑き洋館はその中でも新しくクオリティが高いホラゲーの集大のようなゲームだ。やってみた分かったのはホラゲーに興味のない凜太でも流行るだけあって面白さもじられること。

謎解きや演出に手が込んでいるし、化けから逃げ切った時の爽快もある。良い意味でも悪い意味でも期待を裏切らない。化けが出てきそうな部屋からは絶対に何か出てくるのだ。

「このくらいで大進行度は15％ぐらいってところかな。どう？今のところのやってみた想は？」

一旦落ち著けそうなセーブポイントまでやってきたときに桜田が凜太に聞いた。そのとき凜太は1時間半ぶりにようやく桜田の目を見た。

「……正直ですね。思ったより面白いですね」

「でしょ！でしょでしょ。分かってくれた」

「はい。こんな怖いだけのゲーム何が面白いねんって思ってたんですけど。やってると引き込まれちゃいますね」

「そうでしょ。うわ嬉しいな。分かる人だね草部君は。私も今日は楽しめそうだ。どうするきりが良いしここでちょっと休憩する？」

「いやもうちょっとやっていいですか。先が気になります」

「うん！いいよいいよ。どんどんいこ。えいっ」

桜田が不意に手をばし、凜太の手に重ねてコントローラーを作した。メニュー畫面を閉じて安全な部屋から主人公を外へ出させる。

「はい。どうぞ」

その時の桜田からの手の溫もり、近づいたで凜太のハートはさらに燃え上がった。の暴走列車が猛スピードで走り出した瞬間だった。