《高収悪夢治療バイト・未経験者歓迎》第74話 RTA

「それじゃあ。おやすみ」

「はい。まだ暗いので気を付けてください」

微かに明るくなり始めた空の下、マンションの外まで桜田を見送った――。

その後、部屋に戻った凜太はさっそく行を開始した。ノートパソコンを立ち上げて検索ボックスに「闇憑き洋館」と打ち込む。

凜太もそろそろ寢る時間だったがこんな日の後に興が抑えられるはずもないのでもうし起きていることに決めた。

さっきまで桜田がいたベッドに寢そべりマウスを作した。し外に出てきたのでまだ自分のものではない香りが殘っていることがよく分かる。何の匂いとは分からないがとにかく甘くて良い匂いだ。

検索ボックスに続けて打ち込んだのは「考察」という文字だった。やる気がべらぼうにあるのはそうなのだが早朝にもう1周いくのはきついので眠くなるまでは本編で気になったところを調べる。次の練習を効率的にする為であることはもちろんのこと、単純に気になった。

闇憑き洋館のラストは……主人公を要所要所で苦しめた赤黒い球が洋館という建に寄生し化けたちも吸収して、滅茶苦茶になった部をなんやかんや死に狂いで逃げていたら心臓のような部屋にたどり著き、それを破壊することで化けたちを消し去り洋館を出するというハッピーエンドなのだが……結局のところあの化けたちは何だったのかははっきりとは語られていない。

考察を載せたサイトや考える人は思ったよりもたくさんいた。畫面をスクロールして求めるものが書いていそうなサイトをいくつか見ていく。

ゲームの謎のメモや意味ありげな演出や部屋でも予想がついていたことだったが、どのサイトでも主人公が迷い込んだ洋館では昔連続殺人事件が起きたという考察があった。ミステリーにありがちな館もの殺人事件のれの果てがああなったらしい。

謡や絵畫の通りに殺人が起きたことや化けたちがもとは人間だったという演出があった。

そしてゲームをある條件を満たしたうえでクリアすることで見れるトゥルーエンドでは主人公こそがその殺人事件後行方不明になった犯人だということが分かるということも知った。

言われてみればなるほどという容の考察や、このゲームなかなかやるじゃないかという想を凜太は抱いた。作中にも凜太がプレイ中に気づかなかった結末を示唆するものがあったらしい。

考察にほどほど満足した凜太は次にRTA畫を見た。もともとクリアしたゲームを最速でクリアした人がどんなきをするのか見るのが楽しいので見たことがあるようなものだったが闇憑き洋館のものは特に見てみたくて思い立ったら我慢できなかった。

RTA(Real Time Attack)とはあるゲームのクリアタイムを計測して短さを競うプレイスタイルのことで、人気のゲームなら例外はあれど全てにいくらかの競技者がいる。

RTAプレイヤーの畫は見るのが面白くて人気があるし、これからゲームを極めんとする人の攻略畫にもなる。今の凜太にとってはぴったりだった。

眠くなってきたので寢る準備をしながら……それが終わったら布団にって枕に頭を乗せながらざっと見ていった。

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