音量を小さくして視聴したRTA畫の中ではプレイ中苦労させられた化けたちがまるでペットののように軽くあしらわれていた。超効率的なきで化けを撒く時間も最小限、そんな危ない道を通っていいのかという場面もあったがするりと化けの手を掻い潛っていた。

それはあんなに難しかったはずなのにすごく簡単そうに見えて、通常プレイでは思いつきそうもない作もあったので目から鱗だった。ホラゲーなのにもはや怖くないその畫は見ていて笑えそうなくらいだった。

すぐには難しいだろうけど近いうちに凜太もこのRTAプレーヤーの半分くらいの実力になりたいと思った。

次の日は今度予定されている悪夢治療の練習に加えて、通常のバイトのシフトにもる必要があった。凜太は起きてからバイトに行くまで闇憑き洋館の練習をして、バイト中も暇な時間には頭の中できをシュミレーションした。

その日のバイトはワイルドな男の宮部と一緒で、簡単な夢の中また宮部の奇行に付き合わされた。まだ數を多く宮部とシフトにった訳ではないが宮部と一緒の時は悪夢の難易度が低めな気がした。こういう人間こそ運が良かったりする。

今回の宮部は下ネタの話が多めで夢の中での行はただの下著泥棒だった。の部屋を探して侵して下著を漁る。まったく桜田は月から來たお姫様でトイレで用を足すことも無いのに酷い落差だ。

さらに次の日の予定も大そんなものだった。起きてからバイトに行くまで闇憑き洋館の練習をして、バイトに行って、帰ってきてからまた練習。風呂や飯に睡眠には使いたいだけ時間を使うもののプライベートな時間で無駄な休憩時間は取らない。

大學生の夏休みにしては中々ストイックな生活だったけれど凜太は全く辛くはなかった。この生活のすぐ先には幸せな時間が待っている。のエンジンはまだまだ全開だ。

朝目覚めた凜太はすぐにベッドから出て予定をこなしていった。晝の朝飯を食べながらホラゲーをする……。桜田が家に來てから1日と半分で凜太は既にもう闇憑き洋館を3周していた。クリアタイムは回を追うごとに2時間3時間とんでいった。

接敵した時の最善の行もすぐに分かるようになってきて、これだけ上手くなっていればきっと桜田も驚くし喜ぶ。

夜の晝飯を食べた凜太はバイトにも元気よく向かった。今日のシフトは2人と一緒でメンバーは春山と増川。とまと睡眠治療クリニックのバイトの中では正常な2人だった。

3人でシフトにるということは患者の數が多いということだがこの2人と一緒であればまったり仕事に勵めることだろう。

そんな思いでバイト準備室にるとそこには春山と増川、そして何故か院長の馬場がいた。

「おはよう草部君待ってたよ。それでいきなりなんだけどごめんまずいことになった」

「おはようございます。どうしたんですか」

「この前のホラゲーの悪夢の患者さんがどうしても家じゃ眠れないからここで寢させてくれっていきなり來ちゃった」

「マジですか」

珍しくバイト準備室で出迎えた馬場はかなりまずいことを口にした。